「えっ、中國人ですか」=あの夏の最高の思い出―中國人學(xué)生

日本僑報(bào)社    2023年6月4日(日) 19時(shí)10分

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初めて日本に訪ねたので、周りの全てが珍しいと感じ、気づけばバスは既に高速道路を走っている。その時(shí)、「あのー、すみません、靜岡県に行きますか」と誰かが私に話しかけた。

COVID-19の影響で家でゴロゴロしている時(shí)に、本棚の角にある茶筒に目が留まった?!袱ⅳ谩ⅳⅳ欷霞?xì)井さんにもらったものだ」。その上に置いてある手紙を開くと、3年前のことに思いを馳せた。

ズドン、ガタガタ、ガタガタ、エンジンの音が次第に弱まり、飛行機(jī)が無事に成田空港についた。日が暮れる前にホテルに集合しなければと思い、急いで高速バス乗り場に移動(dòng)した。初めて日本に訪ねたので、周りの全てが珍しいと感じ、気づけばバスは既に沿海の高速道路を走っている。その時(shí)、「あのー、すみません、靜岡県に行きますか」と誰かが私に話しかけた。

振り向くと、短髪な女の子が微笑みながら、「靜岡県に行きますか」ともう一度聞き、私は「あっ、はい、そうです。牧之原にあるふじのくに茶の都ミュージアムに見學(xué)にいきますが」と私が答えた?!袱饯Δ坤人激盲?。はじめまして、同じ所の見學(xué)に參加する細(xì)井一葉と申します。お隣よろしいでしょうか」と、彼女は一緒に行こうと誘われた?!袱ⅳ?、どうもはじめまして……」と私が自己紹介すると、「えっ、中國人ですか。私、杭州の茶園に行ったことがあるよ」と更にうれしそうに、杭州の経験を話してくれた。意気投合した私たちは、翌日一緒に見學(xué)しようと約束した。

翌日の朝、私達(dá)はお茶畑を見學(xué)した後に、お茶の先生にお茶の湯の心を説明してもらい、茶室で「和敬清寂」の雰囲気を感じながら、點(diǎn)茶を體験した。本當(dāng)に楽しかった。そして、庭で休憩している時(shí)、細(xì)井さんに「王さん、昨日初めて會うのに、簡単に私の誘いに乗って、私が悪い人だったらどうするの」と聞かれた。私は「えっ、それは、細(xì)井さんが悪い人に見えないから」と答えた?!笎櫎と摔㈩啢藧櫲摔葧い皮ⅳ毪铯堡袱悚胜い?。王さんは純粋な人だね」と細(xì)井さんが面白半分に言った。私はほめられているのか、それとも馬鹿にされているのか、一瞬わからなくなって、「日本人は人情味が欠けていると聞いていたが、細(xì)井さんは違うね」と返した。

「えっ、日本人が人情味にかけると思うの」と細(xì)井さんは言われたことに戸惑った。しかし、自分が正しいと主張したいため、さらに「うん、例えば、日本人が職場などの禮儀に非常にこだわっているが、生活の中であまり人とのつながりに関心を持っていないと聞いたから。そうじゃないの」と付け加えた。すると細(xì)井さんは「そうではないよ。禮儀というのは、人に対する尊敬の心をもつことだよ。これも茶道の『和』と同じじゃない? 王さんが聞いた『人情味にかける』って、たぶん相手を尊重すべきという考えから、むやみに他人のことに手を出してはいけないってことじゃない?」と彼女は真剣な顔になった。

「もちろん、困っている人に対して手を差し伸べないという事じゃないよ。困っている人を見て見ぬふりするのは誰でも気持ちがいいものじゃないからね」と言い終わると、彼女の表情が少し緩んだ。周りが靜かで、南風(fēng)がそっと吹い、微かにお茶の香りが匂ってきた。私達(dá)はお互いを見て黙って笑った。その後、何を話したかはっきり覚えていないが、ただもうちょっとお茶の湯の心があればと後悔しているばかりだ。

そして3日後、細(xì)井さんからくれた茶筒と手紙を持って中國に帰った。あの夏、日本人に対する偏った印象が細(xì)井さんに変えられた。実は中日関係も同じではないだろうか。お互いに心を開いて絶えずコミュニケーションをとることで、理解し合える。今はお互いの國に行きすることは容易ではないが、ネットでチャットしたり、お互いの國の映畫を鑑賞したり、いろいろなコミュニケーションができると思う。重要なのはお互いに敬い合い、相手のことを素直に理解し、誤解を解くことだと思う。

あの手紙の黃ばんだ便箋には、「王さんと出會えたのは、この夏の最高の贈(zèng)り物だった」と書かれており、私も彼女との出會いはあの夏の最高の思い出だと思い返していた。

■原題:お茶の湯の心

■執(zhí)筆者:王奕丹(天津師範(fàn)大學(xué))

※本文は、第18回中國人の日本語作文コンクール受賞作品集『日中「次の50年」――中國の若者たちが日本語で綴った提言』(段躍中編、日本僑報(bào)社、2022年)より転載?編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報(bào)社の許可を得て掲載しています。


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