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「訪問の目的は?」と聞かれたときのために「友人の結(jié)婚式に參列するんです」という答えを用意して臨んだ入國(guó)審査では、スタンプを押されたパスポートが無言で返されただけだった。資料寫真。
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「訪問の目的は?」と聞かれたときのために「友人の結(jié)婚式に參列するんです」という答えを用意して臨んだ入國(guó)審査では、スタンプを押されたパスポートが無言で返されただけだった。
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1度目の中國(guó)は大學(xué)4年生の時(shí)。大學(xué)の同じゼミだった留學(xué)生カップルが帰省するというので、せっかくだから、ともっともらしい理由を付け、押しかけのような形で友人何人かと訪問した。彼らが案內(nèi)してくれる上海は、ガイドブックに載っているところから路地裏の行きつけの店まで幅広く、夕食の時(shí)に雨が降り出したらお父さんが傘を持ってきてくれるという大サービスまで付いていた。
2年後の2006年6月6日。六の重なる縁起の良い日取りに彼らが上海で挙式をするというので、私にも招待狀を送ってくれた。失禮がないようにと思い、ネットで中國(guó)の結(jié)婚式事情を調(diào)べた。ご祝儀袋は赤がいいのね。白はお葬式の色だから極力使わないようにしよう。著物で行こうとしていたけれど、半衿くらいなら白でも大丈夫かな。え、Tシャツにジーンズで披露宴に出る人もいるの?でも日本に留學(xué)していた2人の結(jié)婚式なんだし、鮫小紋みたいな柄なら大丈夫よね。著付けは何とかなるとしても、ヘアセットはどうしよう。そうだ、前に上海に行ったときに毎日美容室でシャンプーしてもらっていたっけ。夜遅くまでやっていたし、ホテルの近所の美容室でお願(yuàn)いしてみよう。椅子に座りながら泡立ててもらうシャンプー、面白かったなぁ。思いを巡らせながらの旅支度もまた楽しいものだった。
入國(guó)後は、友人である新郎とその家族に招待され、上海の高層マンションにある新居に案內(nèi)してもらった。和室までも有する広々とした室內(nèi)には精巧な切り紙で作られた飾りがあちこちに飾られていた。大量の爆竹やたばこは、翌日の挙式前に新婦を迎えに行くときに家の前で妨害されるので、賄賂として渡して道をあけてもらうために使うんだ、という話もしてくれた。ベッドにはお人形や卵が置かれ、それぞれがいわれのある縁起物だ、ということも教えてもらい、文化の違いを?qū)g感した。
夕食を戴いて辭去し、ホテルに戻った。周辺には夜遅くまでやっている美容室が多く、フロントでお?jiǎng)幛幛坤冉踏铯盲康辘巳毪?。お決まりのシャンプーが始まってから美容師さんに、明日、挙式參列用にヘアセットをして貰いたい、という旨を英語(yǔ)で伝えた。擔(dān)當(dāng)の彼は困った顔をして同僚を呼ぶと、夜で閑散とした店內(nèi)にはあっという間に私を囲んだ輪が出來た。英語(yǔ)が伝わらない。だが、私にはこの地をルーツとする漢字の知識(shí)がある。持ってきてくれた紙とペンを使い、ああでもない、こうでもないと筆談が始まった。なかなか伝わらなかったヘアセットは中國(guó)語(yǔ)で「設(shè)計(jì)」ということが分かり、翌日の予約も無事に取れ、私の髪の毛も「吹干」され、賑やかなギャラリーのままお會(huì)計(jì)までわいわいと見送られ店を出た。
翌朝、再度訪問するとその店で一番上手だというカリスマ感漂う男性美容師が擔(dān)當(dāng)してくれた。日本では必ず「多いですね」と言われる毛量の私の髪を、スプレーだけでアップにしてくれる技量を発揮し、見たことのないカラースプレーで髪が彩られた。ちょっと派手かな、と心配したがホテルに戻り著物を著てみると意外と悪くなく、お禮を言うためにもう一度その美容室に戻った。著物姿に大変喜んでくれ、皆で寫真撮影をし、彼らが呼んでくれたタクシーで無事に會(huì)場(chǎng)に向かうことが出來た。
挙式は、數(shù)年前まで一般人は立ち入りが出來なかったという立派な迎賓施設(shè)の美しく整えられた庭で、人前式の形式で行われた。すっきりと晴れた青空とどこまでも続きそうな緑の芝生のコントラストは鮮やかで、シンプルなデザインながらも質(zhì)の良さが際立つウエディングドレスの白に生花のフラワーシャワーがくっきりと映える様子は、まるでドラマを観ているようだった。お人形のようにきれいな新婦と、お人形のように固まった新郎の対比の微笑ましさももちろん印象的で、それを優(yōu)しく見守る両家の親族の穏やかさも伝わってくる幸せな時(shí)間だった。
午後6時(shí)6分に始まった披露宴は600人を超える大所帯で、それでも「呼びきれなかったから明後日もう1回、300人くらいを呼んでやるんだよ」と當(dāng)人たちは笑っていたが、3時(shí)間を超える披露宴のなかでカラードレス、チャイナドレスなど何回もお色直しをして登場(chǎng)する彼らはどれも目を見張る美しさで、まるでファッションショーのようだった。また2人が中座している間、私の著物姿を見た他のゲストが何人も話しかけに來てくれ、溫かに歓迎してくれている雰囲気がとても嬉しかった。
その後、彼らには可愛い女の子が産まれた。昨日のことのように上海での結(jié)婚式のことを覚えている私をよそに、その子ももうあの頃の私たちの歳に近づいてきている。時(shí)の流れのあまりの速さに慄きながらも、溫かく美しいあの時(shí)間は私の大切な経験として輝いている。
■原題:上海での結(jié)婚式
■執(zhí)筆者プロフィール:小山 真理(こやま まり)國(guó)會(huì)議員事務(wù)所職員
1982年水戸市生まれ。茨城大學(xué)人文學(xué)部在學(xué)中に中東、ヨーロッパ、東南アジアを歴訪。大學(xué)四年次に同じゼミに所屬していた中國(guó)人留學(xué)生の帰省に合わせ中國(guó)?上海に初訪問する。卒業(yè)後、彼らの結(jié)婚式への參列を含め、中國(guó)訪問は2回。大手証券會(huì)社?損害保険會(huì)社での勤務(wù)を経て、結(jié)婚?出産?,F(xiàn)在は小學(xué)生の子ども2人の育児の傍ら、參議院議員の茨城事務(wù)所で働く。
※本文は、第6回忘れられない中國(guó)滯在エピソード「『香香(シャンシャン)』と中國(guó)と私」(段躍中編、日本僑報(bào)社、2023年)より転載したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報(bào)社の許可を得て掲載しています。
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