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米通商代表部のロバート?ライトハイザー代表がこのほど聲明を発表し、「トランプ大統(tǒng)領の授権および『1974年通商法』第301條に基づき、技術移転、知的財産権、革新の各分野で中國に対する貿(mào)易調(diào)査を正式に発動する」と述べた。資料寫真。
次々に國內(nèi)のトラブルが発生する米國で、通商代表部(USTR)のロバート?ライトハイザー代表がこのほど聲明を発表し、「トランプ大統(tǒng)領の授権および『1974年通商法』第301條に基づき、技術移転、知的財産権、革新の各分野で中國に対する貿(mào)易調(diào)査を正式に発動する」と述べた。中國で改革開放がスタートして以來、約40年にわたり協(xié)力と競爭を織り交ぜながら発展してきた米中間経済はついに重要な節(jié)目を迎えた。新華網(wǎng)が伝えた。
通商法301條が前回大規(guī)模に応用されたのは1980年代で、當時は米國?日本間で貿(mào)易交渉が行われていた時期だ。米國が発動した中國を?qū)澫螭趣工?01條に基づいた貿(mào)易調(diào)査は結(jié)局のところ米中貿(mào)易に対してどのような影響があるだろうか。とりわけ中國経済に対してどんな影響があるのか。この問題を分析する前に、30年前の日本に対する301條貿(mào)易調(diào)査がもたらした結(jié)果をみてみよう。
現(xiàn)在のメディアが20世紀の日米貿(mào)易紛爭について分析する際には、米國の日本に対する301條貿(mào)易調(diào)査と為替市場への協(xié)調(diào)介入強化について合意したプラザ合意が日本のバブル経済崩壊の直接的原因だと単純に結(jié)論づける論調(diào)が多い。
だが実際には、80年代初めに、日本の輸出企業(yè)は米國の圧力を受けて「輸出自主規(guī)制」に踏み切り、日本政府の対米輸出の勢いをそいだ。また日本の自動車メーカーはこの時期に米國への大規(guī)模な投資を行い工場を建設するようになった。その後、米國の対日301條貿(mào)易調(diào)査は主として日本に市場を開放し、米國製品の対日輸出を受け入れるよう要求するという形を取るようになった。
日本は米國の圧力を受けて數(shù)々の譲歩を行い、プラザ合意に至りはしたが、米國の対日貿(mào)易赤字は85年の460億ドル(1ドルは約109.6円)あまりから2016年は688億ドルに増え、貿(mào)易摩擦や為替介入によって縮小するどころか、かえって拡大を続けた。そこで後の日本のバブル経済崩壊の問題を分析する際には、80年代の日米貿(mào)易摩擦の果たした役割を過大評価してはならない。
話を現(xiàn)在に戻し、目下の米中経済の競爭?協(xié)力関係を詳細に分析すると、かつての日米貿(mào)易に似たところはあるが、両者の間の一連の根本的な相違をしっかりと認識することが必要だ。
まず、國際環(huán)境と背景が異なる。80年代は過去數(shù)十年続いてきた経済グローバル化周期の起點であり、當時は米國國內(nèi)のグローバル化に対する見方は全面的に歓迎するというものだった。米國國民はグローバル化を背景に、國際市場の開放という大きなパイからすべての人が利益を得られると考えていた。
だが現(xiàn)在、米國社會のかなりの人々が、グローバル化した経済はグローバル化した競爭をもたらし、米國のエリートたちは引き続きそこから利益を得られ、より大きなパイを獲得することもできるが、経済的な中間層と下層の人々は激化する競爭の中で既得権を失うことを知っている。このことがトランプ大統(tǒng)領當選の原動力になった。
トランプ大統(tǒng)領は選挙で勝利して以來、絶えず貿(mào)易制裁措置をちらつかせて中國を威嚇し、たとえば鉄鋼産業(yè)では、國の安全保障を口実に貿(mào)易調(diào)査を発動し、米中包括経済対話で中國に自動車の輸入関稅を引き下げるよう要求し、メキシコに対して過激な発言を繰り返す。ここには米國の中下層の「自分たちの利益を守ってほしい」という願いが反映されている。
だが今日の世界経済システムの複雑さは80年代をはるかに上回る。中國は製造業(yè)供給チェーンの中で重要な位置を占め、米國が中國に対して一連の貿(mào)易上の「武器」を使用した場合、「1千の敵を打ち破るのに、800の味方を失う」ような事態(tài)を招くことが多い。
