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6月5日、中國の無人機(jī)「暗剣」の畫像が中國インターネットのソーシャルメディアに現(xiàn)れた。中國航空工業(yè)第一集団の瀋陽航空機(jī)設(shè)計(jì)研究所が開発するこの無人機(jī)は、ステルス性能を持ち、超音速で飛行できると推測されている。寫真は「暗剣」の模型。
ビジネス?インサイダー(2018年6月5日)に掲載された英國王立防衛(wèi)安全保障研究所の航空戦の専門家、ジャスティン?ブロンクの発言によると、「暗剣は全く異なった設(shè)計(jì)理念を表している」「安定した上下の動(dòng)き(ピッチ)のために、『暗剣』は幾分長い機(jī)體になっており、F-22様式の垂直尾翼を持っている。それは超音速での性能と戦闘機(jī)としての能力に適合させていることを示唆している」としている。
さらにブロンクは、もしも大量に製造されれば、どう少なく見積もってもアメリカ軍戦闘機(jī)のミサイルを吸収し、それだけで効果的な戦闘機(jī)になりうるとしている。また、大量生産ができれば、物量が質(zhì)となるとも言っている。
F-22やF-35のような戦闘機(jī)に代表されるアメリカ軍の戦術(shù)戦闘機(jī)で現(xiàn)在よく挙げられる問題點(diǎn)の一つが、搭載できるミサイルが少ないことだ。空対空ミサイルは、ステルス?fàn)顟B(tài)を維持したときにはF-22では最大8発しか搭載できない。F-35ではさらに少ない。
次世代戦闘機(jī)を語るときには、しばしば何度も撃てるレーザーのような兵器の話題が上がる。しかし、敵の航空機(jī)を攻撃できるような実用的レーザーが戦闘機(jī)のような大きさの機(jī)體に搭載されるのはまだかなり先になるだろう。
F-22などに搭載されているミサイルの多くは電波で誘導(dǎo)される。ロシアや中國は電子戦技術(shù)を非常に発達(dá)させており、レーダー誘導(dǎo)のミサイルはジャミングされて命中率が下げられてしまうといわれている。狀況にもよるだろうが、強(qiáng)力なジャミング環(huán)境下でアメリカ軍が敵機(jī)を撃墜しようとする場合には、より高い命中率を期すために、一つの目標(biāo)に同時(shí)に2発以上空対空ミサイルを発射しなければならない可能性が指摘されている。この場合、アメリカ軍の戦闘機(jī)が一度の出撃で攻撃できる敵機(jī)の數(shù)はさらに少なくなるだろう。そこに中國の大量の無人機(jī)が現(xiàn)れたらどうなるだろうかという課題を、「暗剣」の存在は暗示している。
無人機(jī)を戦闘機(jī)として使用する場合の利點(diǎn)としてよく挙げられるのは、無人機(jī)は大きな荷重に耐えられることだ。人間が耐えられる荷重は9Gくらいが限界だが、無人機(jī)にはそのような制限がない。他に利點(diǎn)としては、機(jī)內(nèi)にパイロットやその脫出裝置などを乗せる空間やペイロードもいらない。また有人機(jī)ならコクピットを覆うのに必要な透明の大きな窓(キャノピー)が必要だが、無人機(jī)ならいらない。キャノピーはステルス性能を相當(dāng)悪化させると言われているが有人機(jī)では妥協(xié)している。
ドッグファイトで無人機(jī)に有利な點(diǎn)は多い。しかし、まだ無人機(jī)の空対空戦闘は実現(xiàn)的ではないという主張は多い。
無人機(jī)を地上から遠(yuǎn)隔操縦する場合、無人機(jī)のセンサーが情報(bào)を送信し、地上の操作員がそれを見て操作し、さらに信號(hào)が無人機(jī)まで送られて実際に無人機(jī)が反応する一連の動(dòng)作に、約2~3秒くらいかかると言われている。対地攻撃無人機(jī)がすでに実用化されているのを見ればわかるが、地面にある目標(biāo)を攻撃する場合には3秒の応答の遅延はそれほど問題にはならない。しかし、すばやい反応が求められる戦闘機(jī)同士の空中戦において、3秒の遅延は致命的な欠陥となる。
