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中國人の大人はよく「將來のために一生懸命勉強(qiáng)して素晴らしい人になりなさい」と子どもに言い聞かせている。しかし私からすると何だかこれは違和感がある。寫真は勉強(qiáng)する中國の子ども。
私が中國文化に觸れるようになってから気づいたことがある。中國人の大人はよく「將來のために一生懸命勉強(qiáng)して素晴らしい人になりなさい」と子どもに言い聞かせている。中國人夫もまだ小學(xué)1年生の甥っ子に電話で「一生懸命勉強(qiáng)しなさい」と言い聞かせていたし、中國のテレビやドラマでもそんな場面をたびたび見る。子どもは「嫌だ!」と言わずに「はい」と素直に従っている様子である。しかし、私からするとこれは何だか違和感を覚えるのだ。
一生懸命勉強(qiáng)することが悪いことだとは私は思わない。ただ、何というか、夫が中國のテレビでそんなシーンを見て若干引いている私に向かって「そうだ!そうだ!子どもは一生懸命勉強(qiáng)して良い大人にならなくちゃいけない!」と熱弁するのを聞くと、勉強(qiáng)すること以外でも素晴らしい人生というのはあるのではないか?と思ってしまうのである。
日本の親は一般的に「勉強(qiáng)しなさい」とは言うが、中國ほど勉強(qiáng)至上主義ではないと思う。ダンスやピアノ、スポーツなど、その子の才能のあるものを伸ばしてあげられればそれが一番、という価値観も広く共有されている。少し前に話題になった將棋もそうだ。將棋は學(xué)校のテストとは直接関係はないが、學(xué)校の勉強(qiáng)以外での自己実現(xiàn)に関しては日本の方が進(jìn)んでいるのでは?と私は思う。
もちろん、日本と中國では社會(huì)の環(huán)境が大きく違う。中國は競爭の激しい學(xué)歴社會(huì)で、親が貧しい場合、勉強(qiáng)して學(xué)歴を得ることが貧困から抜け出す大切な道なのだ。日本の「勉強(qiáng)ができる」は「それはそれで良いことだけど、幸せになるための必須條件ではない。他のことで才能があるならそれを頑張っても良い」と社會(huì)的に捉えられているけれど、中國での「勉強(qiáng)」には將來仕事があるかどうか、男性も女性も家族を養(yǎng)えるかどうか、親孝行が出來るかどうか(中國人にとってこれは日本人の想像以上に大切)がかかっているのだ。なので「自分よりも良い生活をしてほしい」と願(yuàn)う中國人の親が子どもに「勉強(qiáng)しなさい」と目の色を変えて言い続けるのはごく自然なことなのだ。
それから私が思うのは、中國は「貧困」が日本よりも近くにあると思う。発展途上にある中國。まだまだ貧しさはそこら辺に転がっている。地域差もあるが、ご飯を食べるのもいっぱいいっぱい、両親が街に出稼ぎに行ってしまい年に數(shù)回しか會(huì)えない、なんていう話を中國人の子どもは日本人の子どもよりも身近に感じている。だからこそ「將來は親よりも良い暮らしを手に入れて親孝行しなければ→勉強(qiáng)しなければ」という価値観が生まれる。
中國の子どもの學(xué)校の宿題は、とてもじゃないが終わらないくらい多いこともある。詰め込み勉強(qiáng)至上主義から中國が抜け出す日は來るのだろうか。
■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時(shí)に2歳年上の福建省出身の中國人男性と結(jié)婚。英語を獨(dú)學(xué)で習(xí)得後、英會(huì)話講師として働く傍ら中國のテレビなどを通し中國語も獨(dú)學(xué)で習(xí)得。趣味は語學(xué)と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結(jié)婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な國を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に國境や言葉の壁は関係ないと考えている。
■筆者プロフィール:むらさわりこ
1989年日本生まれ。22歳の時(shí)に2歳年上の福建省出身の中國人男性と結(jié)婚。英語を獨(dú)學(xué)で習(xí)得後、英會(huì)話講師として働く傍ら中國のテレビなどを通し中國語も獨(dú)學(xué)で習(xí)得。趣味は語學(xué)と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結(jié)婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な國を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に國境や言葉の壁は関係ないと考えている。
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