アメリカ空軍は、F-15EXの調(diào)達(dá)をただちにやめるかわりに、F-35ライトニング IIステルス戦闘機(jī)を2021會(huì)計(jì)年度は80機(jī)、22年は100機(jī)、23年は120機(jī)調(diào)達(dá)するべきであるとヘリテージ財(cái)団のジョン?ベナブル上級(jí)研究員（防衛(wèi)政策擔(dān)當(dāng)）が推奨している。ベナブル研究員の當(dāng)該レポートは、今年の3月2日付で公開された。

ベナブル研究員によれば、F-35にはまだ荒削りなところがあるものの、すでに必要とされる最も重要なことや、費(fèi)用対効果のしきい値は越えたという。

レポートによれば、最初に導(dǎo)入されたときのF-35の運(yùn)動(dòng)性についての制限は、現(xiàn)在では完全に過(guò)去のものとなった、としている。

F-35A飛行隊(duì)の30人のパイロットにF-35についてインタビューしたところ、以前に第4世代機(jī)を経験したことのある20人すべてが、想定できるような、ほぼあらゆるドッグファイトがある戦闘シナリオの場(chǎng)合でも、第4世代機(jī)よりもF-35のほうが良いと言ったという。

F-35のコストは、（現(xiàn)行會(huì)計(jì)年度の貨幣価値で）1機(jī)あたり8710萬(wàn)ドルと見積もられているが、2021會(huì)計(jì)年度には7920萬(wàn)ドル、22年には7790萬(wàn)ドルと、安くなっていくと見込まれている。

F-35はステルス性能を維持するために、戦闘に必要なセンサーなどの裝備は、元から機(jī)體內(nèi)に備えられている。第4世代機(jī)では、新しいセンサーを使用するためにはポッドなどを、追加で裝備する必要がある。

F-15EXを戦闘で運(yùn)用するためには、F-15EXそのものの調(diào)達(dá)だけではなく、さらに自己防衛(wèi)システム（見積もりコスト750萬(wàn)ドル）、スナイパーターゲティング?ポッド（同170萬(wàn)ドル以上）が必要で、戦闘用構(gòu)成のF-15EXのトータルコストは、9690萬(wàn)ドルになり、同程度の構(gòu)成のF-35Aより190萬(wàn)ドルも高額になるという。

F-35の任務(wù)遂行可能率は、J-35ジョイントプログラムオフィス（JPO）によれば、2018年の55パーセントから、2019年には73．2パーセントに増えた。パーツ供給が優(yōu)先されている前方展開のF-35戦闘飛行隊(duì)では、任務(wù)遂行可能率は89パーセントを維持することができた。これは、F-35の飛行部隊(duì)にはパーツ供給での問題が、未だにあることを意味している。

中國(guó)の接近阻止?領(lǐng)域拒否（A2/AD）における対航空機(jī)能力の多くは、近代的な統(tǒng)合型防空システム（IADS：Integrated Air Defense System）によるものだ。その中にはロシア（ソ連）製のS-300やS-400、そして中國(guó)が開発したHQ-9（紅旗9）などが含まれる。

今年1月に公開された英國(guó)王立防衛(wèi)安全保障研究所のジャスティン?ブロンク研究員の研究によると、中國(guó)國(guó)産の地対空ミサイルシステムは、ロシアのS-400よりやや技術(shù)的に劣るという。しかし、中國(guó)には國(guó)內(nèi)に非常に大規(guī)模の先進(jìn)的な電子産業(yè)があり、ロシアよりレーダーやセンサーの技術(shù)面で有利な立場(chǎng)にあるとしている。

