日本経済の中國(guó)依存度とリスク対応(2)輸出データから見(jiàn)える日中貿(mào)易の変化

松野豊    2021年2月24日(水) 5時(shí)0分

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近年の日中二國(guó)間の貿(mào)易額は、一見(jiàn)日本の輸入超過(guò)が続いているようにみえるが、実際は日本から香港経由で中國(guó)大陸に輸出される物品も一定數(shù)ある。資料寫(xiě)真。

近年の日中二國(guó)間の貿(mào)易額は、一見(jiàn)日本の輸入超過(guò)が続いているようにみえるが、実際は日本から香港経由で中國(guó)大陸に輸出される物品も一定數(shù)ある。日本と「中國(guó)+香港」の間での貿(mào)易額を見(jiàn)ると、近年はほぼ均衡していると言える。

さらに二國(guó)間貿(mào)易の中身をみると、1/16付コラムの図1で示したように、日中間では、現(xiàn)在既にある程度の産業(yè)補(bǔ)完が成立している。言い換えれば、日本が中國(guó)に売るものと中國(guó)から買うものは、毎年ある程度決まっているという意味だ。

それではまず、日本が中國(guó)に売っているもの(輸出品)について、「中國(guó)依存度」という観點(diǎn)から最近の統(tǒng)計(jì)データを見(jiàn)てみよう。

財(cái)務(wù)省の「貿(mào)易統(tǒng)計(jì)」によれば、日本から中國(guó)への2020年の輸出総額は15兆829億円(香港向けを含まない)で、昨年のようにコロナ問(wèn)題があっても、ここ數(shù)年総額には大きな変化はみられない。さらに品目別にみると、「化學(xué)製品」、「一般機(jī)械」、「電気回路?計(jì)測(cè)機(jī)器」が上位を占めており、近年は「半導(dǎo)體製造裝置」が急増している。

一方経済産業(yè)省の「通商白書(shū)」によれば、日中の製造業(yè)における國(guó)際分業(yè)については、近年は日本から中國(guó)へ「中間財(cái)」(加工品、部品)が大量に輸出され、中國(guó)はこれをもとに「最終財(cái)」(消費(fèi)財(cái)、資本財(cái))に組み立てて、米國(guó)やEUに大量に輸出するという構(gòu)図がはっきりしてきているという。貿(mào)易統(tǒng)計(jì)で示した輸出額の大きい品目は、基本的にはこの中間財(cái)に相當(dāng)する。

獨(dú)立行政法人経済産業(yè)研究所(RIETI)は、數(shù)年おきにTrade Industry Databaseと呼ぶ貿(mào)易データベースを作成して公表している。最新のデータは2018年であるが、このデータベースをもとに、日中の國(guó)際分業(yè)の動(dòng)向についてみてみよう。

図1は、日本の製造業(yè)の國(guó)際分業(yè)に関わる経年データを示したものである。日中間の製造業(yè)の産業(yè)補(bǔ)完関係は現(xiàn)在も継続しているのだが、このデータをよく見(jiàn)ると、近年は日本から中國(guó)への中間財(cái)輸出が頭打ちして微減になっているにもかかわらず、中國(guó)から米國(guó)やEUへの最終財(cái)輸出が増加していることがわかる。

推定だがこれは、中國(guó)が日本からの中間財(cái)輸入だけに頼らずに自前で中間財(cái)を生産できるようになっていることを示している可能性がある。もうひとつ考えられるのは、日本企業(yè)が中國(guó)で現(xiàn)地法人の設(shè)立を増やし、その現(xiàn)地の日系企業(yè)から米國(guó)?EUへの輸出が増加している可能性である。

しかし図には示していないが、日本から中國(guó)への資本財(cái)輸出は微増程度である。統(tǒng)計(jì)データからは、日本の製造業(yè)が中國(guó)で現(xiàn)地法人設(shè)立を増加させているという傾向は読み取れない。

さらに統(tǒng)計(jì)データでは、近年は中國(guó)から米國(guó)?EUへの中間財(cái)や資本財(cái)の輸出は大きく伸びており、一方で日本から米國(guó)?EUへの資本財(cái)や消費(fèi)財(cái)輸出はあまり伸びていない。やはり、中國(guó)製造業(yè)の中間財(cái)や資本財(cái)などの製造能力が著実に向上してきていると言えるのではないだろうか。


図1 日本の製造業(yè)の國(guó)際分業(yè)の経年動(dòng)向

図1には、比較のために日本からASEANへの中間財(cái)輸出とASEANから米EUへの消費(fèi)財(cái)輸出額の動(dòng)向も示した。日本はASEANとも一定の國(guó)際分業(yè)を?qū)g現(xiàn)しており、日本からASEANへの中間財(cái)輸出がそのままASEANから米國(guó)?EUへの輸出に直結(jié)している。しかしASEANにおいても近年、日本からの中間財(cái)輸入以上に米國(guó)?EUへの消費(fèi)財(cái)輸出が増加しているという傾向が見(jiàn)られる。

図1でもうひとつ注目すべきデータは、中國(guó)からASEANへの中間財(cái)輸出が急増していることである。以上の考察から、現(xiàn)在も「日本→中國(guó)?ASEAN→米國(guó)?EU」という國(guó)際分業(yè)ネットワークは継続しているが、今後は中國(guó)が徐々に日本の機(jī)能を代替していくのではないかと考えられる。

本稿では、日本から中國(guó)への輸出動(dòng)向の変化を國(guó)際分業(yè)の観點(diǎn)から考えてみた。次稿では中國(guó)からの輸入品目についてもその動(dòng)向を考察し、そのうえで最後に日本の中國(guó)依存度と今後のリスク対応について言及してみたい。

■筆者プロフィール:松野豊

大阪市生まれ。京都大學(xué)大學(xué)院衛(wèi)生工學(xué)課程修了後、1981年野村総合研究所入社。環(huán)境政策研究や企業(yè)の技術(shù)戦略、経営システムのコンサルティングに従事。2002年、同社の中國(guó)上海法人を設(shè)立し、05年まで総経理(社長(zhǎng))。07年、北京の清華大學(xué)に同社との共同研究センターを設(shè)立して理事?副センター長(zhǎng)。 14年間の中國(guó)駐在を終えて18年に帰國(guó)、日中産業(yè)研究院を設(shè)立し代表取締役(院長(zhǎng))。清華大學(xué)招請(qǐng)専門(mén)家、上海交通大學(xué)客員研究員を兼務(wù)。中國(guó)の改革?産業(yè)政策等の研究を行い、日中で講演活動(dòng)やメディアでの記事執(zhí)筆を行っている。主な著書(shū)は、『參考と転換-中日産業(yè)政策比較研究』(清華大學(xué)出版社)、『2020年の中國(guó)』(東洋経済新報(bào)社)など。

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