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中國人の僕の妻のもとに屆いた、無料ワクチン接種開始の「良い知らせ」?!咐塾?jì)1000萬回接種を超えて」おり、中國「國民のほぼ全員が免疫がない」ゆえに、ワクチン接種は全員が「受けなければならない」。
「ワクチンが來たわ、無料なんですって!わたしたちは受けるの?」
中國在住の僕らのところにも、先日ついに中國コロナワクチン接種開始の第一報(bào)が舞い込んだ。中國版LINEことウィーチャットメッセージによる、中國政府直々のお達(dá)しである。
日本の10倍以上の人口を擁する中國で、北京?上海?深セン?成都のような1線城市(一級(jí)都市)や新1線城市の青島(市街部)ならまだしも、農(nóng)村にほど近いこんなところにまでこんな「良い知らせ」が屆くのだから、こちらのお國の本気度というものがうかがわれる。
それで大変申し訳ないながら、「コロナワクチン『3つの副反応』リスクに免疫學(xué)の第一人者が警鐘 | ダイヤモンド?オンライン」あたりをさっそく読んでみる。
この「免疫學(xué)の第一人者」とは宮坂昌之氏(大阪大學(xué)免疫學(xué)フロンティア研究センター招へい教授)のことで、この先生の言うことは一般人の僕にとっても分かりやすい。
「ワクチンの場合は副作用ではなくて副反応という言葉を使います。ワクチンによる健康被害の多くは、免疫反応そのものによって起きるものだからです。その副反応には大きく分けると3種類ある。一つ目は即時(shí)に、接種して數(shù)日以內(nèi)に出てくるもの、二つ目は2週間から4週間たってから出てくるもの、三つ目はワクチン接種者が感染した場合に出てくるものです?!?/p>
「(接種して數(shù)日以內(nèi)に出てくる)ワクチンによるアナフィラキシー(全身に現(xiàn)れるひどいアレルギー)の頻度は、これまで開発されたワクチンでは100萬回に數(shù)回というレベルでした。100萬回に數(shù)回しか現(xiàn)れないような副反応は、(治験)では見えない可能性があるのです。」
「(2週間から4週間たってから出てくる)副反応の典型は、脳炎などの神経障害、それから末梢神経がまひするギランバレー癥候群などがあります。(おたふくかぜのワクチンだと)100萬回の接種に対して10回ぐらい起こる可能性があるといわれている(ものの)、ウイルスに感染すると、その約10倍の頻度で脳炎が起こり得る。リスクがあっても接種した方がいいということになります?!?/p>
「(ワクチン接種者が感染した場合に出てくる)副反応はADE(抗體依存性感染増強(qiáng))と呼ばれ、ワクチン接種後に抗體ができ、その抗體のために新型コロナ感染癥が悪化するというものです。この現(xiàn)象は感染の拡大、ワクチン接種の増加によって初めて見えてくるものなのです?!?/p>
つまり結(jié)論は、「ワクチンによる重篤な副反応の頻度は100萬回に數(shù)回程度?,F(xiàn)段階ではそのリスクについて早計(jì)に判斷すべきではありません」とのこと。
それで一般人の僕が、速攻で足し算をしてみる。まず、1線城市に住む人の合計(jì)からだ。
約2150萬人(北京)+約2420萬人(上海)+約1250萬人(深セン)+約1870萬人(成都)=約7690萬人
今回の接種対象者である18歳から59歳の人々の全人口に対する比率は、中國において約70%と言われている。
約7690萬人(1線城市に住む人の合計(jì))×0.7=約5383萬人
このワクチン接種「第一波」で仮に上記の1線城市に住む人が約50人に1人の割合でワクチン接種を受けたなら、先生が言うところの「ワクチンによる重篤な副反応」があるかどうかが判明する。
だから結(jié)論的には「現(xiàn)段階ではそれら1線城市に住む人をわざわざ差し置いて、自分が自分がと早計(jì)に接種する必要はありません」となる。
だが実のところ、中國にて「外人居留者」な非中國公民である僕は今のところ、この「無料ワクチン接種」の「良い知らせ」の対象者ではない。
前のコラムにも書いたが、日中ハーフの娘が通う小學(xué)校からのお達(dá)しで「ワクチン接種の準(zhǔn)備が整いましたので、全學(xué)生とその家族(つまり僕も含む)は速やかに病院にて接種証明を受け取り、學(xué)校に提出してください」となったら腰を上げればいい。
今のところ「自分たちの周りにコロナ感染者がほぼいない」僕らにとって、なんともまあ、気楽な話である。
それでもう少し、「免疫學(xué)の第一人者」の先生の仰られることに耳を傾けてみたい。
