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華字メディアの日本華僑報は9日、元日に発生した能登半島地震をめぐる在日中國人の手記を掲載した。寫真は被害を受けた石川県輪島市(撮影:李秀傑)。
華字メディアの日本華僑報は9日、元日に発生した能登半島地震をめぐる在日中國人の手記を掲載した。以下はその概要。
新年の初めから、能登半島でマグニチュード7クラスの深刻な地震が発生した。石川県輪島市で被災した小學生の男児は被災したショックで突然泣き出してしまうことがあり、母親は一緒に避難生活を送る周囲の人たちに気を使いながらも「1日1回泣いてもいいよ」と約束、倒壊した自宅に荷物を取りに帰ろうとした母親に男児が「離れないで」と泣きつくこともあったそうだ。
この報道を見て、私は子どもがまだ小さかった頃に體験した震災を思い出した。3.11(東日本大震災)の時に私がいた地域は震度5弱だった。ドーンという大きな音がした後、家じゅうが揺れ始め、食器が一つ一つ床に落ちて行った。1歳になったばかりの末っ子は『落ちた、落ちた』と繰り返していた。當時平靜を裝っていたが、津波の映像をテレビで見て世界の終わりが來たような気がした。スーツケースに洋服とパスポート、大量のおむつ、防寒用毛布を詰めて、大きな恐怖と、必ず子どもたちを連れて生還するという思いを持って、5階の自宅を跳び出した。
階下で2人のママ友と會った。彼女たちは焦る私を見て、慰めながらお兄ちゃん(上の5歳の息子)はどうしたのかと尋ねた。息子が幼稚園にいて、私の車が車検切れで使えないことを知ったママ友の1人が自分の車で一緒に迎えに行くと申し出てくれた。自らが経験した震災で日本人に助けられたのは初めてのことだった。その夜、出張先から戻ってこられなかった夫に慰められ、余震が続く中で不安な一夜を過ごした。しかし、2人のママ友も同じように家の中で子どもに寄り添っているのだと思うと、勇気がわいてきた。
2008年5月の四川大地震でも日本人に助けられた。當時、幼い長男を連れて「親子広場」でボランティアをしていた。地震発生後、(畫面越しに)同胞たちが苦しむ様子を見て胸が締め付けられたが、焦っても自分にはどうすることもできなかった。そんな時、ボランティアの責任者であるおばあさんが手を差し伸べてくれた。ある溫かな午後、「中國で起きた大きな災害のために、何かお手伝いできることはありませんか?」と尋ねてくれたのだ。その時、熱い涙があふれたのを覚えている。
おばあさんの助けを借りて、親子広場に募金箱を設置し、參加者のママたちに手紙を書いて被災した子どもたちが助けを必要としている狀況を説明した。みんな収入が少ない中で気持ちを出し合ってくれた。母親から話を聞いたという4歳の子も、自分のお小遣いを寄付してくれた。いっぱいになった募金は、大連市慈善総會を通じて被災地に寄付した。金額は多くはないかもしれないが、紛れもない日本の人々の気持ちである。そして事実、四川大地震の際には日本政府や社會からたくさんの支援を受けた。日本の救援隊が誰よりも早く被災地に駆けつけてくれたことを、私は覚えている。
今、日本で再び地震が起きた。數(shù)年前と比べて日本はいわゆる「盟友」である米國に巻き込まれて中日関係の発展に不利益な外交?軍事的な動きを見せており、核汚水(処理水)の排出をめぐっても両國の関係は傷ついた。このことが、(中國の)國內世論の中に戦爭の傷を含む新舊の恨みを呼び起こし、ネット上にヘイトスピーチがあふれることとなった。筆者はそのことを非常につらく感じている。
背景は理解できるが、わが國は広大な愛を持った國である。戦爭が中華民族にもたらした傷を許すことができないとしても、私たちはかつて大きな愛で日本の戦爭遺児を育てたではないか。それだけでなく、私たちの文化は「己の欲せざる所は人に施すなかれ」を提唱している。もし私たちが災難に遭い、相手があざ笑ったら、私たちはどう感じるだろうか。
天災を前にして、筆者はまず視點を変えるべきだと考える。どの國にも天災や人災があり、「報い」などで問題を説明してはならない。他人が災難に遭った時こそ、私たちが援助の手を差し伸べる時である。(中國)外交部の報道官は3日の會見で能登半島地震について日本を見舞い、必要な支援を提供すると発表している。それこそが大國のあるべき姿だと思う。災害を前に同情心のないヘイトスピーチをすることは愛國ではないと肝に銘じなければならない。新時代の「人類運命共同體」を提唱する前に、まずあるべきは最も普遍的な人類愛である。(翻訳?編集/北田)
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