<コラム>中國(guó)軍の大きな弱點(diǎn)、軍用ジェットエンジン技術(shù)の現(xiàn)狀

洲良はるき    2018年9月2日(日) 14時(shí)40分

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元米上院外交顧問が、ウクライナによる中國(guó)への軍用ジェットエンジンの供與について、「背信行為」だとして抗議している。寫真は中國(guó)の戦闘機(jī)?J―20。

中國(guó)がまだ大量に運(yùn)用するのに問題を抱えているとされるWS―10エンジンは、ロシアからすれば基本は約20年、もしくはそれ以上も前から実用化されていたAL―31という古いエンジンに相當(dāng)するものにすぎない。ロシアの最新戦闘機(jī)Su―35には、WS―10やAL―31よりずっと高性能なエンジンが搭載されており,第5世代ステルス戦闘機(jī)であるSu―57用のさらに高性能なエンジンも開発中だ。

中國(guó)もWS―15という次世代エンジンの開発を続けている。中國(guó)メディアのWS―15に関する報(bào)道はしばしば威勢(shì)がいい。去年、中國(guó)政府メディアは、WS―15がアメリカのプラット?アンド?ホイットニーF119エンジンに性能で匹敵すると喧伝していた。F119エンジンは、アメリカのF―22ステルス戦闘機(jī)に採(cǎi)用されている非常に高性能なエンジンだ。しかし少なからぬ西側(cè)専門家たちは、WS―15にはまだ信頼性など、多くの問題があるとしている。

2015年に中國(guó)のWS―15エンジンが地上テストで爆発した、とサウスチャイナ?モーニング?ポスト(2018年2月10日付)が伝えている。エンジンが爆発した理由はさまざまで複雑だが、ひとつの原因としては、WS―15エンジンのタービンブレードの品質(zhì)管理に問題があると考えられている。同記事では、この問題は未だ解決されていないとしている。

第5世代ステルス戦闘機(jī)としては低性能なエンジンを搭載している現(xiàn)在のJ―20には、推力不足が指摘されている。推力が足りない場(chǎng)合には、高速をだすためにはアフターバーナーを使用する必要がある。アフターバーナーは燃料消費(fèi)が非常に激しく、ごく短時(shí)間しか使用できないと同時(shí)に、激しい炎を出すので赤外線センサーで探知されやすくなり、ステルス機(jī)にもかかわらず敵に見つかりやすくなってしまう。

中國(guó)航空工業(yè)集団の最高経営責(zé)任者、林左鳴が去年中國(guó)國(guó)営メディアに語(yǔ)ったところによると、中國(guó)はWS―10エンジンに改良を施し、稼働時(shí)間は800時(shí)間から1500時(shí)間に達(dá)したという。

英字軍事問題報(bào)道サイト、ストラテジーページ(2018年7月28日付)によると、中國(guó)のJ―11戦闘機(jī)用に約300基のWS―10が製造されたとしている。ロシアのAL―31Fエンジンより、中國(guó)のWS―10Aエンジンの方が優(yōu)れていると中國(guó)側(cè)は主張しているという。ロシアのAL―31エンジンの稼働時(shí)間は900時(shí)間だったが、改良を施して1500時(shí)間にまで伸ばしていた。しかし、最近ではその稼働時(shí)間は2000時(shí)間にまで達(dá)したという。國(guó)産エンジンがあるにもかかわらず中國(guó)がAL―31をロシアから購(gòu)入しているのは、十分な數(shù)のWS―10を生産できないからだという報(bào)道もある。ストラテジーページでは、中國(guó)のWS―10エンジンには深刻な信頼性問題があり、そのため使用できるエンジンの數(shù)が限られてしまっているとしている。

現(xiàn)在、世界で最も進(jìn)んでいる航空機(jī)エンジンを製造する三大メーカーが、アメリカのゼネラル?エレクトリック社とプラット?アンド?ホイットニー社、そしてイギリスのロールス?ロイス社だ。華中科技大學(xué)でレーザー加工技術(shù)を?qū)Wんだ彭家暉教授によると、ゼネラル?エレクトリック社、プラット?アンド?ホイットニー社、ロールス?ロイス社で働いた多くの中國(guó)人研究者や中國(guó)人技術(shù)者が、中國(guó)に帰國(guó)して働くことでジェットエンジン開発のペースを著しく加速させているという。

技術(shù)の向上という點(diǎn)では、中國(guó)の軍用航空エンジン需要の大きさも見逃せない。中國(guó)軍はアメリカ軍には負(fù)けるものの、非常に多くの戦闘機(jī)を所有している。大量に生産?運(yùn)用すれば、その分、経験を得る機(jī)會(huì)も増大し、多くのノウハウが蓄積されていく。

現(xiàn)在に至っても、中國(guó)が軍用ジェットエンジン技術(shù)で、アメリカやロシアに大きな差をつけられているというのは事実である。しかし、中國(guó)はリバースエンジニアリングによる海賊コピーやスパイ行為、サイバー攻撃を通じて最新技術(shù)を盜むなどして、なりふりかまわない。中國(guó)は、急速にその技術(shù)力を進(jìn)歩させている。航空機(jī)エンジンの分野で中國(guó)がウクライナと提攜することで、広範(fàn)囲にわたって中國(guó)の研究?開発が加速することになるだろう。アメリカとの差はまだ少なくないとはいえ、軍事航空機(jī)エンジン技術(shù)で、中國(guó)との差は縮まり続けている。

今回、ウクライナ製のエンジンが搭載されているとして批判を受けた「洪都JL―10」はジェット練習(xí)機(jī)である。高性能なジェット戦闘機(jī)を自由に操るには高度な技量と多くの訓(xùn)練時(shí)間が必要になる。しかし、高性能な戦闘機(jī)は1時(shí)間飛ばすだけで、燃料やメンテナンスのために何萬ドルというコストがかかるのが通例だ。戦闘機(jī)パイロットは高性能なジェット戦闘機(jī)の操縦桿を握る前に、小型で軽い練習(xí)機(jī)でさまざまなことを?qū)Wぶ。JL―10ジェット練習(xí)機(jī)にはウクライナ製「イーウチェンコAI―222」ターボファンエンジンが2基搭載されている。

中國(guó)中央軍事委員會(huì)公認(rèn)で人民解放軍が出資している英字軍事サイト「チャイナミリタリー」(2018年8月6日付)は、「近い將來中國(guó)が4隻の空母を展開するとされる狀況で、中國(guó)海軍は緊急に約400人のパイロットを必要とする」という記事を掲載している。

■筆者プロフィール:洲良はるき

大阪在住のアマチュア軍事研究家。ブログやツイッターで英語(yǔ)?中國(guó)語(yǔ)の軍事関係の報(bào)道や論文?レポートなどの紹介と解説をしている。

■筆者プロフィール:洲良はるき

大阪在住のアマチュア軍事研究家。翻訳家やライターとして活動(dòng)する一方で、ブログやツイッターで英語(yǔ)?中國(guó)語(yǔ)の軍事関係の報(bào)道や論文?レポートなどの紹介と解説をしている。月刊『軍事研究』に最新型ステルス爆撃機(jī)「B-21レイダー」の記事を投稿。これまで主に取り扱ってきたのは最新軍用航空機(jī)関連。

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