空対空無人機(jī)の別の可能性としては、遠(yuǎn)く離れた陸上にいる操作員の反応を待たず、無人機(jī)自體が自身のAIで判斷して空中戦を行うことだ??罩袘椁茿Iが熟練したパイロットを破ったという報(bào)道はすでにある。この対戦がどのような狀況で行われたかはわからないが、おそらく厳しいルールが課せられるなど、かなり制限された狀況であったのではないかと推測される。なんでもありの実戦では、人間の頭脳はまだまだAIよりすばやく柔軟な反応ができるとされている。
機(jī)械が獨(dú)自の判斷で人を殺すことが許されるのか、という倫理的な問題もある。それを除いても技術(shù)面で自律型AIが有人戦闘機(jī)相手に空中戦を行えるまでには、さらなる技術(shù)の大幅な進(jìn)歩が必要で、時(shí)間がかかるだろう。
中華網(wǎng)(2018年6月7日付)では、「暗剣」が無人僚機(jī)実証機(jī)の可能性があるとしている。J-20の設(shè)計(jì)者である楊偉は言う。「未來の第六世代戦闘機(jī)では、有人機(jī)と無人機(jī)が共に行動(dòng)するようにならなければならない」「より高性能な第五世代機(jī)が完全に新しい設(shè)計(jì)の無人機(jī)を隨伴させて共同作戦を行うことで、(第六世代機(jī)が)実現(xiàn)できるかもしれない」。記事では、「暗剣」がもしもJ-20に隨伴する“無人僚機(jī)”であるなら、あるいは比較的小型のレーダーを搭載し、前方に進(jìn)出してレーダー?プラットフォームを擔(dān)當(dāng)し、機(jī)內(nèi)に2~4基の空対空ミサイルを搭載して、有人のJ-20戦闘機(jī)と共同作戦を行うとしている。
有人機(jī)と無人機(jī)との密接な連攜はすでに実現(xiàn)しつつある。AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターと、無人機(jī)による連攜がアフガニスタンの戦場で実際に行われている。使用される無人機(jī)は、RQ-7シャドーやMQ-1Cグレイ?イーグルだ。アパッチ攻撃ヘリコプターの搭乗員が近くにいる無人機(jī)の飛行経路をコントロールし、無人機(jī)からリアルタイムに得た映像を利用することで、効果的に敵を攻撃できるとされている。無人機(jī)を前方でセンサーとして使用できるようになれば、有人機(jī)が危険な場所に深く近づく必要はなくなる。
無人機(jī)が將來の戦場で、ますます重要な役割を擔(dān)うようになるのはまず間違いない。今回の実物大「暗剣」の寫真の登場で、中國が無人機(jī)を重視し、多額の投資をしていることが伺える。
中國は無人機(jī)の輸出にも力を入れている。300キロメートル以上飛行できる無人機(jī)については、MTCR(ミサイル技術(shù)管理レジーム)という國際的合意があり、かなり厳しい條件に合格しないと輸出できない。特に対地攻撃能力のある無人機(jī)の輸出は難しくなっている。MTCRは大量破壊兵器の運(yùn)搬手段となりうる無人機(jī)やミサイル、及びそれらの部品?技術(shù)の輸出を規(guī)制するものだ。
ヨルダンやアラブ首長國連邦、エジプト、サウジアラビアは、アメリカに無人機(jī)の購入を申し出た。しかし、MTCR規(guī)制もあり、アメリカはこれを拒否している。結(jié)果、これらの國は無人機(jī)の購入先として中國へと目を向けることになった。
すでに中國は対地攻撃能力のあるCH-4偵察無人機(jī)のような先進(jìn)的なシステムを9カ國に販売している。資料によって違うが、CH-4は最大345キログラムのペイロードを持ち、40時(shí)間滯空でき(武器搭載時(shí)は14時(shí)間)、1600~5000キロメートルもの航続距離を持つとされている。
MTCRには、日本やアメリカ、ロシア、英仏獨(dú)伊、インドやカナダ他、世界で重要な役割を果たしている多くの國が參加している。中國はMTCRに參加していない。
■筆者プロフィール:洲良はるき
大阪在住のアマチュア軍事研究家。翻訳家やライターとして活動(dòng)する一方で、ブログやツイッターで英語?中國語の軍事関係の報(bào)道や論文?レポートなどの紹介と解説をしている。月刊『軍事研究』に最新型ステルス爆撃機(jī)「B-21レイダー」の記事を投稿。これまで主に取り扱ってきたのは最新軍用航空機(jī)関連。
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