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中國全人代が閉幕、習近平國家主席が3期目をスタートし、経済政策のかじ取りはナンバー2の李強首相に委ねられた。
中國全人代が閉幕、習近平國家主席が3期目をスタートし、経済政策のかじ取りはナンバー2の李強首相に委ねられた。副首相を経験せずに抜擢されたため“経験不足”を懸念する聲もあるが、浙江省や上海など産業(yè)の先端地域で要職を務め、ビジネスに精通した実務派。李強氏はこれまでの首相とは大きく異なる。
◆「相互依存強まる米中は協(xié)力を」
李強首相は13日、就任直後に記者會見し、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の再建に最優(yōu)先で取り組む姿勢をアピールした。「改革開放を揺るぎなく深化させる」と明言。2023年の國內(nèi)総生産(GDP)成長率を5.0%前後とした目標について「達成は容易ではなく努力が必要だが、達成は可能」と強調(diào)した。
その上で、米中分斷の動きをけん制。2022年の米中貿(mào)易額が過去最高を更新し、相互依存関係が深まったことを明示し、「米中は協(xié)調(diào)すべきで、その意義は非常に大きい」と訴えた。
「民間の起業(yè)家や企業(yè)は環(huán)境の改善と発展余地の拡大を享受できるだろう。われわれは、全ての種類の市場組織のために公平な環(huán)境を整備する。民間起業(yè)家の成長と繁栄を支援するため、さらに努力する」などと力を込めた?!附U済発展は雇用創(chuàng)出の根本的な解決策だ」とし、今後も「雇用第一」の戦略を追求すると言明した。
◆「人材ボーナス」は継続する
「民間」重視の姿勢も目立った?!附U済成長の安定と自立自強という政府目標を達成するには、民間部門の參加が明らかに必要だ。民間部門は中國の國內(nèi)総生産伸び率の半分以上に寄與し、雇用の大半を占めている」と語った。さらに「昨年のある時期、民営経済の発展についての間違った言説や議論が、一部の企業(yè)家の不安を招いた。実際のところ、民営経済に関する黨中央の方針と政策は一貫して明確だ」と指摘し、「民営経済の発展環(huán)境はますます良くなり、発展の空間もどんどん大きくなる」との見通しを示した。
中國は人口減少に転じ、人口増加が経済成長に寄與する「人材ボーナス」がストップするとの指摘に対し反論?!钢袊蝿簝P適応年齢の人口は9億人近くで、現(xiàn)在も毎年1500萬人が新たな労働力として増加している。豊富な人的資源は依然として中國の大きな優(yōu)位性だ。中國では高等教育(大學)を受けた人口が2億4000萬人を超え、毎年の新規(guī)労働力の平均就學年數(shù)は14年に達しているが、これは重要なポイントだ。つまり、中國の経済成長を支える『人口ボーナス』は終了しておらず、『人材ボーナス』の形成は続いており、発展の推進力は依然として大きい」と解説した。
また、李強首相は臺灣問題について、「両岸同胞は家族だ。血は水よりも濃い。われわれは『一つの中國』の原則と『九?二共識(92年コンセンサス)』に基づいて両岸の経済?文化交流と協(xié)力を推し進める」と強調(diào)。より多くの臺灣同胞や臺灣企業(yè)が大陸に來ることを望み、より良く発展できるよう後押しをしていく。両岸の正常な往來を一日も早く実現(xiàn)し、協(xié)力関係を回復?常態(tài)化させることは、私たちの共通の願いであり、共に努力することが必要だ」と訴えた。
◆テスラの工場を誘致
米國や日本企業(yè)が多く進出している地域である上海時代にはEV自動車メーカー「テスラ」のイーロン?マスク最高経営責任者(CEO)に會い、同社初の海外工場建設につなげた実績もある。
63歳の李強氏は先進地域の浙江省の沿岸都市、溫州生まれ。中國の改革開放路線が敷かれたばかりの1980年代、溫州では民間経済が臺頭。輸出用の靴やたばこライターなどの小さな工場が相次ぎ誕生し、急成長を遂げた。溫州で黨の要職を歴任した李氏は2002年に市のトップに上り詰めた。李氏と會談した上海のIT企業(yè)幹部は「浙江省の起業(yè)家精神が骨の髄まで育まれているようで、ビジネスライクだった」と語っている。浙江省などで親交を深めた日系進出企業(yè)の中國トップも「気配りの人だった」と述懐している。
地方勤務が長いため知名度が低く、來歴も溫家寶、李克強ら黨中央エリートだった歴代の首相と大きく異なる。いきなりナンバー2に躍り出たため、経済のかじ取り役としての実力を疑問視する向きも多く、前途には多くの壁が立ちはだかるが、「持ち前のパワーと現(xiàn)場主義で乗り越えるだろう」と期待する聲も內(nèi)外で多い。
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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