中國環(huán)境保護産業(yè)協(xié)會と中國環(huán)境ニュースが共催するニュースメディアシンポジウムが17日に開催され、同會議では中國環(huán)境部科學技術財務司と中國環(huán)境保護産業(yè)協(xié)會が共同で作成した「中國環(huán)境保護産業(yè)の狀況報告書（2021年）」を発表した。2017年から毎年報告しているレポートである。同レポートのデータは、生態(tài)環(huán)境部から委託を受け中國環(huán)境保護産業(yè)協(xié)會が2020年度全國環(huán)境保護産業(yè)重點企業(yè)調査と全國環(huán)境サービス業(yè)財務統(tǒng)計を実施し、得られたもので、サンプリングは約1萬6000社の環(huán)境保護企業(yè)となっている。

1．生態(tài)環(huán)境保護産業(yè)の全體規(guī)模は拡大基調を維持、國民経済と雇用に一定の貢獻

統(tǒng)計によると、2020年の全國生態(tài)環(huán)境保護産業(yè)（環(huán)境整備）の営業(yè)収入は約1兆9500億元（約35兆1300億円）で、2019年比で約7．3％増加、そのうち環(huán)境サービスの営業(yè)収入は約1兆2000億元（約21兆6000億円）で、前年同期比で約9．7％増となった。統(tǒng)計には、水、大気、固形廃棄物、モニタリング、騒音分野における環(huán)境保護営業(yè)収入は前年比でそれぞれ7．4％、2．3％、10．0％、6．9％、9．1％増加し、土壌修復分野における環(huán)境保護営業(yè)利益は前年比で4．8％減少した。

2020年の全國環(huán)境管理営業(yè)総収入はGDP比で1．9％を占め、2011年に比べて1．14ポイント増加、國民経済への直接貢獻率は4．5％となり、2011年に比べて3．35ポイント増加した。生態(tài)環(huán)境保護業(yè)界に従事する人員は約320萬人で國內の総従業(yè)員數の0．43％を占めており、2011年比で0．31ポイント増となった。昨年の統(tǒng)計はまだないが、予測として2021年には、環(huán)境整備営業(yè)利益規(guī)模は約2兆2000億元（約39兆6000億円）に達するとしている。「第14次5カ年計畫」期間中、年平均成長率は約10％を維持し、2025年には環(huán)境整備営業(yè)収入は3兆元（約54兆円）を突破するとみられている。

2．パンデミックなどの影響で2020年は生態(tài)環(huán)境保護産業(yè)の成長率が大幅に低下、収益も小幅に低下

「第13次5カ年計畫」期間中、中國の環(huán)境整備営業(yè)収入の年平均成長率は約14．0％で、このうち2016年から2018年までの前年比成長率は約18．0％と比較的安定していた。2019年以降、レバレッジ引き締めと新型コロナの流行で、収益の伸びは前年比で減少し続け、2020年に初めて1桁（10％未満）に低下した。2020年には、環(huán)境保護企業(yè)の収益は小幅に低下したが、資産運用能力は基本的に安定しており、企業(yè)の財務リスクは全體的に妥當な範囲內にあるものの、支払いや投資回収の問題は依然として突出している。

3．中國の環(huán)境保護企業(yè)は依然として中小企業(yè)が支えており、産業(yè)の集中度は低く、中小企業(yè)のリスク対策能力は劣っている

2020年の統(tǒng)計に含まれる企業(yè)のうち、中小企業(yè)が72．9％、大中型企業(yè)がそれぞれ3．1％、24．0％を占めている。その中で、大型企業(yè)は業(yè)界の営業(yè)収入と営業(yè)利益の80％以上を占めている。大中型企業(yè)の営業(yè)収入と利益は前年比で増加を維持したが、中小企業(yè)はともに減少傾向にあり、企業(yè)規(guī)模が小さいほど減少は大きくなっている。これは、中國の環(huán)境保護企業(yè)が依然として中小企業(yè)が主體で、産業(yè)の集中度が低いことを反映している。大中型企業(yè)と比べ、中小企業(yè)は新型コロナの流行と経済変動の影響を大きく受けている。

