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日本で鋳造され一番市場で使われた貨幣は江戸時代の「寛永通寶」である。あの10円玉より発行數(shù)が多いと言われている。寫真は筆者提供。
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日本で鋳造され一番市場で使われた貨幣は江戸時代の「寛永通寶」である。あの10円玉より発行數(shù)が多いと言われている。テレビ時代劇「銭形平次」で悪人に投げるのがこの「寛永通寶」一文銭であった。大川橋蔵演じるテレビを毎週見たものだった。総數(shù)で300億個ほど鋳造された(寫真1)。
【その他の寫真】
ここ蘇州市內(nèi)人民路45號「文廟古玩城(寫真2)」で多くの中國古銭が売られている。そこで出くわすのが、この「寛永通寶」である?!袱长欷先毡兢呜泿扭坤琛工妊预Δ?、「どこにもあるよ」と返事が返ってくる。確かに蘇州以外の骨董屋でも見つけることがある。當初は戦前に日本人が持って來たものと単純に思い込んでいたが、調(diào)べてみると江戸幕府が公認して清朝初期に大量に輸出していた。平安時代から、渡來銭と言われる唐?宋?明の貨幣を平清盛はじめ當時の鎌倉?室町幕府?京都公家らが輸入し、平安末期に製造を終えた皇朝12銭に代わる貨幣として流通させた。江戸時代初期、逆に中國やベトナムにこの純?nèi)毡狙u「寛永通寶」を輸出していた歴史があったのだ。
清朝は貨幣の流通に銅貨を推進しようとした。明朝はそれまで紙幣が主であった。明朝初期に「永楽通寶」の鋳造があったが、市中に貨幣制度を普及させるより、朝貢國家の威信を維持するためか、朝貢國に分け與えることを優(yōu)先した。室町幕府第三代將軍「足利義満」は日明貿(mào)易の推進者であるが、拝領した「永楽通寶」を市中に流通させ、幕府の権威を示した。したがって、中國における「永楽通寶」は稀有であるが、日本では多く見られる。戦國時代、織田信長は旗指物に「永楽通寶」の4文字を使わせた。
清朝は銅銭による貨幣経済の普及を図ろうとしたが、市場に流れる絶対量が不足したため、江戸幕府に依頼して輸入することになった。これに合わせ當時の貿(mào)易商人が金になればと、さらに多くの寛永通寶を中國全土に輸出した。だから現(xiàn)在、中國で見つけられるのだ。三宅俊彥「中國に埋められた銭貨」によると、寛永通寶は中國の主要都市23カ所で発見され、遠くは新疆ウイグル地區(qū)やカムチャッカ南部、北千島からも発見されている。
江戸幕府は、慶長6年(1601年)金貨と銀貨の制度を整えた。しかし、銭貨に関しては中世以來の渡來銭がそのまま使われていた。寛永3年(1626年)、水戸の豪商「佐藤新助」が寛永通寶試作品を作ったが、幕府は許可せず、寛永13年に江戸淺草橋と芝、それに近江坂本に銭座を設け、公鋳銭として製造開始、その後水戸?仙臺?松本?高田?岡山?長州藩などが幕府許可のもと銭座を設け鋳造を始めた。これによりそれまで巷に流通していた中國渡來銭をほぼ完全に駆逐、純?nèi)毡緡b貨幣化に成功した。その後、明治初年まで240年の長きに渡り使用された。中國でも日本でも銭貨の名稱は、當時の年號が使われていたが、この「寛永通寶」だけは年號に関係なく、通貨の代名と言うことで長年鋳造された。明治政府以降も補助貨幣として使い、昭和28年末の「小額通貨の整理」に関する法律が制定されるまで、1厘として使うことが可能であった。
日本で発行枚數(shù)の多い貨幣は1円硬貨で約440億個である。中國では唐時代の開元通寶(約600億個)、漢時代の五銖銭(約280億個)などがあげられる。
■筆者プロフィール:工藤和直
1953年、宮崎市生まれ。韓國で電子技術を教えていたことが認められ、2001年2月、韓國電子産業(yè)振興會より電子産業(yè)大賞受賞。2004年1月より中國江蘇省蘇州市で蘇州住電裝有限公司董事総経理として新會社を立上げ、2008年からは住友電裝株式會社執(zhí)行役員兼務。蘇州日商倶楽部(商工會)會長として、日中友好にも貢獻してきた。
■筆者プロフィール:工藤 和直
1953年、宮崎市生まれ。1977年九州大學大學院工學研究科修了。韓國で電子技術を教えていたことが認められ、2001年2月、韓國電子産業(yè)振興會より電子産業(yè)大賞受賞。2004年1月より中國江蘇省蘇州市で蘇州住電裝有限公司董事総経理として新會社を立上げ、2008年からは住友電裝株式會社執(zhí)行役員兼務。2013年には蘇州日商倶楽部(商工會)會長として、蘇州市ある日系2500社、約1萬人の邦人と共に、日中友好にも貢獻してきた。2015年からは最高顧問として中國関係會社を指導する傍ら、現(xiàn)在も中國関係會社で駐在13年半の経験を生かして活躍中。中國や日本で「チャイナリスク下でのビジネスの進め方」など多方面で講演會を行い、「蘇州たより」「蘇州たより2」などの著作がある。
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