<在日中國(guó)人のブログ>駐車場(chǎng)の地域貓

黃 文葦    2020年6月26日(金) 19時(shí)30分

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家の近くの駐車場(chǎng)にはいつも5~6匹の野良貓が出沒していた。資料寫真。

家の近くに広い駐車場(chǎng)があった。雑草が生い茂って、色とりどりの野花が咲き誇っていた。駐車場(chǎng)といっても、あちこちでこぼこの砂地で、小さな石も散らしてしまう未開発の土地。周辺の一戸建てを見ないかぎり、駐車場(chǎng)に身を置いていると、荒野にいるような錯(cuò)覚に陥るかもしれない。この駐車場(chǎng)はまるで都市の鉄筋コンクリートに囲まれた「珍風(fēng)景」であった。

駐車場(chǎng)にはいつも5~6匹の野良貓が出沒する?!敢傲肌工趣いρ匀~が好きである。勝手な解釈だが、野性的かつ善良な性格をもつこと。野良貓は放浪しない。駐車場(chǎng)は彼らの生きる場(chǎng)だ。彼らはあたかも駐車場(chǎng)の「管理貓」。駐車場(chǎng)には車がまばらで、5~6匹の貓が5~6臺(tái)の車に寄り添う。雨が降ると貓は車の下に隠れ、冬に車の上で日向ぼっこをしながら居眠りする。

これらの野良貓は「地域貓」とも言われる。夕方になると貓たちが必ず全員駐車場(chǎng)に集まり、仕事終わりの日課として、隣人たちが餌と水を貓にあげる。ある冬の夜、おばあさんが大きな魔法瓶を持ってきたのを見た。小さな鉢をいくつか取り出して地面に置き、魔法瓶から溫かい牛乳をそれぞれの小さな鉢に注いだ?!负い?。溫かい牛乳を飲んで」と優(yōu)しく貓たちに話しかけていた。貓たちが牛乳をおいしそうにごくごく飲む音が心地いい。それ以來、私はいつも鞄の中に貓のおやつを入れている。駐車場(chǎng)を通り過ぎる際、貓たちにあいさつし、おやつをあげる。貓たちはそれぞれ毛の色や性格が異なる。駐車場(chǎng)の地域貓のおかげで、近所の人たちがコミュニケーションを取るようになった。貓を囲んで、世間話を交える?!傅赜蜇垾偿撺濂衰匹)`」とも言える。地域貓が地域を活性化させるといっても過言ではない。中國(guó)語(yǔ)の「遠(yuǎn)親不如近鄰」は、「遠(yuǎn)くに住む親族よりも、近隣の人の方が頼りになる」という意味。しかし、日本の都市では、引っ越してきて隣の家にあいさつした後、あんまり隣人同士で言葉を交わさない?,F(xiàn)代社會(huì)では、多くの人が人との繋がりが持てず生きている。

5月のある日、駐車場(chǎng)に「事件」が起こった。元の風(fēng)景が突然消えてしまったのだ。何臺(tái)ものブルドーザーがゴロゴロと音を立てて雑草や野花をつぶし、しばらくすると跡形もなくなった。駐車場(chǎng)が完全に変わってしまった。凹凸のある砂や土がコンクリートになり、白い直線で駐車スペースの區(qū)畫ラインが引かれた。一つ一つのスペースの真ん中に1から30までの大きな數(shù)字が書かれた。

立派な駐車場(chǎng)がいきなり出來上がり、駐車する車がだんだん増えてきて、自動(dòng)で駐車料金が支払われる?!腹芾碚摺工媳匾胜い韦?、貓たちは「職」を失った。駐車場(chǎng)改造は事前に「住人」である貓たちの同意を求めるべきではないか、と私は心の中で呟いた。そして、貓の居場(chǎng)所がなくなった。彼らは突然の変化に戸惑ったのだろう。どこかへ逃げてしまった。土と砂の匂いが完全に消された。風(fēng)に揺れる野草や野花もなくなった。

駐車場(chǎng)はより標(biāo)準(zhǔn)的でスタイリッシュになって、多くの車が入れられる。オーナーはより多くの経済利益を得られるだろう。それは人間社會(huì)には當(dāng)然のことだが、なんだか、自然が遠(yuǎn)ざかっていくことに寂しさを覚えた?!格v車場(chǎng)ではなく、公園にしたらいいな。そうしたら、貓も人間もくつろげる」と隣人たちが話し合った。しかし、何を言っても後の祭りである。それは私たちが決めることではない?,F(xiàn)代風(fēng)の駐車場(chǎng)に変貌することは現(xiàn)代文明社會(huì)の構(gòu)築の縮図であろう。地球上の原風(fēng)景は徐々に消え、都市の人工風(fēng)景に置き換わってきた。しかもますます加速していく。ウイルスの隠れ場(chǎng)所すら奪われてしまって、本來動(dòng)物と共に生存するウイルスが仕方なく人間の體に移る。新型コロナ時(shí)代、私たちはさらに自然や動(dòng)物や人間の共存関係を考えなければならない。

貓たちのおかげで近所の人たちが話し始め、人間同士のコミュニケーションの大切さを?qū)g感した。貓たちに感謝したい。これからも世界の片隅に君たちの安息の地が殘ることを願(yuàn)う。

■筆者プロフィール:黃 文葦

在日中國(guó)人作家。日中の大學(xué)でマスコミを?qū)煿イ?、両國(guó)のマスコミに従事。十?dāng)?shù)年間マスコミの現(xiàn)場(chǎng)を経験した後、2009年から留學(xué)生教育に攜わる仕事に従事。2015年日本のある學(xué)校法人の理事に就任。現(xiàn)在、教育?社會(huì)?文化領(lǐng)域の課題を中心に、関連のコラムを執(zhí)筆中。2000年の來日以降、中國(guó)語(yǔ)と日本語(yǔ)の言語(yǔ)で執(zhí)筆すること及び両國(guó)の「真実」を相手國(guó)に伝えることを模索している。

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