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日本でも「春節(jié)」という言葉が、かなり知られるようになりました。記事では「春節(jié)(舊正月)」のように説明を添えることが多いのですが、「春節(jié)」だけで理解する人も増えたのではないでしょうか。寫真は春節(jié)の飾り。
今の中華民國、つまり臺灣には「中國に比べて伝統(tǒng)文化をよく殘している」とのイメージがありますよね。それはそうなんですけど、中華民國は本來、かなり過激な革命思想を持っていました。中國共産黨がそれ以上に社會の、よく言えば「改変」、言い方を変えれば「伝統(tǒng)文化の破壊」をガンガンやるので、蔣介石が「われこそは、中華文明?中華文化の正統(tǒng)なる後継者」との政治宣伝のために、伝統(tǒng)文化を大切にするようになったというのが実情です。
▼舊正月の復(fù)活「春節(jié)」を許可したのは袁世凱
さて、新暦をいきなり導(dǎo)入した中華民國でしたが、民衆(zhòng)はなかなかついていけない。不満の聲も大きかったのでしょう。そこで、1913年7月に北京政府が袁世凱大総統(tǒng)(大統(tǒng)領(lǐng))に「わが國の舊俗には毎年四季の行事がある」として、「舊暦の元旦を春節(jié)、端午(舊暦5月5日)を夏節(jié)、中秋を秋節(jié)、冬至を冬節(jié)の名稱にして、それぞれ國民の休日とする」と提案したそうです。
袁世凱は春節(jié)を休日にすることは認(rèn)めましたが、夏節(jié)、秋節(jié)、冬節(jié)は認(rèn)めませんでした。そのため、春節(jié)以外は顧みられることがなくなったということです。
つまり、言葉としての「春節(jié)」が定著したのは、中華民國が発足した後という、長い中國史からすれば本當(dāng)に新しい出來事ということになります。一方の「元旦」は、舊暦の1月1日から新暦の1月1日への“引っ越し”を余儀なくされたわけですが、言葉としてはずっと古くから存在したわけです。
▼戦後に臺灣に來た國民黨政権は春節(jié)を白眼視
ここで気になるのは臺灣の「舊正月事情」です。なにしろ、辛亥革命の発生時、あるいは中國が舊暦から新暦に移行したり、「春節(jié)」なんて言葉が登場した當(dāng)時、臺灣は日本領(lǐng)でした。日本統(tǒng)治の開始にともない、すでに「日本の暦、つまり新暦に統(tǒng)一せよ」ということになっていたわけです。
臺灣で舊正月は公式の祝日として殘りませんでしたが、臺灣人は民間行事として祝いつづけました。日本統(tǒng)治時代初期には、臺灣に渡った日本人も舊暦の意識が強(qiáng)く殘っていたようで、舊正月に併せて年越しを祝っていたという記録もあります。しかし、日本人の意識からは舊暦による年越しの感覚が次第に薄れ、新暦の正月を「日本正月」、舊暦は「臺灣正月」といった呼稱も発生したようです。
戦後になって臺灣にやってきた中華民國の高官は、臺灣人が舊正月を盛大に祝っていることを白眼視しました。先ほどもご紹介しましたが、中華民國にはもともと、「革命思想」が強(qiáng)かったわけです。
特に、辛亥革命當(dāng)時の「熱気」を受け継ぐ國民黨の高級幹部は舊正月を「舊弊な風(fēng)習(xí)」と考え、役所の職員には舊正月にもとづく年始回りを禁止したほどと言います。1960年代になっても臺灣の舊正月の休みは1、2日。70年代になってやっと3連休になり、その後やっと、政府機(jī)関も4、5日の休みを取るようになったそうです。
■筆者プロフィール:如月隼人
1958年生まれ、東京出身。東京大學(xué)教養(yǎng)學(xué)部基礎(chǔ)科學(xué)科卒。日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強(qiáng)し、その後は北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する?!钢袊慰諝荨工蛘i者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。中國については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結(jié)局は得」が信條。硬軟取り混ぜて幅広く情報を発信。
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