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「外國人が選ぶ好きな中國料理10品」は比較的容易にクリアできる。もし中國においでになる機(jī)會(huì)があるなら、10品全部を1週間以內(nèi)にクリアできるだろう。僕らも北京ダックやヒレ肉の甘酢あんかけをよく食べる。
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これがギリギリの線なのかもしれない。これ以上だと恐らく口に合わず、これ以下だと無理があるし意味がない。何の話かというと、外國人が選ぶ好きな中國料理10品についての話である。
【その他の寫真】
前のコラムで僕は、日本人の僕らは中國の美食を本當(dāng)には理解できていないと書いた。いわゆる「中華料理」とは、日本向けにローカライズされた中國の美食に過ぎないからだ。
だからもしここで「日本人が選ぶ好きな中華料理10品」をやってしまうと、中國人の知らない(中國料理ではない)「冷やし中華」や「天津飯」といった「なんちゃって中國料理」が必ずやランキング入りしてしまう。
しかも全部食べたことのある人が大多數(shù)であるから、結(jié)果として中國の美食を本當(dāng)には理解できていないはずの日本人の僕らが皆「中國通」になってしまう。
かといって「中國人が選ぶ好きな中國料理10品」にしてしまうと、別コラムで詳述するが、日本人の口に合わないものになりかねない。
それで今回は「中國通」な外國人が食べている中國料理、すなわち「外國人が選ぶ好きな中國料理10品」について考えてみたい。
まず「外國人が選ぶ好きな中國料理10品に中國ネットは『だから中國人は幸?!弧和鈬摔虾韦井?dāng)においしいか分かっていない!』|レコードチャイナ」という記事を參考にしてみる。
その記事によれば、外國人の口に合う中國料理10品とは「1.ヒレ肉の甘酢あんかけ(糖醋里脊)、2.鶏肉とナッツの炒め物(宮保鶏丁)、3.春巻、4.チャーハン、5.麻婆豆腐、6.餃子、7.ワンタン(餛飩)、8.北京ダック(北京烤鴨)、9.焼きそば、10.カシューナッツとむきエビの炒めもの(腰果蝦仁)の10品」だそうだ。
うーん…いかにも歐米人が好きそうな中國料理ばかりである。
だが、この中から日本人が常食していると思われる中華料理つまり「春巻、チャーハン、麻婆豆腐、餃子、ワンタン、焼きそば」を除外してしまうと殘りは4つだけとなり、この4つだけで中國料理や「中國通」について云々するのはさすがに無理があるし意味がない。
その同じ記事で中國人の某ネットユーザーが「數(shù)品食べただけで中國料理を評(píng)価するとは、外國人に中國の美食の何が分かるというのだ?」と述べる通りである。
それで外國人受けが良く、かつ日本人の口にも合いそうな「外國人が好きな中國料理」を、「外國人が選ぶ好きな中國料理7品―どれもこれもホントに美味しい!| 百度」「外國人が一番好きな中國美食4品―最後の一つは中國人のほとんどが知らない | 百度」「外國人が選ぶ一番好きな5大中國料理―ネット民:最後の1品は確かに美味しいね | 百度」「これが外國人が一番好きな十大中國美食なんだって―君が好きなのはあった?| 個(gè)人図書館」といった記事を參考に、あと6つ加えてみる。
なお、ここで挙げる中國料理は「中國通」という今回のテーマに沿って、中國四大料理また中國八大料理も念頭に置きながら選んでいる(特定の料理に偏らないようにしている)。
ちなみに中國四大料理(四大地方菜)とは、山東料理(魯菜)、四川料理(川菜)、広東料理(粵菜)、江蘇料理(蘇菜)のことで、これに浙江料理(浙菜)、安徽料理(徽菜)、湖南料理(湘菜)、福建料理(閩菜)を加えると中國八大料理(八大地方菜)となる。
1.ヒレ肉の甘酢あんかけ(糖醋里脊?浙菜/魯菜/川菜/粵菜/閩菜)
日本人の口に合い、恐らくは近くのスーパーなどで売っていたり、お弁當(dāng)のおかずに入っていたりするかもしれない、最もクリアしやすい本場中國料理の一つ。中國人にとって最もポピュラーな中國料理の一つでもある。日本の酢豚とは異なり、ヒレ肉の他は何も入っておらず、パイナップルだけが入っていたりする。
