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9月に中國市場に8タイプの新エネルギー車が投入される。寫真は「極越07」。
9月に中國市場に8タイプの新エネルギー車が投入される。9~10月は「金九銀十」と呼ばれる書き入れ時だ。新年度や國慶節(jié)連休は新商品の購入意欲が高まるが、乗用車市場はあまりにも混沌としている。政策がレッドオーシャンをさらに引っかき回している。新しい車は売れるのだろうか。1車ずつ分析してみよう。
中國汽車流通協(xié)會乗用車市場信息聯(lián)席分會(乗聯(lián)會)によると、中國の8月の乗用車販売臺數(shù)は前年同月比1%減の191萬臺だった。新エネルギー車(EV、PHEV、燃料電池車)は同42%増の101萬5000臺で、初めて100萬臺を突破した。中國メディアは関連政策の有効性が反映された結(jié)果と報じた。政策とは7月25日に発表された「大規(guī)模設(shè)備更新と消費財の買い替えへの支援強化に関する若干の措置」を指す。舊車の廃棄と買い替えを促す補助金政策だ。新エネルギー車に対する補助金が5000元(約10萬円)上乗せされ、最大2萬元(約40萬円)となった。4月に開始されたばかりの政策をさらに強化したものだ。市場は反応し、入門レベルの純EVやPHEVが力強く成長した。8月末の段階で、補助金申請は80萬件に上る。しかし、8月の乗用車市場全體では前年割れに終わった。
■吉利汽車が攻勢
吉利汽車の2024年上半期の販売臺數(shù)は95萬5000臺で、BYDの160萬7000臺、奇瑞汽車の105萬7000臺に次いで3位だった。9月には三つの提攜チャンネルから新車を発売し、攻勢を強めた。
領(lǐng)克Z10
領(lǐng)克(LYNK&CO)は9月上旬に純EVセダン「領(lǐng)克Z10」を発売した。領(lǐng)克は2016年にスタートした吉利とボルボの合弁による高級車ブランドで、これまでに累計100萬臺を販売している。今回のZ10は同ブランド初の純EVで、ベーシックグレードは21萬5800元(約432萬円)から。魅力的なエクステリアだが、競爭は厳しい。
極越07
極越は9月上旬に中大型セダン「極越07」を発売した。極越は吉利汽車とIT大手の百度が設(shè)立した自動運転を意識した高級スマートカーブランドで、23年8月に1號車の「極越01」を発表した。全長4900mm、ホイールベース3000mmとかなりの大きさ。今回の「極越07」は2號車だ。
極氪7X
極氪(Zeekr)は9月下旬に大型SUV「極氪7X」を発売する。極氪は吉利汽車の高級EVブランドで、運営は21年設(shè)立の浙江極氪智能科技が擔(dān)當する。21年4月に1號車の「極氪001」を発表した。従來のセダンとSUVの概念を破ったデザインの美しさ、動力性能、運転の楽しさなど高い総合性能を持つ。今回の007はその廉価版に位置付けられる。
■新勢力系
楽道L60
楽道(ONVO)は9月上旬に中型セダン「楽道L60」を発売した。楽道は蔚來汽車(NIO)の第2ブランドで、L60はその1號車だ。中型SUVで価格は20萬6000元(約412萬円)から。バッテリーレンタル版は14萬9000元(約300萬円)だが、レンタル料がかかる。蔚來汽車は2014年設(shè)立の「造車新戦力」の代表格で、創(chuàng)業(yè)者の李斌(リー?ビン)氏は自動車サイト「易車網(wǎng)」を立ち上げた実績を持つ。國有の江準汽車、奇瑞汽車とパートナーシップを結(jié)び、EVを開発している。しかし、2024年上半期の販売臺數(shù)は8萬7000臺にすぎない。サブブランドは早すぎるが、蔚來は高級、楽道はファミリーと位置付けているという。
全新智己LS6
智己汽車は9月末に中型SUV「LS6」の新バージョンを発売する。智己汽車は20年に上海汽車、張江高科、アリババの3社により設(shè)立された。目的はSDV(ソフトウェア?デファインド?ビークル=外部との雙方向通信で車を制御、ソフトウェアは隨時更新)を模索することだ。24年1月に上海地區(qū)の主要道路でオートパイロットアシストを基本的に実現(xiàn)した。新型LS6は4900mmと大型で、価格は22萬9000元(約460萬円)から。予約開始から10日で1萬5000臺を突破するなど好調(diào)だ。
■ファーウェイ系
AVATR07
AVATR(阿維塔)は9月上旬に中型SUV「AVATR 07」を発売した。純EVとレンジエクステンダーの2本立て。AVATRは國有の長安汽車、ファーウェイ、宇徳時代(CATL)の共同による高級スマートカーブランドで、「AVATR」は化身を意味している。「AVATR 07」は22年の「AVATR11」、24年3月の「AVATR12」に続く3車目だ?!窤VATR11」は純EVの高級SUVだが、ヒットした?!窤VATR07」は「AVATR11」の進化版のような存在で、レンジエクステンダーを付加したのがミソだ。
ファーウェイ系別ラインの問界シリーズではPHEVの「問界M7」、レンジエクステンダーの「問界M9」がヒットしており、これに倣うのだろう。
■GMとBYDの大衆(zhòng)車クラス
寶駿雲(yún)海
寶駿は9月末に小型SUV「寶駿雲(yún)?!工虬k売する。寶駿は上海汽車、米ゼネラルモーターズ、広西汽車(前身は柳州五菱汽車)の三者合弁企業(yè)の上汽通用五菱のブランド。上汽通用五菱は4萬~8萬元(約80萬~160萬円)クラスの超小型自動車のトップランナーだが、2010 年に小型車と輸出を見據(jù)えた第2ブランドの寶駿を立ち上げた。寶駿雲(yún)海はPHEVが12萬1800元(約244萬円)から、純EVが13萬5800元(約272萬円)からと、同社にとって最上級クラスの車だ。
海豹06GT
BYDは9月下旬に「海豹06」を発売する。中小型の純EVワゴンで、躍動感のあるスタイリッシュなデザインだ。5月に発表された新型の純電動車用プラットフォーム「e-Platform 3.0 evo」を使用する。これには12項目の世界初採用の技術(shù)を取り入れた。全長4600mmで、15萬元(約300萬円)臺のコスパの高いファミリーカーだ。
■純EVの苦戦が鮮明に
純EVの20萬~30萬元(約400萬~600萬円)クラスは、シャオミSU7、テスラModel3、極気007、星紀元ES、智己L6、智界S7など最大の激戦區(qū)となっている。
乗聯(lián)會が指摘する通り、販売の焦點が15萬元(約300萬円)以下の入門タイプ小型EVとPHEVだとすれば、9月に新車を発売したBYD、AVATR、寶駿は有望だ。20萬元(約400萬円)以上の純EVで勝負する企業(yè)は難しい。何しろ國內(nèi)ブランドで純EVが黒字の企業(yè)は一つもない。この「金九銀十」で明暗がさらに分かれることになるだろう。
■筆者プロフィール:高野悠介
1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株(現(xiàn)パンパシフィック)青島事務(wù)所長、上海事務(wù)所長を歴任、中國貿(mào)易の経験は四半世紀以上。現(xiàn)在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ-プな情報を提供。著書:2001年「繊維王國上?!箹|京図書出版會、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會、2007年「中國の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。
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