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2019年の春節(jié)、中國の武漢で新型肺炎が発生し、爆発的に全國へ広がった。そんな時、日本や世界は中國に助け舟を出してくれた。寫真は2008年、中國四川省で捜索活動にあたる日本救援隊。
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2019年の春節(jié)、中國の武漢で新型肺炎が発生し、爆発的に全國へ広がった。學校が休校し、外出も制限され、普段の當たり前の生活が當たり前ではなくなった。政府や醫(yī)療関係者、ボランティアは力を盡くして疫病と戦ったが、マスクなど醫(yī)療用品の不足が狀況をさらに悪化させた。しかし、そんな時、日本や世界は中國に助け舟を出してくれた。
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多くの國から中國に援助物資が屆けられるとともに、精神面の支援もあった。一番印象に殘っているのは中國語の能力試験を実施している日本HSK(漢語水平考試、中國語検定)事務局から湖北省への援助物資に書かれた「山川異域、風月同天」という言葉だ。日本語専攻の私はすぐにその言葉の意味を調べた?!溉毡兢戎袊虾¥烁簸皮椁?、山や川を共有していないが、夜空を見上げる時、同じ明月を楽しんでいる」という意味だと解かった。この言葉は平安時代に日本が唐王朝に贈った袈裟に刺繍されたもので、鑑真和尚はこの言葉に感動し、日本に渡る決意をしたという。だから、中日の友好交流の象徴とも言える言葉だ。日本HSK事務局はこの言葉を通じて、中國と一緒に苦難を乗り越える決意を表したのだろう。
2008年、中國四川省で汶川大地震が発生した時、私はまだ7歳だったが、初めて日本という國に対して、はっきりした印象を持った。その日、私はテレビで1枚の寫真を見た。地震で倒れた家屋の前で、災害救助活動をしている人が2列に並んで、被害者の遺體に向かって頭を下げていた。彼らの表情は本當に悲しそうだった。當時の私は彼らが何をしているのかわからなかったので、父に聞いた。彼らは日本からの救援隊で、地震の被害者を追悼していたことが分かった?!袱饯Δ?、私たちは同じ國に屬していないが、私たちの運命はつながっている」と思った。その時から、日本は中國を助けてくれた友人という考えが私の心に根付いた。
汶川大震災からもう12年が経った。しかし、日本に対する感謝の気持ちはいつも私の心の中に殘っている。今の私はもう19歳になり、大學で日本語を勉強している。私がこの専攻を選んだ時、「多くの外國語があるのに、なぜ日本語なんかを選ぶのか?」と言う親戚もいた。それでも、私は日本語を選んだ。そして、今の私はあの時、自分の考えを堅持してよかったと思っている。周りに日本についてよく知らない人、誤解を持っている人が多いからこそ、自分の努力を通じて、その心の壁を崩し、より多くの人に本當の日本を理解してもらうべきだ。今回の新型肺炎の経験を通じて、將來、一人前の通訳者になるために日本語をしっかり學びたいという気持ちが一層強くなった。
現(xiàn)在、中國の狀況は大きく改善されてきたが、國外では新型肺炎の感染が拡大し厳しい狀況となっている。新型肺炎を乗り越えたばかりだが、中國は日本や世界からの支援を忘れることなく、積極的に國際支援に取り組んでいる。遼寧省大連市政府は日本の北九州市にマスクなど醫(yī)療用品を贈ると同時に、「春雨や身をすり寄せて一つ傘」という一言を日本の人々に送った。この言葉は「春雨の中で一つ傘をともに差すように一緒に苦難を乗り越えよう」という意味だ。この言葉には、日本の支援に対する感謝の気持ちと日本と一緒に困難を乗り越える決意が込められている。言葉のかけ橋によって、両國の2000年にわたる友情は続いているのだ。これはまさに言葉の力である。
新型肺炎の影響で、東京オリンピックも延期された。しかし、冬は必ず春になる。各國の人々が手を攜えて新型肺炎と戦えば、必ず勝利の日がくるだろう。いつか、2020年を振り返って、「ああ、あの時は本當につらかった。でも、みんなが一緒に頑張ったおかげで、なんとか乗り越えられた」と言える日が必ずやってくるはずだ。來年、オリンピックでぜひ日本に行って、日本や世界の支援に対して、「ありがとう」と伝えたい。
■執(zhí)筆者プロフィール:萬園華(まん?えんか)
2001年、江西省出身。大連外國語大學日本語學科3年(応募時、以下同)。本コンクー ルは今回初參加にして、見事最優(yōu)秀賞(日本大使賞)を受賞した。作文は「私たちを言葉が繋ぐ」と題し、今年の新型コロナウイルスの感染拡大に対して日本から送られた援助物資とそこに書かれていた支援の言葉に感銘を受け、さらに2008年四川大地震に駆けつけた日本の救援隊の真摯な姿を重ね合わせて「將來、一人前の通訳者になるために日本語をしっかり學びたい」と決意を表明?!袱长巫魑膜蛲à袱啤⑷毡兢畏健─烁兄xの気持ちをお伝えできれば」と受賞の感想を述べる。趣味は、旅行。
※本文は、第16回中國人の日本語作文コンクール受賞作品集「コロナと闘った中國人たち」(段躍中編、日本僑報社、2020年)より転載?編集したものです。文中の表現(xiàn)は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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