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日本で年老いた親の面倒を見るために帰國したはずなのに、諸々あっていつの間にか中國にまた戻ってきて一番の悩みが交通手段である。寫真は筆者提供。
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日本で年老いた親の面倒を見るために帰國したはずなのに、諸々あっていつの間にか中國にまた戻ってきて一番の悩みが交通手段である。鉄道網(wǎng)の代わりに安価なバス網(wǎng)が発達(dá)しているので重寶なのだが、日本のような時刻表がないのである。ある時など、待っても待ってもバスが來ない。聞けば道路工事のため通知なしに路線が日替わりで変更されていたりする。
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とはいえ中國には、電動バイク(フル電動自転車)という優(yōu)れた選択肢がある。セグウェイ風(fēng)のものから後述するような電気自動車の一歩手前のものまで、考え得るあらゆるタイプのものが市場に出回っている。
もっとも、すべては自己責(zé)任だという點がなんとも悩ましいのだが。
というのも少しググるとお分かりになっていただけるが、「たまたま」検品をくぐり抜けてしまい、突然火を噴いて壊れてしまうような殘念なハズレ品が市場でまかり通っていたりする。また、中國において電動バイクは日本の自転車のようにどこでも走れる、つまり規(guī)制というものがほとんどない。免許もなければヘルメットの義務(wù)付けもなく自賠責(zé)など何もない。簡単に言えば、すべてが自己責(zé)任なのだ。
それで中國人の妻と相談の末、もうすぐ3歳半の子供の安全を優(yōu)先し、走る鉄製の箱のような様相の電動四輪バイクを買おうとタオバオを物色したところ、7千元(日本円にして10萬円少し)の出物を見つけてしまう。屋根付き密閉タイプだから雨が降ってもへっちゃら。また1回の充電で70キロ程度の距離を走れるとのことなので、35キロ先の農(nóng)村に住む妻の年老いた両親のところならなんとか往復(fù)できるかも?などと夢が膨らむ。
ところが妻の親族から、「たぶん偽物かも」と脇から急ブレーキを踏まれてしまった。バッテリーが本物か偽物か新品なのか使い古しなのか誰にも分からない、という簡潔かつ非常に説得力のある説明によりこの案は卻下となり、今度は家の近くの電動バイク店を回ってみたところ、ついに1萬4千元(20萬円少し)の電動四輪バイクを探し當(dāng)てた。
ぱっと見はまるで普通の電気自動車をそのまま一回り小さくしたようなこの電動四輪バイクは1回の充電で約80キロの距離を走れるだけでなく、なんと発動機がついているので都度ディーゼルを給油し給電しさえすればどこまででも走れるというスグレモノだ。1年間360元、つまり1日1元程度(20円弱)の対人対物保険もあるそうで、50キロ程度離れている空港に日本から遊びに來た友人を迎えに行くというミッションさえ可能である。これこそがファイナルアンサーだと確信し、家に帰ってお金の算段を始める。
しかし待て。そもそもこの某メーカーの車両は安全なのか。ググってみると驚いたことに、突然火を噴いておしまいという、まさにそのメーカーの車ではないか?;黏驀姢い繒rの寫真というのがなんとも合成っぽいものの、やはり不安はぬぐえない。で、翌朝すぐに電動バイク店に行って聞いてみると明らかに狼狽した様子で、自分たちはそういう話は聞いていないし、この電動四輪バイクはそれとは違うまた別メーカーのものだし、第一、火を噴いたというのは別タイプの車両なので関係ない、と逆に怒鳴られてしまう。
「でも保険に入っていれば何とかなるんでしょ?」と妻が聞くと、それは保険の対象外だし売っているだけの自分たちは何もできないとあっさり言われてしまった。私たちは仏教徒だからウソはつかないとも念を押され、確かにウソは言ってないなと変に納得してしまう。
つまり、もし萬が一火を噴いても自己責(zé)任でお願いします、というわけだ。仮に約20萬円の愛車が炎に包まれたところで、報道によればどうやら泣き寢入りでおしまいなのである。
ちなみに中國全土での出荷臺數(shù)上位120社の電動四輪バイクメーカ一覧によると、火を噴いておしまいという例のメーカーは驚いたことに全國11位という健闘ぶりだった。少なからぬ中國人が自己責(zé)任でこのメーカーの車に実際に乗っているわけで、悩ましい話ではある。
僕たち自身は結(jié)局、友人(正確には友人の友人)を介して少し高めで二輪の普通の電動バイクを2千800元(4萬5千円弱)で購入した。やはり1回の充電で80キロ前後の走行が可能なのだが、妻子を乗せ(つまり3人乗りで)田舎道を片道35キロのツーリングというのは「かなり危ないと思う」という別の友人の親切なアドバイスにしたがって、外回りやミーティングへの參加等10キロ半徑內(nèi)程度を比較的低速で毎日行ったり來たりしているのだが、大型スクーターのような乗り心地で快適この上ない。
とはいえ、今回買った電動バイクでさえ、買った翌日にデパートの前でエンコして動かなくなってしまった。すぐに友人とバイク屋さんに連絡(luò)を取って助けに來てもらったところ、ただの接觸不良とわかりホッと胸をなでおろす。家に帰ってから少し心配になってネットでこのメーカーの評判を調(diào)べると、「一分銭一分貨」つまり安価なモデルはダメな一方で信頼性の高いモデルは値が張るというなんだか既視感のあるコメントが並んでいた。もっとも、殘念なことにさらにもっと有名なメーカーの電動バイクは必ずと言っていいほど偽物が出回っているのだが。
日本の十倍もの人口、また無數(shù)の大小メーカーがひしめく「百花斉放、百家爭鳴」な中國というこの國では、昔も今も自己責(zé)任なリスクを減らすためにあれやこれやの工夫や用心が必要だということだろう。電動バイク一つ買うにしても、信頼できる友人という良い意味での縁故や各方面へのアドバイスは欠かせない。
実を言えば、僕自身はもう一ランク安い白い電動バイクが欲しかった。しかし友人が耳元でそっとつぶやいて言った?!钢袊摔前驻い韦藖\っている人は多くないから、目立っちゃうよ。見栄えが良くて新品かどうかも一目で分かるから盜まれやすい色でもあるんだ。だから赤か黒にするといい」。いや、日本人の僕にその視點はなかった。ボディーカラーの選択まで自己責(zé)任だとは。なんとも悩ましい。
■筆者プロフィール:大串富史
本業(yè)はITなんでも屋なフリーライター。各種メディアでゴーストライターをするかたわら、中國?北京に8年間滯在。中國人の妻の助けと支えのもと新HSK6級を取得後は、共にネット留學(xué)を旨とする「長城中國語」にて中國語また日本語を教えつつ日中中日翻訳にもたずさわる。中國?中國人?中國語學(xué)習(xí)?中國ビジネスの真相を日本に紹介するコラムを執(zhí)筆中。
■筆者プロフィール:大串 富史
本業(yè)はITなんでも屋なフリーライター。各種メディアでゴーストライターをするかたわら、中國?北京に8年間、中國?青島に3年間滯在。中國人の妻の助けと支えのもと新HSK6級を取得後は、共にネット留學(xué)を旨とする「長城中國語」にて中國語また日本語を教えつつ日中中日翻訳にもたずさわる。中國?中國人?中國語學(xué)習(xí)?中國ビジネスの真相を日本に紹介するコラムを執(zhí)筆中。
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