4．産業(yè)技術イノベーション力と技術レベルの継続的改善は汚染との攻防に重要な支援を提供

2020年、環(huán)境保護企業(yè)の平均研究開発費は前年比で16．8％増加し、研究開発費は営業(yè)利益の3．2％を占め、一定規(guī)模を超える産業(yè)企業(yè)の研究開発費の割合は営業(yè)収入を上回った（2020年（1．41％）。中でも、環(huán)境モニタリング分野の研究開発費が営業(yè)利益に占める割合が最多で、6．7％に達している。研究開発要員數は従業(yè)員數の17．1％を占め、前年比0．6％増加した。企業(yè)が獲得した平均特許件數は、2019年の4．5件から4．8件に増加した。

中國の環(huán)境保護技術と設備のレベルは継続的に改善されており、電気除塵裝置、バッグフィルター、脫硫、脫硝などのガス処理技術は國際レベルに達している。都市汚水と従來の工業(yè)廃水処理は、すでにさまざまな成熟したプロセス技術と設備を組合したプラント化を形成している。汚水の高度処理、VOCs整備、固形廃棄物処理と資源化、および土壌修復分野における技術設備のレベルは急速に改善された。環(huán)境モニタリング技術は自動化、プラント化、インテリジェンス、立體化、および正確な監(jiān)視サポートが確立しつつある。

5．華東地區(qū)の産業(yè)集積度は高く、華北、華中、華南各地區(qū)の産業(yè)収益が鮮明

統(tǒng)計によると、企業(yè)の約45％が華東地區(qū)に集中し、中國の環(huán)境保護収入の38％を占め、従業(yè)員は37％を占める。次點は華南地區(qū)で、企業(yè)數の14％が環(huán)境保護収入の18％、従業(yè)員の19％を占める。華北、華中、華南地區(qū)の1人當たり営業(yè)収入は、全國平均（105萬2000元（約1895円）/人）を上回っている。華東、西南、西北、東北地區(qū)は全國平均よりも低くなっている。2020年のデータによると、広東、北京、湖北、浙江、江蘇、山東の6省?市の企業(yè)の営業(yè)総収入は1000億元（約1兆8000億円）を超え、6省?市の環(huán)境保護企業(yè)の総収入を占めている。全國の約3分の2を超える。長江経済ベルトの11省?市は、企業(yè)數の36．7％で、業(yè)界の収益のほぼ半分を占める。

6．4つの突出する課題が生態(tài)環(huán)境保護産業(yè)の質の高い発展を制約

一、環(huán)境保護プロジェクトは自身による造血能力が低く、政府の投資に過度に依存しており、環(huán)境整備のニーズを産業(yè)市場に転換することは困難。

二、価格と料金のメカニズムが不完全で、投資回収メカニズムが未整備か不完全のため、社會資本と金融機関の參畫を難しくしている。

三、獨立したイノベーション力はあまり強くない?；A性、獨創(chuàng)性、破壊的な技術革新が欠いている。ごみ浸出水処理、高塩工業(yè)廃水処理分野および一部の主要機器、機能材料、コアコンポーネント、ハイエンドの機器や計器などの技術力等が欠如している。

四、業(yè)界の集中度が低く、市場の標準化を強化する必要がある。

■筆者プロフィール：內藤 康行

1950年生まれ。橫浜在住。中學生時代、図書館で「西遊記」を読後、中國に興味を持ち、臺灣で中國語を學ぶ。以來40年近く中國との関わりを持ち現在に至る。中國の環(huán)境全般と環(huán)境（水、大気、土壌）に関わるビジネスを専門とするコンサルタント、中國環(huán)境事情リサーチャーとして情報を発信している。著書に「中國水ビジネス市場における水ビジネスメジャーの現狀」（用水と廃水2016?9）、「中國水ビジネス産業(yè)の現狀と今後の方向性」（用水と廃水2016?3）、「中國の農村汚染の現狀と対策」（CWR定期レポ）など。