日朝首脳會(huì)談実現(xiàn)へポジティブな見方も=小泉訪朝時(shí)に似た狀況?―注目の岸田発言と北の反応

山崎真二    2023年6月6日(火) 8時(shí)30分

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岸田首相が先ごろ、日朝関係打開に向け意欲的姿勢を示したのに対し、北朝鮮が前向きともいえる反応を見せたことから、さまざまな憶測が流れている。

岸田首相が先ごろ、日朝関係打開に向け意欲的姿勢を示したのに対し、北朝鮮が前向きともいえる反応を見せたことから、さまざまな憶測が流れている。果たして日朝首脳會(huì)談実現(xiàn)の可能性は?

北朝鮮が前向きに転換か―外務(wù)次官談話

周知の通り、岸田首相は5月末、都內(nèi)で開かれた北朝鮮による拉致被害者の即時(shí)帰國を求める「國民大集會(huì)」で「首脳會(huì)談を早期に実現(xiàn)すべく私直轄のハイレベルで協(xié)議を行っていきたい」と述べるとともに「あらゆる障害を乗り越え、自ら決斷していく」と日朝関係打開への強(qiáng)い決意を表明した。

この発言を受けた形で朝鮮中央通信は「もし、日本が過去にとらわれず大局的姿勢で新たな決斷を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら、朝日両國が會(huì)えない理由はない」とするパク?サンギル外務(wù)次官の談話を伝えた。

2019年に故安倍首相が金正恩?朝鮮労働黨委員長(當(dāng)時(shí)の肩書=現(xiàn)総書記)との會(huì)談について「條件を付けずに向き合う」と述べて以來、日本政府は無條件で日朝首脳會(huì)談を行う方針を表明。事実、安倍元首相の後を継いだ菅前首相も「前提條件なしで金正恩氏と會(huì)う」と述べ、さらに岸田首相も2021年10月4日の就任記者會(huì)見で「條件を付けずに金正恩氏と直接向き合う覚悟だ」と語っている。

こうした日本の姿勢に全く応じてこなかった北朝鮮が今回、突然前向きに方針転換したように見える。新聞、テレビで日朝首相會(huì)談実現(xiàn)の可能性がにわかに取りざたされるようになったのも當(dāng)然だろう。

日米韓の連攜にくさび打つ狙いも

だが、北朝鮮の態(tài)度が変わったかどうかは依然として不透明で、むしろ否定的な見方が多い。北朝鮮問題のある専門家は、パク外務(wù)次官の談話の中で「拉致問題を提起しようとしている」と岸田首相を非難している點(diǎn)を指摘、「北の対日姿勢は従來と変わっていない」と分析する。

「日本が前提條件なしの會(huì)談を提案しても、『解決済みの拉致問題』を取り上げるなら、會(huì)談する意味がないというのが北朝鮮の立場で、この外務(wù)次官談話でも、この點(diǎn)は以前と全く同じと読み取れる」という。そもそも、金正恩総書記が現(xiàn)在、対日関係も含め対話路線を採用することは考えにくい狀況である。

北朝鮮は2021年初頭に打ち出した「國防力5カ年増強(qiáng)計(jì)畫」に沿って核?ミサイル開発に躍起になっている。最近の軍事偵察衛(wèi)星打ち上げの試みは金正恩政権の軍事開発が一段と進(jìn)むことを示す動(dòng)きだ。昨年5月韓國に対北強(qiáng)硬派の尹錫悅政権が発足して以降、米國と韓國は大規(guī)模な合同演習(xí)をたびたび実施、金政権との軍事対決姿勢を強(qiáng)めている。

「金正恩氏の頭の中はいかに軍事力を増強(qiáng)するかでいっぱいで、対話という文字はないだろう」(米有力シンクタンクの朝鮮半島専門家)との意見には多くの人が同意する。今度の北朝鮮外務(wù)次官の談話は日米韓の連攜にくさびを打ち込むことが狙いかもしれない。

非難のトーンが控え目―北朝鮮

それでも、日朝首脳會(huì)談の可能性に関しポジティブな要素もある。岸田氏を長年擔(dān)當(dāng)しているある大手メディアの記者は首相の発言の中で「私直轄のハイレベル?yún)f(xié)議」という言い方に著目、「岸田氏は長年、外相を務(wù)めていたことから、北朝鮮問題では従來、外務(wù)省ルートを尊重してきたが、今回、外務(wù)省ではなく自分が直接擔(dān)當(dāng)すると言ってる點(diǎn)に並々ならぬ決意と覚悟が感じられる」と語る。

また、北朝鮮問題の専門家によれば、北朝鮮は安倍元首相や菅前首相についてはしばしば激しく罵倒することがあったが、岸田首相に関しては非難のトーンが控え目だという。実際、筆者が接觸した朝鮮総連幹部は安倍、菅政権時(shí)代には肩書なしに「安倍」と呼び捨てにしていたが、岸田氏については「首相」の肩書をつけて言及することが多く、微妙なニュアンスの違いを見せる。

もう1點(diǎn)指摘できるのは、北朝鮮は対米関係が緊張し、韓國との南北関係もこう著狀態(tài)にある時(shí)は対日関係に注意を向けるケースが過去にあったということである。しかも現(xiàn)在、北朝鮮は厳しい食糧難に見舞われており、こうした狀況は2002年の小泉首相(當(dāng)時(shí))の初訪朝時(shí)と似ていると見る専門家もいる。このような點(diǎn)を考えると、日朝対話再開への動(dòng)きが進(jìn)む可能性は否定できないかもしれない。

■筆者プロフィール:山崎真二

山形大客員教授(元教授)、時(shí)事総合研究所客員研究員、元時(shí)事通信社外信部長、リマ(ペルー)特派員、ニューデリー支局長、ニューヨーク支局長。

※本コラムは筆者の個(gè)人的見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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