1950年に勃発した朝鮮戦爭(zhēng)時(shí)代から2005年前後くらいまで、中國(guó)の全體的な空軍と地上防空能力の訓(xùn)練や技術(shù)?裝備は、ソ連（及び、その後のロシア）への依存度が非常に高かった。しかし、習(xí)近平（シー?ジンピン）國(guó)家主席の體制下で、中國(guó)人民解放軍は急速に近代化をおこない、裝備や戦術(shù)で、ロシアとの違いを誇示しはじめている。中國(guó)は、最近でもロシアからS-400を調(diào)達(dá)し、ロシアのミサイルや航空機(jī)の技術(shù)の輸入をし続けている。しかし、特に中國(guó)のHQ-9は、ロシアのS-300に相當(dāng)するものだが、誘導(dǎo)のためのセンサー（シーカーヘッド）や指揮統(tǒng)制技術(shù)関連は、サイバー攻撃や、伝統(tǒng)的な諜報(bào)活動(dòng)、軍民融合政策による西側(cè)民間企業(yè)の技術(shù)の取り込みなど、さまざまな手段を駆使することによって、アメリカやイスラエルから大きく影響を受けているとされる。中國(guó)はロシアより、はるかに國(guó)內(nèi)の微細(xì)電子工學(xué)産業(yè)が発達(dá)しており、特定分野では急速にロシアに依存しなくなっている。

中國(guó)は、特にこれまでの30年の間、アメリカの軍事作戦に注目してきた。アメリカの戦略、作戦、戦術(shù)を?qū)Wぶことにより、中國(guó)は、自らの第5世代戦闘機(jī)を開発したり、接近阻止?領(lǐng)域拒否能力を向上させてきた。

米國(guó)防総省が、アメリカ合衆(zhòng)國(guó)議會(huì)に提出した年次報(bào)告資料『中華人民共和國(guó)に関する軍事と安全保障の発展 2018年』によると、中國(guó)人民解放軍は、世界で最も大規(guī)模な先進(jìn)的長(zhǎng)射程地対空ミサイルシステム戦力を所有する軍の一つであると説明している。

F-35は第5世代戦闘機(jī)であり、ステルスなどさまざまな能力面で、第4世代機(jī)のF-15より大きく勝っている。F-15EXは、中國(guó)の接近阻止?領(lǐng)域拒否の脅威を排除するのが難しいか、同じ任務(wù)でも、より多くのコストがかかる狀況が多いと推測(cè)される。

ステルス性能とはレーダーから自機(jī)を隠す能力だけではない。冷たい空を背景にしている溫かい航空機(jī)は、赤外線センサーを使用した敵に簡(jiǎn)単に見つかってしまう。熱の痕跡（シグネチャー）を最小化するのも、ステルス機(jī)の重要な要素である。

第5世代航空機(jī)はLPD/LPI（低傍受可能性/低探知可能性）無(wú)線データリンクをもっていなければならない。LPD/LPIは、方向性のある低出力の細(xì)いビームをつかうため、敵が信號(hào)を受信することが極めて難しくなる。第5世代機(jī)は自動(dòng)的に自機(jī)のセンサーの出力や方向を管理することができ、狀況によっては受動(dòng)的なセンサーを頼りにすることもできる。これらすべてがひとつとなって、最新のステルス航空機(jī)の技術(shù)が成りたっている。

ステルス機(jī)が有利な點(diǎn)はそれだけではない。最新の第5世代機(jī)は、ジャミングや欺瞞妨害のような電子攻撃を、非常に低出力で、はるかに効果的におこなうことができる。これにより、ステルス機(jī)は、中國(guó)のような強(qiáng)力なA2/AD能力を持つ空域に、ずっと深く入りこむことができ、より脅威に近づくことができる。

F-15EXのレーダー反射斷面積（RCS）は、とても大きい。そのため、脅威度の高い空域（競(jìng)爭(zhēng)環(huán)境：contested environment）に侵入するためには、F-15EXを守るための電子攻撃のボリュームを非常に大きくする必要がある。もしも、ジャミングを使ってF-15EXの正確な位置を隠すことができたとしても、このようなやり方は、夜中に看板広告用のネオンサインを煌煌と點(diǎn)燈しているようなものだ。敵の視點(diǎn)からすれば、何かが近づいてきているということを、大大的に宣言されているのと変わらない。

■筆者プロフィール：洲良はるき

大阪在住のアマチュア軍事研究家。翻訳家やライターとして活動(dòng)する一方で、ブログやツイッターで英語(yǔ)?中國(guó)語(yǔ)の軍事関係の報(bào)道や論文?レポートなどの紹介と解説をしている。月刊『軍事研究』に最新型ステルス爆撃機(jī)「B-21レイダー」の記事を投稿。これまで主に取り扱ってきたのは最新軍用航空機(jī)関連。

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