中國の新エネルギー車の割合は50%でピークアウト?本命はPHEV、純EVはどうなる?

高野悠介    2025年3月27日(木) 7時(shí)30分

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中國の新エネルギー車の割合は50%でピークアウトするとの見方が出ている。寫真は「騰勢N9」。

中國汽車流通協(xié)會(huì)乗用車市場信息聯(lián)席分會(huì)によると、2024年の中國の自動(dòng)車販売臺(tái)數(shù)は前年比5.5%増の2289萬4000臺(tái)、うち新エネルギー車(EV、PHEV、燃料電池車)は同40.7%増の1089萬9000臺(tái)で、全體に占める割合は47.6%だった。

2025年の販売臺(tái)數(shù)は前年比2%増の2340萬臺(tái)、うち新エネルギー車は同20%増の1330萬臺(tái)で、全體に占める割合は57%と予想している。

しかしこのところ販売シェアは頭打ちのようだ。今後どうなっていくのだろうか。

シェア50%の攻防

中國メディアもこの頭打ち現(xiàn)象を論じ始めている。

新華財(cái)経によると、新エネルギー車の24年の月別販売臺(tái)數(shù)と全體に占める割合は以下の通り。24年全年の割合は47.6%だった。

1月 67萬3000臺(tái) 33.0%

2月 38萬2000臺(tái) 34.7%

3月 71萬8000臺(tái) 42.4%

4月 67萬5000臺(tái) 44.1%

5月 79萬7000臺(tái) 46.7%

6月 85萬6000臺(tái) 48.5%

7月 88萬1000臺(tái) 51.3%

8月 102萬5000臺(tái) 53.7%

9月 112萬2000臺(tái) 53.2%

10月 119萬5000臺(tái) 52.9%

11月 126萬7000臺(tái) 52.3%

12月 130萬3000臺(tái) 49.5%

25年1~2月は以下の通り。

1月 74萬4000臺(tái) 41.5%

2月 72萬0000臺(tái) 51.5%

春節(jié)休みがあるため、1月と2月は累計(jì)で評(píng)価する必要がある。すると45.9%となり、年間予測より10%以上低い。24年8月の53.7%をピークに減少傾向にある。

20萬~35萬元クラスでは圧倒的

クラス別のデータもある。新華財(cái)経による24年の新エネルギー車の価格帯別の販売臺(tái)數(shù)と販売臺(tái)數(shù)全體に占める割合は以下の通り。

10萬元以下 256萬9000臺(tái) 43.3%

10萬~15萬元 350萬1000臺(tái) 49.7%

15萬~20萬元 126萬3000臺(tái) 38.5%

20萬~25萬元 109萬1000臺(tái) 63.0%

25萬~30萬元 128萬3000臺(tái) 59.6%

30萬~35萬元 47萬臺(tái) 66.2%

35萬~40萬元 21萬7000臺(tái) 35.1%

40萬元以上 33萬4000臺(tái) 33.6%

価格的には20萬~35萬元(約400萬~700萬円)ゾーンで突出している。國産乗用車は高価格化が進(jìn)み、20萬元以上の國産車の割合は22年が27%、23年が36%、24年が41%と上昇した。新エネルギー車が原動(dòng)力に違いない。課題は20萬元以下のボリュームゾーンだ。

PHEVが優(yōu)位に

新エネルギー車の中でPHEVが伸びている。中國汽車工業(yè)協(xié)會(huì)によると、23年の新エネルギー車の構(gòu)成は純EVが70.4%、PHEVが29.5%、燃料電池車などが0.1%だった。それが24年には純EVが60.0%、PHEVが40.0%、燃料電池車などが0.0%と、PHEVの比率が急増した。

非営利の研究機(jī)関?中國電動(dòng)汽車百人會(huì)は25年にPHEVが40%、レンジエクステンダー(エンジンを発電にのみ使用)が10%となり、純EVは50%に減少すると予想した。レンジエクステンダーのシェアは微々たるものだったが、10%に急増するとしている。コンサルティング大手マッキンゼー?アンド?カンパニーもレンジエクステンダーは耐久性とコストの優(yōu)位性により爆発的に増加すると指摘する。

中國メディアはPHEVとレンジエクステンダーの優(yōu)位性について次のようにまとめている。

インフラ

地方都市では充電インフラが不足している。PHEVとレンジエクステンダーは従來の燃料駆動(dòng)と電気技術(shù)を巧みに組み合わせて低燃費(fèi)と長航続距離を?qū)g現(xiàn)させ、現(xiàn)狀の地方都市において非常に便利で信頼性が高い。

政策の影響

PHEVとレンジエクステンダーは地方政府の購入補(bǔ)助金、ナンバープレート優(yōu)先登録などにおいて純EVと同様の扱いを受けられる。國は公用車の30%を新エネルギー車とし、都市部では100%でもよいと規(guī)定している。これらは普及の大きな推進(jìn)力だ。

ユーザー體験の多様化

週末の気ままなドライブや長距離旅行など、自動(dòng)車のユーザー體験は多様化している。航続距離が長く、給油の簡単なPHEVとレンジエクステンダーは家族全員のニーズに対応する理想的な選択肢だ。

女性と若年層がカギ

汽車之家研究院は「自動(dòng)車購入ユーザー動(dòng)向の洞察(2025)」というレポートを発表した。それによると、買い替えを促す補(bǔ)助金政策「以舊換新」により、買い替え人口が初購入者を上回り、自動(dòng)車市場の主力となった。24年に自動(dòng)車の購入意向を持っている人の男女比率は男性が78.7%、女性が21.3%だった。女性は前年比4.1%減だったが、男性の59%は配偶者やパートナーなど女性の意見を參考にすると答えた。

年齢別では、買い替え人口の増加に伴い、41歳以上の比率が急上昇し、40歳以下、特に男性比率が低下した。しかし、今後は買い替え需要でも若年化が進(jìn)むとみられ、やはり女性と若年層がカギとなる。

また、55%は日常の移動(dòng)の他に車內(nèi)での休息など豊かなリビングとしての空間価値を重視していた。47%は車內(nèi)で過ごす時(shí)間が増えたと回答しており、特に新エネルギー車のユーザーにこの傾向が強(qiáng)い。

本命はPHEV

情報(bào)収集を開始してから購入決定までの期間は平均2カ月。中でもオンラインで自動(dòng)車を調(diào)べる期間は21年の41日から24年は35日へと短くなっている。ただし閲覧コンテンツ量は変わらず、事前研究が深まっている。新エネルギー車と內(nèi)燃エンジン車を比較する人にはさらに2倍のコンテンツ需要がある。メーカーは市場やユーザーの急速な変化に対応し、マーケテイングを迅速に調(diào)整する必要がある。それらをクリアして販売臺(tái)數(shù)を伸ばしているのがPHEVとレンジエクステンダーというわけだ。

新エネルギー車全體ではなく、純EVの構(gòu)成比に注目しなければならない。純EVはボリュームゾーンを捉えきれるのか?25年はその將來を決する年になりそうだ。

■筆者プロフィール:高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株(現(xiàn)パンパシフィック)青島事務(wù)所長、上海事務(wù)所長を歴任、中國貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?,F(xiàn)在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ-プな情報(bào)を提供。著書:2001年「繊維王國上海」東京図書出版會(huì)、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會(huì)、2007年「中國の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。

※本コラムは筆者の個(gè)人的見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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