拡大
江蘇省蘇州市で6月24日、日本人母子とスクールバスが襲撃される事件が起きた。
(1 / 5 枚)
本文は中國語で6月30日に発表したもので、中國の読者から好評を得た。日本の友人がぜひ本文を見たいというので、日本語に訳した。日本の読者からも共鳴を得られれば幸いである。(2024年7月7日)
【その他の寫真】
江蘇省蘇州市で6月24日、日本人母子とスクールバスが襲撃される事件が起きた。バス案內(nèi)役の胡友平さんは勇気ある行動(dòng)で、まず刃物で切り付けられた母子をかばい、次に犯人がバスに乗り込もうとするのを阻止し、母子とバス內(nèi)の子供たちを救った。胡さんは數(shù)カ所を刺されて重傷を負(fù)い、6月26日に救急手當(dāng)のかいなく不幸にも息を引き取った。
人を救うために勇敢に闘った胡さんの正義の行動(dòng)に人々は深く感動(dòng)した。あの時(shí)、犯人を止めなければ、多くの犠牲者を出していたであろう。中國の國民は胡さんの正義感に心を打たれ、死を惜しんだ。蘇州市は胡さんに「正義と勇気の(見義勇為)模範(fàn)」という稱號を授與した。
中國各界の人々は悲しみと哀悼の意を表すとともに、金銭や物品を寄付して慰問の意を表そうとしたが、胡さんの家族は「ここ數(shù)日、私どもは各方面からお心遣いとお悔みを賜り、皆様の溫かいお?dú)莩证沥诵膜楦兄xいたします。しかし、金銭と物品につきましては受け入れないことを、家族會(huì)議にて全員一致で決定いたしました。それらにつきましては、各地にある『見義勇為基金』に寄付されますようご提案申し上げます」と発表した。これは中國社會(huì)がますます進(jìn)歩し文明的になっていることを示している。6月28日に蘇州市葬儀ホールで胡さんの告別式が行われ、家族、友人、親戚、一般市民、市?區(qū)レベルの関係指導(dǎo)者が悲しみと哀悼の意を表した。
金杉憲治駐中國日本大使は6月28日、「胡友平さんがこの度、逝去されたとの報(bào)に接し、日本政府、そして日本國民を代表し、その勇気ある行動(dòng)に改めて深い敬意を表するとともに、心からのお悔やみを申し上げます」と哀悼の意を表した。また、北京にある日本大使館は半期を掲げ、SNSの公式アカウントで「彼女の勇気と善意は、多くの中國の人々を代表するものだと信じています」とコメントした。
日本大使館が半旗を掲げたのは、安倍晉三元首相が死去したとき以來だという。金杉大使と日本大使館がいかに胡さんの正義の行動(dòng)を重視しているか、いかに中國國民に尊敬の念を抱いているかが伝わってくる。6月28日午後から29日午前にかけて、日本のメディアはこのニュースを繰り返し報(bào)道し、日中関係の雰囲気改善に喜ばしき好影響をもたらした。
金杉大使がこれほどまでにこの正義の行動(dòng)を重視し、日中関係の改善に資する果斷な措置をあえて取ったのは、昨年12月19日に赴任する際に語った抱負(fù)と関係があると察する。金杉大使は「日中両國の間には様々な協(xié)力の可能性がありますが、同時(shí)に、數(shù)多くの課題や懸念があります。そうした中で、諸懸案についても対話をしっかりと重ね、共通の課題については協(xié)力していく、この日本政府の方針を現(xiàn)場で一つ一つ実施に移していくことが、私の責(zé)務(wù)であると考えています」とあいさつ文の中で述べていた。
金杉大使はこの半年、対話と協(xié)力を強(qiáng)化するために、いろいろな活動(dòng)を積極的に展開してきた。1月24日に対外連絡(luò)部の劉建超部長、4月11日に天津市黨委員會(huì)の陳敏爾書記、5月20日に安徽省の王清憲省長、6月6日に民政部の陸治原部長、6月13日に甘粛省黨委員會(huì)の胡昌昇書記とそれぞれ會(huì)談した。
近年、非常に殘念なことだが、日中間の雰囲気に好転の兆しが見えたかと思うと、何らかの問題が起き、日本のメディアによってそれが大きく喧伝され、好転の兆しが抑え込まれていた。最近、日本の世論では中國との対話や平和外交を求める聲がまた高まり始めていた。そんな折、6月24日の事件が起きた。當(dāng)初、日本の一部メディアは日本人母子とスクールバスが襲われたことだけを報(bào)道し、胡さんの勇気ある行動(dòng)についてはほとんど報(bào)じられなかった。しかも、少し前に吉林省で起きた外國人4人と中國人観光客が刺された事件と絡(luò)めて、「中國には排外主義的な感情がある」「現(xiàn)地の日本人は動(dòng)揺している」など偏った報(bào)道が多く見られた。
しかし、胡さんが6月26日に亡くなると、狀況は一変した。胡さんの勇気ある行動(dòng)が日本のメディアに紹介され、「暴力の前では中國人と外國人の區(qū)別はなく、正義と犯罪の闘いがあるのみ」として、日本人の心は完全に中國人の心に溶け込んでいった。とりわけ、日本大使の弔辭と半旗掲揚(yáng)の寫真が紹介されると、日本中に中國社會(huì)と日本社會(huì)の共鳴現(xiàn)象が生じ始めた。これはここ10年來まれに見る好ましき光景であり、それをいかに持続させ、発展させていくかが重要な課題となる。
日中関係は厳しい狀況にあるが、胡さんの正義の行動(dòng)は両國の人々に慈雨をもたらしてくれたようなものだ。このごく普通の中國人女性の行動(dòng)が、中國人の優(yōu)しさと勇敢さを表し、正義のために犠牲をいとわない精神を示してくれた。それは中國人だけでなく、日本人にも感動(dòng)を與えた。これを契機(jī)に、日中間の雰囲気を悪循環(huán)から好循環(huán)に変えることができないものだろうか?
外部要因と日本の中國に対する誤解により、四つの政治文書は有名無実化し、両國関係は悪循環(huán)に陥っている。ここ5年間、「中國脅威論」や「臺(tái)灣有事即日本有事論」が飛び交ってきた。日本外交の自主性喪失および中國をライバル視するようになったことから、中國の日本に対する態(tài)度も厳しくなり、日中間の國民感情はこれまでになく悪化した。
しかし、ここ數(shù)日の現(xiàn)実は、日中両國民の真の感情的融合の可能性を示してくれたし、開明的有識者の存在も十分に示された。両國民と開明的有識者の努力によって、外部の影響力を徐々に除去し、國交正常化の原點(diǎn)に戻り、日中関係を好循環(huán)の軌道に乗せることができると信じたい。
■筆者プロフィール:凌星光
1933年生まれ、福井県立大學(xué)名譽(yù)教授。1952年一橋大學(xué)経済學(xué)部、1953年上海財(cái)経學(xué)院(現(xiàn)大學(xué))國民経済計(jì)畫學(xué)部、1971年河北大學(xué)外國語學(xué)部教師、1978年中國社會(huì)科學(xué)院世界経済政治研究所、1990年金沢大學(xué)経済學(xué)部、1992年福井県立大學(xué)経済學(xué)部教授などを歴任。
Record China
2024/7/5
Record China
2024/7/4
Record China
2024/7/3
人民網(wǎng)日本語版
2024/7/3
Record China
2024/7/2
Record China
2024/7/1
ピックアップ
we`re
RecordChina
この記事のコメントを見る