<コラム>中國の原子力砕氷船は空母用の実験艦か?

洲良はるき    2019年3月26日(火) 23時50分

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中國の國営企業(yè)が、全長152メートル、排水量33000トンの原子力砕氷船の入札募集をしている。寫真は中國の國産空母。

中國の國営企業(yè)が、全長152メートル、排水量33000トンの原子力砕氷船の入札募集をしている。中國語ポータルサイト捜狐が報じている。

現(xiàn)在の中國は原子力潛水艦を運用している。しかし、原子力空母をはじめとする原子力推進の水上艦はまだ持っていない。

中國國営の原子力企業(yè)である中國広核集団(CGN)の説明によると、この砕氷船は2基の熱出力200メガワットの小型加圧水型原子爐を裝備するという。これにより最大で11.5ノットで進むことができるだろうとしている。中國広核集団だけでなく、去年の6月には同じく國営の中國核工業(yè)集団(CNNC)も砕氷船の入札の告知をしている。

現(xiàn)在、原子力砕氷船を運用しているのはロシアだけだ。

中國の原子力砕氷船の主な活動の場は、北極海ということになるだろう。2018年1月には、中華人民共和國國務院新聞弁公室が、『中國の北極政策』白書を公開している。中國は一帯一路のシルクロード構(gòu)想を北極圏にまで適用しようとしており、少なくない國が警戒感をあらわしている。

一方で、原子力砕氷船は原子力空母を開発するときのテストベッドとしての役割をはたすかもしれないと、香港の軍事アナリスト宋忠平氏が話している。

サウスチャイナ?モーニング?ポストによると、中國のこのやり方は舊ソビエト連邦が原子力空母開発のときにとった方法にならっているという。最初の原子力空母ウリャノフスクを1988年に起工するまえに、ソビエト連邦は5隻の原子力砕氷船を建造している。1991年のソ連崩壊により、空母ウリャノフスクは完成することはなかった。しかし、ソ連のやり方は中國のこれからの空母建造を暗示するものとなるだろう。

現(xiàn)在、原子力空母を運用しているのはたった2カ國だけだ。アメリカ以外に原子力空母を運用しているのはフランスである。原子力空母「シャルル?ド?ゴール」は、排水量約4萬トンで、フランス唯一の空母だ。1983年にフランス海軍は船體內(nèi)に空間的余裕ができるとして、空母に原子力推進を採用した。しかしシャルル?ド?ゴールの建造時には、財政上の問題により空母専用の新型原子爐の開発ができなかった??漳弗伐悭毳?ド?ゴールにはフランス國産の原子力潛水艦に採用されていた原子爐が、ほぼそのまま2基採用されることになった。このため空母シャルル?ド?ゴールは、推進システム関連で膨大な數(shù)の問題に悩まされることとなった。それらの問題のいくつかは、いまだに解決されていないと言われ、最大速度も先任で30年以上も古い空母「フォッシュ」よりも遅くなってしまった。さらに、アメリカの原子力空母が50年の運用壽命の間に、1回だけ核燃料交換をすればいいのに対して、シャルル?ド?ゴールでは7年ごとになっている。

アメリカのニミッツ級空母の推進力となる原子爐の熱出力は550メガワットで、同空母にはこの原子爐が2基裝備されている。アメリカの最新型空母であるフォード級の場合は、700メガワットの原子爐が2基だ。これらに比べると、中國広核集団による原子爐の熱出力200メガワットというのは劣っている。しかし、世界初の原子力空母となったアメリカの空母エンタープライズの原子爐の熱出力は150メガワットで、これが8基裝備されていた。

■筆者プロフィール:洲良はるき

大阪在住のアマチュア軍事研究家。翻訳家やライターとして活動する一方で、ブログやツイッターで英語?中國語の軍事関係の報道や論文?レポートなどの紹介と解説をしている。月刊『軍事研究』に最新型ステルス爆撃機「B-21レイダー」の記事を投稿。これまで主に取り扱ってきたのは最新軍用航空機関連。

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