<コラム>新型肺炎の防疫體制下の中國を救った?新零售とフードデリバリー、近未來はどうなる?

高野悠介    2020年2月9日(日) 15時10分

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新型肺炎の防疫體制は、日常生活に大きな制約を與えた。人々は“宅経済”の中に逼塞した。しかしそれでも、飢え死にしないでいられるのは、ネット通販やフードデリバリーが高度に発達(dá)しているからである。

新型肺炎の防疫體制は、日常生活に大きな制約を與えた。人々は“宅経済”の中に逼塞した。しかしそれでも、飢え死にしないでいられるのは、ネット通販やフードデリバリーが高度に発達(dá)しているからである。なぜそうなったのか、今後はどうなるのか。まず歴史からたどってみよう。

アリババが改革を主導(dǎo)

中國小売業(yè)の変化スピードは、目を見張る。ネット通販の焦點(diǎn)は、共同購入や越境ECへ移り、OMO(Online Merges Offline)では、すでに世界の最先端にある。前近代的だった中國商業(yè)は、モバイルにより革命的に変化した。

その象徴はアリババの雙11(11月11日獨(dú)身の日セール)である。2009年に仕掛けた第一回の売上は5000萬元(8億円)。それが第10回の2019年には、2684億元(4兆3000億元)、5368倍に成長した。

アリババはこの急拡大に対応することで、IT巨頭への道を歩んだ。2009年、クラウドコンピューティングの「阿里雲(yún)」を設(shè)立、2013年には、金融と物流に進(jìn)出した。金融ではMMF「余額寶」、小口金融の「花唄」を発売、大成功を収める。物流では、大手宅配企業(yè)の出資を受け「菜鳥網(wǎng)絡(luò)」を設(shè)立し、雙11を支えた。

■新零售の誕生

3年後の2016年10月、ジャック?マー會長は“新零售(ニューリテール)”に言及した。やがて新語として定著し、小売業(yè)のキーワードとなった。ネット辭書には、ビッグデータ、AI等の先進(jìn)技術(shù)を用いた、商品生産、流通、販売レベルアップと改造の過程。オンラインサービスとオフライン體験及び物流が、深く結(jié)びついた小売の新モデル。と解説されている。

新零售の象徴は、アリババの直営スーパー「盒馬鮮生」だ。1號店の「上海金橋店」のオープンは2016年4月。2キロ圏內(nèi)は30分以內(nèi)に配送する。オフライン店舗とネット通販を併せ持つ新業(yè)態(tài)だ。オンライン、オフラインを問わず同じサービスを謳った。金橋店は大成功を収める?,F(xiàn)在は220店舗に拡大、盒馬miniや盒馬F2等の派生業(yè)態(tài)も生んでいる。

ライバルも続々誕生した?!负旭R鮮生」は中途半端だとして、売場を持たない「毎日優(yōu)鮮」のような倉庫業(yè)態(tài)も登場する。これら“生鮮電商”と呼ばれるグループが一挙に臺頭し、大混戦となっている。

■フードデリバリ-の繁栄

スマホの登場は、それ自體イノベーションだった。さらに、モバイル決済、シェアエコノミー(配車アプリ、シェアサイクル、カーシェアリング)等、數(shù)々の新サービスを生む。フードデリバリーはその代表だ。

多數(shù)のレストランを網(wǎng)羅したこの出前サービスは、中國人の食生活に変更を加えた。飲食産業(yè)の14%を占めるに至っている。2トップの「餓了蘑」は2008年、「美団外売」は2013年スタート。市場規(guī)模は急拡大を続け2019年のユーザー數(shù)は4億1600萬人、前年比(16.2%増)、売上げは6040億元(30.9%増)と見込まれている。大都市の有名レストラン前には、黃色の「美団外売」青色の「餓了蘑」のオートバイがたむろする。業(yè)界は合従連衡を経て、この2社に集約された。

2社は拡大の過程で、フード以外にも進(jìn)出していく。美団外売のアプリを見ると、コンビニから鮮花、紳士服まで、多様な商品のデリバリーを行っている。

■中國を救った宅配便ドライバー

別々に発展してきた、新零售とフードデリバリーだが、やがて両者はオーバーラップし始める。即時配送の実現(xiàn)を目指すスタイルは同じだからだ。アリババが2018年4月餓了蘑を買収したのは、こうした流れの必然の結(jié)果だった。

彼らの爭いは複雑に入り亂れ、簡単に戦局を分析するのは難しい。とにかく2019年は、あらゆる形態(tài)がドライバーの確保、即配體制の高度化、差別化を競っていた。これが、新型肺炎の防疫體制下(抗撃疫情)で大いに威力を発揮した。実店舗に依存しない、生活必需品の流通ルートが、大都市ではすでに完成されていたからだ。

そのシステムを擔(dān)うフードデリバリーのバイク便ドライバーについて、深圳市の調(diào)査報(bào)告がある。平均年齢28歳、98.3%が男性である。37.6%は中卒、23.4%は高卒、既婚者は38.8%だった。2018年調(diào)査(深圳市)対象者の平均年収は7萬2226元(113萬円)だった。

その彼らが今の中國を支えている。そして新型肺炎の収束後、中國小売業(yè)の景色はまた大きく変わっていることだろう。思いもよらない姿になっているかも知れない。

■筆者プロフィール:高野悠介

1956年生まれ、早稲田大學(xué)教育學(xué)部卒。ユニー株(現(xiàn)パンパシフィック)青島事務(wù)所長、上海事務(wù)所長を歴任、中國貿(mào)易の経験は四半世紀(jì)以上?,F(xiàn)在は中國人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中國最新のB2Cビジネスと中國人家族について、ディ-プな情報(bào)を提供。著書:2001年「繊維王國上海」東京図書出版會、2004年「新?繊維王國青島」東京図書出版會、2007年「中國の人々の中で」新風(fēng)舎、2014年「中國の一族の中で」Amazon Kindle。

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