中國メディアの一財(cái)網(wǎng)は29日、中國で大ヒットを記録している新海誠監(jiān)督のアニメーション映畫「すずめの戸締まり」を例に、日本のアニメ映畫の潛在力について論じた。

「すずめの戸締まり」ヒットの背景

今月24日に公開された「すずめの戸締まり」は、29日午後2時(shí)の時(shí)點(diǎn)で興行収入が3億8200萬元（約73億5000萬円）に達(dá)し、「アントマン＆ワスプ：クアントマニア」などを抑えて今年公開された外國映畫のトップに躍り出た。日本アニメ映畫の中國における歴代興行収入1位は新海監(jiān)督の「君の名は。」の5億7600萬元?！袱工氦幛螒蹙啢蓼辍工?日當(dāng)たりの興行収入で今も一部の中國映畫を抑えてトップをキープしており、記事は「最終的な興行収入が新記録を樹立する可能性は高い」と評した。

そして、4月には「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」、「THE FIRST SLAM DUNK（スラムダンク）」といずれも中國で人気の高い作品が公開予定であることに言及し、「この2作品が新海作品と記録を競い合うことになる」と予想した。

記事は「すずめの戸締まり」のヒットの要因について、新海監(jiān)督自身の訪中も含めたオン?オフラインでの宣伝が奏功したとの見方を示す一方、作品自體の質(zhì)も高いと評価。美しい映像に加え、東日本大震災(zāi)という重いテーマを扱いながらも、日本の伝統(tǒng)的文化を背景に織り込み、またアクションやコメディーの要素も兼ね備えているとした。

このほか、新海監(jiān)督は過去にどっぷりとつかることなく、若者のトレンドにアンテナを立て、時(shí)代の変化や観客からのフィードバックにも目を光らせているとも指摘。主人公の男女の戀愛的な感情があまりに唐突で論理性に欠けるという指摘はあるものの、逆に補(bǔ)助的な視點(diǎn)で描かれた家族の情や友情、見知らぬ人の善意などがより心を打つとした。

日本のアニメ映畫の潛在力

記事は、新海監(jiān)督について「中國の映畫ファンの中では宮崎駿氏に次ぐ影響力を持っていると言われ、青春、戀愛、自然などが代表的なテーマとなっている」と説明。「初期の『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』などの作品を通して獨(dú)自のスタイルを創(chuàng)り出し、清らかで美しい畫風(fēng)によって多くの中國映畫ファンをとりこにした。初期の作品に影響を受けた観客は今では映畫消費(fèi)層の中堅(jiān)へと成長し、中國市場への本格進(jìn)出に向けしっかりとしたファンの基盤を築いている」と述べた。

また、2016年以降の「君の名は?！工取?a target='_blank' href='http://www.wenhuatang.com/search.php?filter=天気の子'>天気の子」はいずれも中國でヒットしており、監(jiān)督自身のPR力に加えて映畫の質(zhì)と評価も安定しているとし、「近年の中國戀愛映畫の同質(zhì)化、ストーリーのパターン化の中、彼のアニメ映畫は若い男女間の絆を描くことに長けている」と評した。

さらに、日本ではアニメ作品が映畫市場の柱であり続けているが、中國市場でもその好調(diào)さは顕著だとし、「『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』と『ONE PIECE FILM RED』はそれぞれ2億元（約38億円）と1億8500萬元（約35億5000萬円）の興行収入を記録し、『THE BATMAN－ザ?バットマン－』などを抑えて2022年の海外映畫興収ランキングでトップ10入りを果たした」と紹介した。

また、「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」、「THE FIRST SLAM DUNK」のほか、6月には「天空の城ラピュタ」が公開されることに觸れ、「宮崎監(jiān)督の『千と千尋の神隠し』（中國では2019年公開）と『となりのトトロ』（同じく2018年公開）は古い作品にもかかわらず、それぞれ4億8800萬元（約95億円）と1億7300萬元（約33億円）の興行収入を記録し、改めて人気を示した」としたほか、湯淺政明の「犬王」も年內(nèi)に中國で上映される可能性があると説明した。

そして、「日本のアニメ映畫は確固たるファン層を持ってはいたものの影響力は限定的で最もヒットした『君の名は。』でも観客動(dòng)員數(shù)は2000萬人にとどまっていた」とする一方、「今回の『すずめの戸締まり』のヒットは効果的なPRに加えて映畫自體のクオリティーも関係しており、今後も多くの日本のアニメ映畫が継続的に輸入され、安定したレベルを維持できれば、中國市場でこのジャンルの天井を押し上げる可能性もある」と結(jié)んだ。（翻訳?編集/北田）