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元駐中國大使で、公益財団法人日中友好會館顧問である谷野作太郎氏に、これまでの日中関係と今後の方向性、習主席訪日への期待、そして日中科學技術(shù)交流の重要性などについてお話を伺った。
米中関係について言えば、トランプ大統(tǒng)領のやり方は間違っています。これが、中國や日本の経済はもとより、米國も含めて、世界経済に及ぼすマイナスの影響は決して小さくありません。他方、中國にはWTOのルールにもとる所作(例えば、中國企業(yè)に対する補助金の問題)もなくはありません。とすれば、議論の場をジュネーブ(WTO)に移して、そこで、議論、決著を図るべきです。もっともトランプ大統(tǒng)領はそのようなマルティ(多數(shù)國間)の場での議論には極めて後ろ向きというもう一つの厄介な問題があります。また、その肝心のWTOの仲裁委員會を大幅に強化しなければならないのですが、これも今の米國の政権が邪魔だてをして、全く進んでいないという問題もあります。
<日中は共通の利益にこそ目を向けるべき>
――2018年10月、習近平主席と安倍総理は「競爭から協(xié)調(diào)へ」など、日中関係の3原則を確認しました。今後の日中関係の方向性をどのように見ていますか。
谷野:日本と中國は、お互いにまごうことなき世界の大國同士です。とすれば、日本と中國は狹い意味での日中関係(貿(mào)易、投資、「歴史」問題…)に閉じこもることなく――それも重要であることは否定しませんが――いま少し視野を広げ、両國が協(xié)力して、或いは協(xié)議の上、役割を分擔して、アジア、世界の平和と発展に向けて何が出來るか、ということを考えるべきです。
1998年、江沢民主席が訪日された時、発表された「共同宣言」には、つぎのようなくだりがあります。
「雙方(日本と中國)は、日中両國がアジア地域及び世界に影響力を有する國家として、平和を守り、発展を促していく上で重要な責任を負っていると考える。雙方は、日中両國が國際政治?経済、地球規(guī)模の問題等の分野における?yún)f(xié)調(diào)と協(xié)力を強化し、世界の平和と発展ひいては人類の進歩という事業(yè)のために積極的な貢獻を行っていく」。これは當時、中國側(cè)の主張で書かれたものです。
テーマはいくらでもあります。中國も含めてアジアの環(huán)境問題、北朝鮮問題、軍縮問題、國連改革、日本と中國も含めたアジアの高齢化社會への対応、アフリカの貧困問題への日中協(xié)力の取り組み等々です。しかし、殘念ながら、現(xiàn)在までのところ、日中の政治、外交関係が足かせとなって、この面で期待される?yún)f(xié)力はほとんど進んでいません。
その意味で、昨年の李克強総理訪日の折、両國が第三國におけるインフラ建設等の分野で協(xié)力してゆくことが合意されたことは、歓迎されることでした。
日中関係は、故周恩來総理がよくおっしゃっていたように「求大同、存小異」、お互いに「小異」にふり廻されることなく、共通の利益にこそ目を向けるべきです。
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