拡大
中國の伝統(tǒng)思想は「民」を強(qiáng)調(diào)した。そのような考えは現(xiàn)代にどのように生かすべきか。中華孔子學(xué)會の會長も務(wù)める北京大學(xué)の王中江教授がその答えを示した。寫真は孟子出身地の山東省鄒城市にある孟廟。
(1 / 4 枚)
儒家などによる中國の伝統(tǒng)思想は「民意」、「民心」、「民本」などを強(qiáng)調(diào)してきた。そのような考えは現(xiàn)代にどのように生かすべきなのだろうか。中華孔子學(xué)會の會長も務(wù)める、北京大學(xué)哲學(xué)科の王中江教授はこのほど、中國メディアの中國新聞社の取材に応じて「民」の重視と政治理念の関係について語った。以下は、王教授の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加するなどで再構(gòu)成したものだ。
【その他の寫真】
■儒家の孟子も老子も「根本は民」と説いた
中國において「民本」や「民心」の概念は極めて早い時期に出現(xiàn)した。早い時期から儒教の最も大切な経典の一つとされた尚書(書経)には、君主の姿勢として「民に近づかねばならない。民を下の存在と見なしてはならない。民は國の根本である。根本がしっかりしていれば、國は安泰である」との記述がある。孟子も「民を貴(たっと)しとなす。社稷(しゃしょく、國家)は民に次ぐ。君主は軽い」と説いた。
儒家以外にも、例えば老子は「聖人は常に心無く、百姓の心を以って心と為す(聖人は自らの心、すなわち願望を持ち合わせていない。庶民の心を自らの心とする)」と説いている。
■天意は民意を反映し、君主は天意に従う
中國では、天が君主を定めると考えられた。その目的は民衆(zhòng)の利益と幸せの向上だ。また、易経は「天地が存在して萬物が生じる。萬物が生じて男女が生じる。男女が生じて夫婦が生じる。夫婦が生じて親子が生じる。親子が生じて君臣が生じる。君臣が生じて上下が生じる」などと説いている。つまり「天と地」を人の世界の出発點とした。
中國では世界の統(tǒng)治者を「天子」とも呼んだ。すなわち、天の子として、天の意向を?qū)g現(xiàn)させる存在だ。その背景には、天意にかなうことは正義であるから、民意にもかなうとの考え方がある。さらには、天意は民意により生じるとの考え方がある。尚書には「民の欲するところ、天、かならずこれに従う」との記述もある。
■考えの筋道は違っても「民意最優(yōu)先」は古今東西の政治の大原則
西洋では18世紀(jì)、社會の起源についての重要な考え方として「契約論」が登場した。思想家により考え方は異なるが、一般には、人類は原初の「自然」の狀態(tài)から離脫して國家を樹立したと考える。そして國家の樹立にともない、個人はある種の権利を獲得する一方で、別の種類の権利を手放し、國家に譲った。國家はそのようにして権力を獲得し、社會を統(tǒng)治するようになった、と考える。
中國の伝統(tǒng)思想と西洋の契約論には共通する點もある。それは、國家の目的を、民衆(zhòng)の願いと民衆(zhòng)自身の利益を満足させるためとする考え方だ。異なるのは、國家権力が発生する際のメカニズムについてだ。西洋の契約論では、人々は自ら、安全や平和、利益を確保するために、「暴力的手段」といった権利を國家に譲り渡したとされる。中國では、聖人が君主になると考え、君主は民衆(zhòng)の基本的な願望と必要を満たす存在と考えられた。
現(xiàn)在の政治哲學(xué)では、國家や政府は目的ではなく「道具」と考えられる。國家や政府は民衆(zhòng)の願望や利益を満たすために樹立されたものであり、大衆(zhòng)の願望や利益をよりよく満たすために、発展し変化していくことが求められる。
中國の古典的な思想にある「民心」を重視する理念は、現(xiàn)代の政治にもあてはまる。政治とは、民衆(zhòng)の求めるところに向かっていかねばならない。政権は民意に応じて整備され、統(tǒng)治は民意に耳を傾けて改善され、制度は民意を受けて健全化されていかねばならない。民意や民心に従うことは、あらゆる政治統(tǒng)治の出発點であり、民意や民心に合致しているかどうかが、あらゆる政治統(tǒng)治を評価する上での基準(zhǔn)であらねばならない。(構(gòu)成 / 如月隼人)
中國新聞社
2021/12/23
中國新聞社
2022/1/18
Record China
2021/10/10
Record China
2020/11/1
中國新聞社
2022/1/11
中國新聞社
2022/1/15
ピックアップ
we`re
RecordChina
この記事のコメントを見る