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茶は中國から世界に広がった。茶文化は「世界の共通語」と言える。しかし、どうしてこれほどまでに愛されるようになったのか。そして今後は何を目指すべきなのか。
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世界で最も広く飲まれている嗜好(しこう)飲料と言えば茶だ。茶は中國から世界に広がった。どうしてこれほどまでに愛されるようになったのか。福建省福州市生まれて、茶文化や茶経済を研究し「茶文化産業(yè)経営と実務」や「茶館経営と管理」などの著作もある夏良玉氏はこのほど、中國メディアの中國新聞社の取材に応じて茶の歴史や現(xiàn)狀、今後に目指すべきことを解説した。以下は、夏氏の言葉に若干の説明內(nèi)容を追加して再構(gòu)成したものだ。
【その他の寫真】
■中國では6000年前にはすでに茶の木を栽培していた
中國は世界における「茶文化発祥の地」だ。前漢(紀元前206年-紀元8年)時代に生きた王褒が著した「僮約」には、「茶を煮るに器具を盡くす」、「武陽にて茶を買う」と書かれており、世界で最も古い喫茶に関連する記述とされている。唐代には陸羽(733-804年)が茶に関する知識を集大成した「茶経」を著した。浙江省余姚市の田螺山遺跡からは、人為的に栽培されたと考えられる6000年ほど前の茶の木の樹根が見つかった。
茶の栽培法、加工技術(shù)、喫茶の方法、茶に関連する習慣は地理環(huán)境や気象條件、社會環(huán)境により、地方によってさまざまだ。雲(yún)南ではプーアル茶が生産される。福建ではウーロン茶、紅茶、白茶などが生み出された。浙江や安徽ではさまざまな緑茶が作られるようになった。福建省や広東省東部の潮汕地區(qū)では喫茶の儀禮である功夫茶が盛んになった。チベット族はバター茶を、モンゴル族はミルク茶を愛飲する。
また、茶摘みや喫茶の様子を扱う劇や詩、歌なども多く作られた。これらから、中國では広範かつ多彩で大きな影響力のある茶文化が形成されたと言うことができる。
■唐代には茶葉を世界に輸出、各地の文化に大きな影響
唐代から宋代にかけては、商品経済の発展により、茶葉が世界的な貿(mào)易の重要な商品になっていった。茶葉は歐州にも輸出されるようになった。それに伴って、茶文化は中國國外にも伝わった。
中國の茶文化は仏教にともなって朝鮮半島に伝わり、「茶禮」という儀禮が盛んに行われた?!覆瓒Y」は仏教を否定した李氏朝鮮時代(1392-1897年)に衰退したが、現(xiàn)代になり復活した。また、日本では遣隋使や遣唐使により喫茶の習慣が伝えられ、16世紀には千利休らが「茶道」を完成し、現(xiàn)在まで受け継がれている。
茶は全世界のほとんどすべての地に伝わったと言ってよい。そして各地の飲食文化に影響を與えた。例えば英國では「アフタヌーン?ティー」の習慣が、社會の雰囲気を大きく変化させた。茶はさらに、世界の文蕓作品でも數(shù)多く取り上げられた。茶は人類の文化文明の発展に、大きく貢獻した。
■中國の伝統(tǒng)反映した「茶文化」は世界共通の言語だ
中國には「茶は天下を和(なご)す」という言葉がある。中國の茶文化は、伝統(tǒng)的な思想や道徳規(guī)範を反映したものであり、人と人、あるいは人と天、人と自然の調(diào)和を重んじるものだ。また、茶文化は中道やバランス、中庸を重んじるものであり、他者となごみ、他者を尊重し、他者がもたらしてくれた恩を感じ、そして他者と溶け合うことを目指すものだった。
このような特徴を持つ茶文化は、現(xiàn)代の國際社會にも通用するものだ。まず、世界各地でさまざまな茶文化が発生したが、いずれも中國の茶の精神を受け継いていると言ってよい。それは、歴史を通じて刻まれた「茶の記憶」でもある。従って、茶文化は全人類にとって「共通の言語」ということになる。
現(xiàn)代においては、中國の茶文化の世界との融合と連動を、改めて推進すべきだ。茶文化を通じて交流し、相互に學び合うことが可能だ。茶文化を観光に結(jié)び付けたり、茶に関連する動畫などを通じて、異なる民族文化が交流することが可能だ。茶文化は、中國にとって「文化の名刺」ということができる。
中國の茶関連企業(yè)は、世界に進出する積極性を持つべきだ。その際に基本とせねばならないのは、協(xié)力と互恵、ウィンウィンの精神だ。そして、品質(zhì)の真の向上、ブランドの確立、販路の開拓、誠実な経営を通じて、共に繁栄することを目指さねばならない。より多くの人に茶を愛してもらい、茶の香りと余韻を共に楽しむことで、世界の人々とより素晴らしい生活を共有できるはずだ。(構(gòu)成 / 如月隼人)
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