中國では改革開放の進(jìn)行に伴い、多くの「大富豪」が登場(chǎng)した。典型的なパターンは、立ち上げた企業(yè)が大きく伸びて保有する株式の時(shí)価総額がうなぎのぼりになるなどだ。しかし一方で、消えてしまう人も多い。不正行為などで有罪判決が確定した人もいる。そんな中で、「消えてしまった大富豪」と見なされた一人が陳天橋氏だ。しかし中國では最近になり、陳氏は現(xiàn)在も盛んに事業(yè)を行っており、資産総額もかえって増えているとして話題になった。さらに、精神面でも「大脫皮」をすることになり、事業(yè)にもそのことが反映されているという。

ネットゲームで大成功、しかしその後は忘れられた存在に

陳氏は1999年に盛大網(wǎng)絡(luò)を共同創(chuàng)業(yè)した。同社は韓國製ゲームの代理配信で急成長し、2004年には米ナスダックに株式上場(chǎng)した。同社はその時(shí)點(diǎn)で、中國で最も時(shí)価総額が高いゲーム會(huì)社であり、世界で最も時(shí)価総額が高いゲーム會(huì)社になった。わずか31歳だった陳氏の資産総額は90億元を突破し、翌年には150億ドルに達(dá)した。

しかし陳氏はその後、盛大網(wǎng)絡(luò)を通じて手掛けた新規(guī)事業(yè)の多くに失敗した。陳氏は12年にシンガポールに移住し、盛大網(wǎng)絡(luò)は上場(chǎng)廃止となった。陳氏は14年以降、盛大網(wǎng)絡(luò)の関連會(huì)社を相次いで売卻するなどした。陳氏はインターネットでもほとんど話題にならなくなり、ビジネス界でも忘れられていった。

投資事業(yè)でかつてより大きな資産を形成

しかし陳氏はまだ保有していた會(huì)社を通じて、投資事業(yè)を進(jìn)めていた。主な分野はベンチャーキャピタルや不動(dòng)産投資だ。傘下に5本のファンドを抱えており、過去20年間に創(chuàng)業(yè)プロジェクト156件に投資し、年間回収率は40％を上回っているという。また、米國の不動(dòng)産情報(bào)誌によると、陳氏は米オレゴン州に19萬8000エーカー（約8萬ヘクタール）の土地を保有し、米國における外國人として2番目の大土地保有者という。陳氏はまた、カナダのオンタリオ州にも約50萬エーカー（約20萬ヘクタール）の土地を保有しているという。

さらに、ニューヨークやロサンゼルス、上海でも「ランドマーク的建物」を購入した?，F(xiàn)在は45社を支配しており、投資地図は世界に広がっている。個(gè)人の資産額は、盛大網(wǎng)絡(luò)を手放した時(shí)期には120億元だったが、現(xiàn)在は530億元（約1兆1000億円）で、むしろ大幅に増やしている。

陳氏が一時(shí)、ビジネスから手を引いた主たる理由は病気だった。36歳の時(shí)に手術(shù)を受け、深刻なうつ狀態(tài)になったという。陳氏は「毎晩、太陽が西に沈むと、私の人生が終わりを迎えたような気がします。今夜、私は死ぬような気がします」「橫になると起き上がれないし、座ると立ち上がれないし、呼吸もできない」と語ったことがある。

転機(jī)は心の病気、信仰に目覚め脳科學(xué)に関心

陳氏はその後、仏教を深く信仰するようになり、同時(shí)に「脳科學(xué)マニア」になったという。そして、設(shè)立したTCCI財(cái)団（陳天橋脳科學(xué)研究院）を通じて、カリフォルニア工科大學(xué)に脳科學(xué)研究所設(shè)立のために1億1500億ドルを寄付するなどしている。陳氏がこれまでに脳科學(xué)分野で出資した金額は100億元近くに達(dá)するとされる。

陳氏の「脳科學(xué)への傾倒」は、同氏が仏教信仰などにも関連していたため、長らく「神秘的色彩がある」と見なされてきた。しかし実際の事業(yè)展開を見ると、大脳の認(rèn)識(shí)、大脳の治療、大脳の発育という科學(xué)としてきちんとしたテーマに主眼を置いていることが分かる。陳氏はまた、大脳と人工知能（AI）の組み合わせにも関心を持っている。陳氏は、「脳科學(xué)を通じて、自分が探しているのは自分自身の『救い』です」と語ったことがある。

中國の「消えてしまった大富豪」については、あまりにも欲望を膨らましてしまったことが転落の大きな原因と見受けられる場(chǎng)合がある。しかし陳氏の場(chǎng)合には、苦しい病気を體験したことで、精神面が「大脫皮」したようだ。陳氏の脳科學(xué)分野への投資についても、投資期間が長いだけでなく、結(jié)果を數(shù)値化することも困難な場(chǎng)合があるので、「何が何でもリターンを求める」のではなく寄付の側(cè)面が強(qiáng)いとの見方がある。陳氏については、病気になったおかげで「欲望を満たすためならば悪魔に魂を売り渡す」という、最も深刻な心の病気にならずにすんだといった論評(píng)もある。（翻訳?編集/如月隼人）