鉄鋼産業(yè)の場合、トランプ大統(tǒng)領の當選は米鉄鋼産業(yè)の力強い支持を受けてのことで、政府高官には鉄鋼産業(yè)の出身者や利害関係者が多い。トランプ大統(tǒng)領は就任すると輸入鉄鋼に高額の関稅をかけるよう再三圧力を與えてきたが、いまだに実現(xiàn)していない。主な原因の1つは米國における鉄鋼産業(yè)の従業(yè)員は15萬人足らずだが、鉄鋼を原材料とする自動車産業(yè)や建築産業(yè)などの川下産業(yè)の従業(yè)員は1200萬人を超えることだ。輸入鉄鋼に高額の関稅をかければ川下産業(yè)のコストを増大させ、世界市場での競爭力を低下させることになる。
米國はすでに中國産鉄鋼製品に関稅を課しており、現(xiàn)在の米國市場に輸入される鉄鋼は中國の鉄鋼に駆逐されて米國市場に流れてきた日本、韓國、歐州の鉄鋼だ。よってトランプ大統(tǒng)領の選挙公約である鉄鋼への関稅課稅は米國の盟友たちの利益を損なう結(jié)果しかもたらさないといえる。
現(xiàn)在、中國の対米輸出商品は引き続き中級?低級の消費財、部品、半製品が中心だ。米國がこうした製品に対して貿(mào)易制裁措置を打ち出しても、関連の製造が米國に移転するとは限らず、より可能性が高いのは中國以外の発展途上國に移転するというケースだ。また米國企業(yè)の最終製品のコストを引き上げ、他國の製品との競爭で劣勢に追いやられることになる。ここが80年代に展開された自動車やコンピューターなどの工業(yè)製品をめぐる日米の競爭や貿(mào)易摩擦と明らかに異なる點だ。
米國はこのことをよくわかっている。そこで今回発動した貿(mào)易調(diào)査では鉄鋼産業(yè)などの劣勢にある自國産業(yè)を保護するだけでなく、米國の優(yōu)位性が高い産業(yè)を威圧する中國の産業(yè)のバージョンアップに打撃を與えるのが狙いだ。これは今回の貿(mào)易調(diào)査で中國の「技術移転、知的財産権、革新の各分野」を調(diào)査する理由でもある。
実際、80年代の米國は日本への301條貿(mào)易調(diào)査でもこの手を使った。當時の日本は一部の半導體産業(yè)で相當な優(yōu)位性を占めて、強大な宇宙航空衛(wèi)星通信産業(yè)を構(gòu)築しようと考えていた。だが89年と90年の日米貿(mào)易交渉において、米國はさまざまな理由により日本に獨自の人工衛(wèi)星プロジェクトを取りやめるよう強要し、生まれたばかりの日本の宇宙航空産業(yè)を抹殺した。こうして日本はその後30年にわたるチップやネットワークや宇宙航空通信の分野での飛躍的発展という貴重なチャンスを逃すことになった。今や、最後まで競爭力を殘していた東芝のチップ事業(yè)さえ生きながらえることが難しくなっている。
今回の米國の中國に対する知的財産権を中核とした貿(mào)易調(diào)査は、中國の産業(yè)バージョンアップ政策が実施されるタイミングに重なる。米國は自國の伝統(tǒng)的製造業(yè)や中間層?下層の雇用を保護するためというより、中國がチップ、通信、ロボットなどのハイテク製造分野に進出するペースを遅らせるため、米中間の生産力の格差を維持し、あわよくば拡大しようとするたくらみのために貿(mào)易調(diào)査を打ち出したといえる。
だが米國のこうした貿(mào)易制裁措の圧力や措置は、中國が産業(yè)バージョンアップと自國のハイテク産業(yè)チェーン発展の必要に迫られていることをありありと物語るものでもある。今回の301條貿(mào)易調(diào)査が中國にもたらす最も重要な問題は、中國のハイテク製造業(yè)とハイテク産業(yè)が十分な成長の可能性を得て順調(diào)に発展できるかどうかであり、これは國の競爭力の核心のありかでもある。
20世紀の米國は貿(mào)易政策による圧力やその他の手段を通じ、日本に未來の方向性を決定づけるハイテク産業(yè)において米國と競爭しないよう迫り、日本はほぼ完全に90年頃から現(xiàn)在に至るハイテクの波に乗り損ねた。
現(xiàn)在、中國が科學技術産業(yè)の発展を1種のサーキットとみなすなら、モデル転換の重要な時期にある中國は米國がサーキットに置いたさまざまな障害に直面することになる。中國が先を行く米國との距離を縮められるかどうか、カーブで追い越せるかどうかは、今回の中國と米國との競り合いの中で決まることになる。(提供/人民網(wǎng)日本語版?編集KS)
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