「ワクチンについてまだ分かっていないことは結(jié)構(gòu)あります。そもそもウイルス疾患と免疫の関係は非常に複雑です。例えば、なぜ(ワクチンによる免疫の持続性の違い)が出てくるのか。本當(dāng)のところはまだ分かっておらず、この謎を解いたらノーベル賞級(jí)です。」
以前のショート?ショートでも書いたのだが、「科學(xué)というのは基本的に、既に目の前にある自然とか法則とかを研究して、からくりを一部解き明かしたりうまく組み合わせたりといった話」に過ぎない。
「全くのゼロから何かを新たに作りましょうとかやっちゃいましょうとか、からくりが全部丸見えで自由自在に組み合わせてとかいう話じゃない。だから當(dāng)然、からくりを見誤ったり勘違いしたりでうまくいかない、という場合が生じ」得る。そんなことは一般人の僕でも分かる。
簡単な言い方をすれば、「科學(xué)」という道具を使っているのが「人間」である限り、「科學(xué)」に「人間」の限界が反映されるのは致し方ない。それはちょうど「サル」に何か有用な「道具」を持たせたところで、その道具の使い方には「サル」の限界が反映されるのと同じである。
というか、僕の書いたショート?ショートの中のなんちゃって先生が言うのではなく、「免疫學(xué)の第一人者」の先生が、「まだ分かっていないことは結(jié)構(gòu)あり、そもそも非常に複雑」と仰っておられるのだから仕方がない。
最近聞いた、日本で2、3年後に集団免疫獲得のような話にしても、ちょうど「今回の大雪は2、3日後には収まるでしょう」という天気予報(bào)的な統(tǒng)計(jì)また確率の話ぐらいに受け止めざるを得ない。
では仮にあと2、3年として、僕らは一體どうすればいいのか。
上述の記事の最後に先生は言う?!溉毡兢胃腥緺顩rでは、私たちが他人にうつす感染者と出會(huì)う確率は、1萬人に1回あるかないかです。一方で、ワクチンを接種して重篤な副反応が現(xiàn)れる頻度は100萬回に數(shù)回です。私たちは、ワクチンのメリットとリスクを天秤にかけて判斷しないといけません?!?/p>
「また、ワクチンは皆が接種を受けないといけないと迫るべきものではありません。個(gè)人の自由、個(gè)人の意思の下に受けるなら受け、受けたくない人は無理に受けなくていいとすべきものなのです?!?/p>
それでこの記事の最後に、在中一般日本人である僕の感想で恐縮なのだが、どうやら日本にいる皆さんは今のところ「1萬人に1回」のロシアン?ルーレットに甘んじ、中國にいる僕らはもうすぐ「100萬回に數(shù)回」のロシアン?ルーレットに甘んじることになりそうだ。
日本人の皆さんが甘んじて受け入れていらっしゃるのだから、僕も當(dāng)然、甘んじて受け入れる。
おっとっと、今ウィーチャットの「良い知らせ」を見直したら、もう既に累計(jì)1000萬回接種を超えているとあるではないか。
だが大変申し訳ないながら、「中國ワクチン外交に歐米は警戒-中國は『國際協(xié)調(diào)』と猛反発|NEWSポストセブン」あたりでさっそく確認(rèn)してみる。
「シノファーム製のワクチンは7月中にほぼ完成。アラブ首長國連邦(UAE)が12月初めに世界で初めて同ワクチンを正式に承認(rèn)した?!?/p>
「『世界で初めて』とは、中國でも承認(rèn)されていないということを意味する。死者數(shù)、感染者數(shù)が東南アジア最多となったインドネシアは、12月中に中國?シノバック製のワクチン120萬回分を輸入。さらに1月以降にも180萬回分の輸入が決まっている。パキスタンも、シノファーム製のワクチン120萬回分の購入計(jì)畫を発表。ウクライナもシノバック社から180萬回分のワクチンを購入する契約を結(jié)んでいる。東歐のハンガリーも同社のワクチンに強(qiáng)い関心を示していると伝えられる?!?/p>
それで一般人の僕が、再び速攻で足し算をしてみる。
120萬回分(インドネシア)+180萬回分(インドネシア)+120萬回分(パキスタン)+180萬回分(ウクライナ)=600萬回分
おうおうおう。これは人間の人間による人間のための「良い知らせ」ではあるが、こちらのお國の本気度はやっぱり尋常じゃない。
■筆者プロフィール:大串 富史
本業(yè)はITなんでも屋なフリーライター。各種メディアでゴーストライターをするかたわら、中國?北京に8年間、中國?青島に3年間滯在。中國人の妻の助けと支えのもと新HSK6級(jí)を取得後は、共にネット留學(xué)を旨とする「長城中國語」にて中國語また日本語を教えつつ日中中日翻訳にもたずさわる。中國?中國人?中國語學(xué)習(xí)?中國ビジネスの真相を日本に紹介するコラムを執(zhí)筆中。
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