なおヒレ肉ではなく鶏肉を使う米國中華人気ナンバーワンこと「General Tso’s chicken(左宗棠鶏)」については、中國人の間で中國料理ではないとの意見もあるため今回は取り上げない。
2.鶏肉とナッツの炒め物(宮保鶏丁?川菜/魯菜)
日本の中華料理店でも定番な、鶏肉のカシューナッツ炒めのこと。中國ではカシューナッツが割高なため、炒ったピーナッツを使う。中國人の某友人に言わせれば、花椒(山椒の実の同屬異種)と唐辛子と鶏肉とナッツと長ネギだけというのが原型らしい。この花椒の味は麻辣豆腐などの料理の「麻」に相當(dāng)する味で、獨(dú)身で北京にいた頃はどのレストランに行ってもこればかり食べていた僕の一押し中國料理でもある。
3.北京ダック(北京烤鴨?魯菜)
八達(dá)嶺の萬里の長城観光などと同じで、中國旅行のパッケージツアーにまず間違いなく含まれている。本當(dāng)は烤鴨巻餅と言ってタレをつけてから餃子の皮のような皮(ただし既に火が通っている)に白髪ねぎと一緒に包んで食べるが、タレをつけてからご飯の上にのせて刻みねぎを散らし七味唐辛子を振って「中國風(fēng)鴨南蠻丼」でいただいても美味しい。
4.カシューナッツとむきエビの炒め物(腰果蝦仁?粵菜)
先にご紹介した鶏肉とナッツの炒め物(宮保鶏?。─瑜辘丹椁衰荪豫濂椹`な、日本の中華料理店で食べられる中國料理の定番?!弗ē印工扦悉胜袱啶ē印工趣ⅳ毪韦?、中國のエビ料理のほとんどが「むいていないエビ」を使うからで、中國人に言わせれば「むきエビ」=「冷凍エビ」=「新鮮でない」=「美味しくない」となる。とはいえ外國人(特に日本人)からすると手を汚さないで食べられる分、敷居はずっと低い。
やはり米國などで人気の「Walnut Prawn(核桃蝦仁)」つまりクルミとむきエビの炒め物については由來がはっきりせず、僕自身も中國で食べたことがあるものの中國と日本で食べることのできる機(jī)會(huì)が少ないと判斷し、今回は見送らせていただく。
5.中國しゃぶしゃぶ(火鍋?全國)
鍋料理ではなくしゃぶしゃぶなので、別コラムでも述べたようにスープは基本的に飲まないで捨てる。とはいえスープは日本のしゃぶしゃぶのようなただのお湯ではなく、鍋底と呼ばれる日本のカレールウのような調(diào)合済みの香辛料を溶かし込んであり(もともとはこのダシの入っていない香辛料スープ自體を鍋底という)、この鍋底を変えることで味の変化を楽しむ。聞けば昔は日本のしゃぶしゃぶのようにただのお湯を使っていたものを、日本の鍋料理を參考に味を付けたスープで「しゃぶしゃぶ」をするようになったとのこと。もし日本で食べる場合はお店の人に日本人向けなのかどうか、つまりスープを飲める火鍋かどうか確認(rèn)するといい。
6.魚香肉絲(川菜)
日本人がよく知る中華料理の定番?チンジャオロース(青椒肉絲)とよく似ているものの別物な中國料理。料理の主役はチンジャオ(青椒)つまりピーマンでもなければロース(肉絲)つまり細(xì)切り肉でもなく、魚香と呼ばれるソースにあり、生姜?大蒜?蔥そして泡紅辣椒(しょっぱくて酸っぱい唐辛子の漬物)により魚が入っているかのような風(fēng)味を出す。中國人コックのいる中國料理店に行けば、既に日本向けにローカライズ済みの「豚肉と筍の細(xì)切りピリ辛炒め」みたいなハズレを引かずに済む。
7.ピータンと豚肉のお粥(皮蛋痩肉粥?粵菜)
臺(tái)灣や香港に旅行においでになった方であればきっと食べたことのある、外國人にも人気な朝食に定番のお粥。お粥と言っても日本のお粥とは作り方が違い、むしろリゾットに近い。中國では各種お粥を出すお粥専門店があるぐらいお粥のバリエーションが豊富で、庶民の朝食も小米粥(粟粥)と相場が決まっているほどだが、別コラムでも述べる通り日本人の口に合いそうなお粥はそれほど多くない。
8.タンタン麺(擔(dān)擔(dān)面?川菜)
名前を聞いたことはあってもまだ食べたことがない方のためにランクインしてもらった、中國十大麺類の一つ。もし汁なしのジャージャー麺のような「あんかけ」風(fēng)であれば、名前の由來にかない(もともとは麺を擔(dān)いで売り歩いたため汁を持ち歩かなかった)本場に近いものである可能性が高い。本場に近いものは中國人的にはほんのり辛いものもあるが、日本人にとってはそれでも相応に辛いので注意。
