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一國(guó)の産業(yè)や経済を評(píng)価するための指標(biāo)はもっと他にもある。例えば経常収支という指標(biāo)があり、これは一國(guó)の當(dāng)該年の富の増減をみるための數(shù)値のひとつである。寫真は緊急事態(tài)宣言當(dāng)日の新橋。
中國(guó)経済を語(yǔ)る時(shí)に決まって取り上げられるのは、GDP(國(guó)內(nèi)総生産)という數(shù)値である。しかし一國(guó)の産業(yè)や経済を評(píng)価するための指標(biāo)はもっと他にもある。例えば経常収支という指標(biāo)があり、これは一國(guó)の當(dāng)該年の富の増減をみるための數(shù)値のひとつである。
中國(guó)は経常黒字國(guó)であり、現(xiàn)狀は世界10位前後に位置する?,F(xiàn)在の黒字を生み出しているのは貿(mào)易収支であり、これはつまり輸出で國(guó)の富を増やしているということになる。
これに対して日本は長(zhǎng)期に渡って経常黒字を維持しており、現(xiàn)在の黒字額はドイツに次ぐ世界2位である。しかしその內(nèi)容は中國(guó)とは少し違う。黒字の大部分は企業(yè)の第一次所得収支であり、これはすなわち海外投資によって生まれる配當(dāng)利益等の國(guó)內(nèi)回流である。
貿(mào)易黒字と所得収支のどちらが良いかは一概には言えない。しかし一昨年から勃発した米中貿(mào)易摩擦の直接の原因が中國(guó)の巨額の対米貿(mào)易黒字であることを考えれば、中國(guó)の貿(mào)易収支は今後減少に向かっていくべきなのだろう。
IMF(國(guó)際通貨基金)の予測(cè)によれば、中國(guó)は2022年頃には経常赤字に転落する可能性があるようだ。ただし本年はコロナ問(wèn)題で中國(guó)人の海外旅行が激減し、巨大だった旅行収支の赤字がなくなりそうなので、経常赤字化はおそらく少し先送りになるだろう。
少し荒っぽい言い方をすれば、中國(guó)は貿(mào)易黒字というフローで稼ぎ、日本は海外投資収益というストックで稼いでいる國(guó)だと言えそうだ。中國(guó)は長(zhǎng)期に渡って高度経済成長(zhǎng)が続いてきたので、未だにフローによる稼ぎが主體であるということは少し意外だ。巨額の対內(nèi)投資と世界の工場(chǎng)としての輸出量で稼いできた巨萬(wàn)の富は、いったいどこに行ってしまったのだろうか。
さて前稿でも觸れたように、今回のコロナ問(wèn)題が原因で世界の先進(jìn)國(guó)を中心に「中國(guó)リスク」回避の動(dòng)きが強(qiáng)まっている。中國(guó)リスクについては、中國(guó)にいる外國(guó)企業(yè)の製造拠點(diǎn)が海外に移転していく文脈で語(yǔ)られることが多いが、実はリスクがもうひとつある。それは中國(guó)企業(yè)の海外進(jìn)出に制限がかけられそうなことである。
中國(guó)は既に、コロナ問(wèn)題発生前から製造コストの上昇などによって、外國(guó)企業(yè)の製造拠點(diǎn)の國(guó)外移転問(wèn)題が俎上にあがっていた。また中國(guó)側(cè)も國(guó)內(nèi)の製造拠點(diǎn)の中で、労働集約型で低付加価値なものや環(huán)境を汚染したりエネルギーが多消費(fèi)な工場(chǎng)などについては、徐々に海外移転を進(jìn)めてもらうような政策を取り始めていた。
つまり中國(guó)としても、産業(yè)構(gòu)造を転換して低付加価値な製造拠點(diǎn)の海外移転を進(jìn)める時(shí)期に來(lái)ている。また同時(shí)に國(guó)內(nèi)市場(chǎng)の飽和に伴って、今後は企業(yè)の海外直接投資を増やしていき、日本のように國(guó)の経常収支に貢獻(xiàn)させていかなければならないのだ。
尤も中國(guó)政府は近年、金融政策面の都合から資本の海外流出に制限をかけるようなことをしてきていたので、中國(guó)企業(yè)の海外投資は実はここ數(shù)年あまり増加していない。しかし技術(shù)力やブランド力によって付加価値を高めていくためには、特に製造業(yè)の海外投資拡大は待ったなしの狀況なのである。
そこにコロナ問(wèn)題が立ちはだかってしまった。米中貿(mào)易摩擦なども加わって、中國(guó)企業(yè)の対外投資が警戒され、一部制限されるようになってしまった。筆者は、これこそが中國(guó)にとっては中長(zhǎng)期的に見て最大のリスクになるのではないかと思う。
日本政府は、2018年10月に北京で「第1回日中第三國(guó)市場(chǎng)協(xié)力フォーラム」を開催した際に中國(guó)側(cè)と日中協(xié)力の覚書を締結(jié)した。いろんな政治的要素も含まれるが、これは日中企業(yè)が提攜して第三國(guó)市場(chǎng)に展開しようという意味であった。
既に日本の商社などは、従來(lái)から中國(guó)企業(yè)と組んでアジアや中東でビジネス展開を進(jìn)めてきているので目新しいものではないが、中國(guó)企業(yè)は日本企業(yè)と組むことで信用力を得られるし、一方で日本企業(yè)は中國(guó)企業(yè)の資本力やマンパワーを活用できるので、両國(guó)の利益にかなうスキームだといえる。
日中企業(yè)の間には、企業(yè)文化やビジネス手法などでかみ合わない部分は確かにあるし過(guò)去に失敗の例も多い。しかし中國(guó)國(guó)內(nèi)でのビジネスで散々苦労してきた日本企業(yè)にとっては、中國(guó)外で対等にかつグローバルルールに則ってビジネスを展開するというスキームは、ある種魅力的な面もあるのではないだろうか。「日中企業(yè)提攜によるグローバル展開」は、中國(guó)側(cè)からのニーズも加わってきて、アクターコロナ時(shí)代のひとつの選択肢になると思う。
コロナ感染問(wèn)題そのものはまだ先行きが見通せない狀況であるが、本稿では4つの視點(diǎn)から日中ビジネスにどのような方向性があるかを考えてきた。
コロナ問(wèn)題によって今後日本企業(yè)の事業(yè)環(huán)境は、大きな変容をみせるだろう。その中にあって日中ビジネスも中國(guó)からの「秋波」を受けつつ、賢明な意思決定をしていきたい。
■筆者プロフィール:松野豊
大阪市生まれ。京都大學(xué)大學(xué)院衛(wèi)生工學(xué)課程修了後、1981年野村総合研究所入社。環(huán)境政策研究や企業(yè)の技術(shù)戦略、経営システムのコンサルティングに従事。2002年、同社の中國(guó)上海法人を設(shè)立し、05年まで総経理(社長(zhǎng))。07年、北京の清華大學(xué)に同社との共同研究センターを設(shè)立して理事?副センター長(zhǎng)。 14年間の中國(guó)駐在を終えて18年に帰國(guó)、日中産業(yè)研究院を設(shè)立し代表取締役(院長(zhǎng))。清華大學(xué)招請(qǐng)専門家、上海交通大學(xué)客員研究員を兼務(wù)。中國(guó)の改革?産業(yè)政策等の研究を行い、日中で講演活動(dòng)やメディアでの記事執(zhí)筆を行っている。主な著書は、『參考と転換-中日産業(yè)政策比較研究』(清華大學(xué)出版社)、『2020年の中國(guó)』(東洋経済新報(bào)社)など。
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