<円安?インフレ>家計を苦しめる「悪い物価上昇」に備えよ―立石信雄オムロン元會長

立石信雄    2022年1月9日(日) 6時10分

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世界的にインフレへの警戒感が高まり、歐米の中央銀行は金融政策の軸足を引き締めモードに転換した。一方で日本銀行は「異次元緩和」を継続。円安が進(jìn)行する中、家計を苦しめる「悪い物価上昇」に陥る懸念もある。

世界的にインフレへの警戒感が高まっている。歐米の中央銀行は物価高に対応し、金融政策の軸足を引き締めモードに転換した。一方で日本銀行は市場に大量に資金を供給する「異次元緩和」を継続。他の主要國との相違が際立っている。

新型コロナウイルス禍で滯った経済活動が再開された中で、原材料供給や流通體制などへの対応が立ち遅れていることが、物価上昇の要因となっているという。

米國の消費(fèi)者物価は昨年5月以降、7カ月連続で前年を5%以上も上回り、11月は6.8%と約39年ぶりの水準(zhǔn)になった。連邦準(zhǔn)備制度理事會(FRB)が量的緩和の終了時期を前倒しし、今年前半にも利上げに踏み切る見通し。歐州中央銀行(ECB)も、新型コロナに対応するため実施した國債買い入れを終了すると報じられている。物価上昇傾向が強(qiáng)まるとの判斷から、正常化を急いでいるようだ。英國では、物価上昇率が約10年ぶりの高水準(zhǔn)となり、イングランド銀行が利上げに踏み切った。コロナ禍が始まって以降、主要國では初めてである。

こうした中、日銀の黒田東彥総裁は、物価上昇が「(目標(biāo)の)2%にはほど遠(yuǎn)い」として、異次元緩和の見直しには否定的である。日本の直近の消費(fèi)者物価の上昇率は0.5%と、5%を超える米英を大きく下回るが、インフレは波及しつつあり、企業(yè)物価指數(shù)は約36年ぶりの高水準(zhǔn)になった。コスト増に耐えられず、製品?サービスを値上げする企業(yè)も多い。

急激な円安による輸入物価の上昇もその背景となっている。年明けの為替市場では一時1ドル=116円臺を付け、約5年ぶりの円安水準(zhǔn)となった。今後、米の利上げで日米の金利差が開けば、円安に拍車がかかると指摘されている。

急速な円安はコロナ禍からの回復(fù)をめざす日本経済にも影を落とし始めている。輸入に頼る原材料費(fèi)の高騰に拍車がかかり、値上げを避けてきた飲食店などの體力も限界に近い。輸出や観光業(yè)が受ける円安の恩恵も以前ほどではない。今後も円安傾向が続くとの見方も多いようだ。賃上げも思うように進(jìn)まず、家計所得も低迷。このままでは、家計を苦しめる「悪い物価上昇」に陥る懸念もある。そうなれば消費(fèi)が冷え込み、さらに景気が悪化する悪循環(huán)を招いてしまう。

日銀のインフレへの対応は、他の中央銀行より難しいと考える。長期のデフレに慣れた國民や企業(yè)は、金利上昇への心構(gòu)えができていない。また利上げすれば國の借金がさらに増え、財政も悪化してしまう。

悪い物価上昇に、どう備えるのか。日銀は、異次元緩和見直しの議論をタブー視すべきではない。政府も萬全の対応策を講じるべきである。

<直言篇188>

■筆者プロフィール:立石信雄

1959年立石電機(jī)販売に入社。1965年立石電機(jī)(現(xiàn)オムロン株式會社)取締役。1995年代表取締役會長。2003年相談役。 日本経団連?國際労働委員長、海外事業(yè)活動関連協(xié)議會(CBCC)會長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名譽(yù)文化博士。中國?北京大、南開大、上海交通大、復(fù)旦大などの顧問教授や顧問を務(wù)めている。SAM(日本経営近代化協(xié)會)名譽(yù)會長。エッセイスト。

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