9.重慶小面(Chongqing noodles?川菜-重慶菜)
この中國料理は僕的にはかなり微妙な線で、タンタン麺と來たのであれば刀削麺(手で削る幅のある麺)とか過橋(雲(yún)南)米線(小麥粉でなく米粉を使う歯ごたえがうどんにやや近い麺)とか、せめて重慶名物の熱乾麺を押したいところなのだが、日本人ではなく「外國人が選ぶ好きな中國料理10品」ということでご容赦いただきたい。僕も中國で數(shù)回しか食べたことがないので、10品の中では相応に敷居が高い。タンタン麺と違い、唐辛子(辛椒)から來る辛さより花椒からくる舌が痺れる味(麻)が強(qiáng)い。
10.酸菜魚(川菜)
この中國料理も日本人ではなく「外國人が選ぶ好きな中國料理10品」なので、日本人的には好みが分かれるかもしれない。前述のヒレ肉の甘酢あんかけのような日本人にとって馴染みのある甘酸っぱい味ではなく、「辛」酸っぱい味だからだ。同系の「辛」酸っぱい味の中國料理に酸辣湯というスープがあるが、酸辣湯が酢を使うのに対し酸菜魚は名前の通り「酸菜(ドイツなどでも食されている「漬物」の一種)」で「辛」酸っぱい味を出す。
いかがだろうか。今回は咕嚕肉(豚肉の甘酢炒め=酢豚)のような日本人に馴染み深い中華料理に近い中國料理は省いたから、上記の「外國人が選ぶ好きな中國料理10品」を全部食べたことのある方は、中國通の外國人だと自稱して差し支えあるまい。
とはいえ殘念ながら、それは決して美食通の中國人であることを意味してはいない。
先の記事の別の中國人ネットユーザーのコメントにも「正當(dāng)な八大中國料理をすべて食べたことのある人がどれだけいるだろうか」とある。先の中國人ネットユーザーも「外國人は一生かけても中國料理を食べきることはないよ」と言っている。
実のところ、中國人であっても「中國料理を食べきる」ことは容易ではない。それはちょうど、日本人が日本の「B級(jí)ご當(dāng)?shù)廿哎毳帷工蛉渴长伽毪长趣菀驻扦胜い韦韧瑯敜扦ⅳ搿?/p>
たとえば山東省育ちの僕の中國人の妻でさえ、山東料理(魯菜)の名菜(グルメ)の中でまだ食べたことがないものが若干ある。山東省の規(guī)模(人口9500萬人以上?面積15萬7000平方キロ以上)からすれば、それも無理からぬところだ。だから中國歴が「まだ」10年な中國在住の日本人の僕など、ましてそうである。
そんなわけで「中國人が選ぶ好きな中國料理10品」についは、ぜひ別コラムをご參考いただきたい。
その一方で、上記「外國人が選ぶ好きな中國料理10品」は比較的容易にクリアできる。もし中國においでになる機(jī)會(huì)があるなら、10品全部を1週間以內(nèi)にクリアできるだろう。
たとえば僕らも北京ダックをよく買ってきて食べるし、家の近くに開店した中國ファストフード店では毎回のようにヒレ肉の甘酢あんかけを食べる。
同時(shí)に妻の実家の農(nóng)村に行けば行ったで、親族と共にセミの幼蟲の油揚(yáng)げを食べつつ「やっぱり野生モノは美味しいよねー」などと盛り上がる。
あれ?もしかして、ギョッとされましたか? いやー、分かります。でもこのセミの幼蟲の油揚(yáng)げ(油炸知了猴)程度なら、次回コラムでもご紹介するように中國料理フライ級(jí)ですよ、きっと。
だから「外國人が選ぶ好きな中國料理10品」または數(shù)十品を食べて、「中國通」な自分に満足できる人は幸いである。これが100品また1000品と數(shù)を増すにつれ、中國の人はどんどん盛り上がり、日本人の僕らはどんどん「理解不能」となっていく。
■筆者プロフィール:大串 富史
本業(yè)はITなんでも屋なフリーライター。各種メディアでゴーストライターをするかたわら、中國?北京に8年間、中國?青島に3年間滯在。中國人の妻の助けと支えのもと新HSK6級(jí)を取得後は、共にネット留學(xué)を旨とする「長城中國語」にて中國語また日本語を教えつつ日中中日翻訳にもたずさわる。中國?中國人?中國語學(xué)習(xí)?中國ビジネスの真相を日本に紹介するコラムを執(zhí)筆中。
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