周辺國の領(lǐng)有権爭いが続く南シナ海で中國とフィリピンの対立がエスカレートしている。比側(cè)は中國側(cè)の「攻撃的行動」で兵士が指を切斷する重傷を負(fù)ったと非難。米CNN　は「世界的な紛爭の火種となる可能性が出ている」と警鐘を鳴らした。南シナ海は一段と「天気晴朗なれど波高し」だ。

中比両國の対立の舞臺となっているのは、南沙（英語名?スプラトリー）諸島の仁愛礁（同アユンギン礁）周辺の海域。同礁はフィリピン軍が古い座礁船を拠點(diǎn)に実効支配し、補(bǔ)給船を派遣している。中國側(cè)は昨年來、放水銃を使うなどして補(bǔ)給をしばしば妨害していた。

比メディアによると、補(bǔ)給に向かっていたフィリピン海軍の船が17日、中國側(cè)から「攻撃的な行動」を受け、中國側(cè)の乗組員との亂闘が起きた。その際に7人がけがをしたほか、銃8丁が奪われた。乗員がいた作業(yè)ボート4隻が中國側(cè)に一時(shí)拿捕（だほ）されたことも判明。交渉の末に解放されたものの、船體に穴を開けられたという。

フィリピン軍は中國側(cè)の妨害を避けるため、6隻の船を別々のルートから航行させたが、すべての船が妨害に遭った。比當(dāng)局は「今回の任務(wù)は純粋な軍事作戦」とし、中國側(cè)の行動を軍への攻撃行為ととらえている。テオドロ國防相は17日の聲明で「軍は中國の危険で無謀な行動に抵抗する」と宣言。本格的な衝突が起きる寸前まで緊張は高まっている。

CNNによると、米國のカールソン駐比大使はX（舊ツイッター）で、中國の「攻撃的で危険な動き」を非難すると表明。米國務(wù)省のミラー報(bào)道官は17日、「米國は同盟國であるフィリピンと共に立ち、狀況をエスカレートさせる無責(zé)任な（中國の）行動を非難する」と明らかにした。

これに対し、中國外交部の林剣報(bào)道官は17日の記者會見で「フィリピンの補(bǔ)給船1隻と高速艇2隻が17日、中國政府の許可を得ずに、中國南沙諸島の仁愛礁近隣海域に不法侵入し、不法に座礁させた軍艦への建築材料を含む物資の輸送を企てた」と指摘。「中國海警局はフィリピンの船舶に対して必要な取り締まり措置を?qū)g施した?，F(xiàn)場での措置は専門的で自制的、合理的かつ合法だった」と述べ、「海上でのいかなる権利侵害と挑発に対しても斷固として対応する」と強(qiáng)調(diào)した。

中比間の対立の背景にあるのは「密約」の有無。フィリピン紙が今年3月、匿名の中國高官の証言としてその存在を報(bào)じ、比國內(nèi)で物議を醸した。中國に融和的だったドゥテルテ前政権下で結(jié)ばれ、比側(cè)による仁愛礁への建築資材の持ち込みを制限する內(nèi)容とされる。

マルコス現(xiàn)政権は密約には関知していないと説明。中國側(cè)は「比前政権と現(xiàn)政権いずれの期間にも合意（密約）は存在した」として、比側(cè)に順守を求めている。（編集/日向）