年末が近づき、消費(fèi)の盛んなシーズンを迎えて、オンラインでもオフラインでもさまざまなキャンペーンがあちらこちらで行われ、人々の購入意欲を刺激している。そうした中で、ある種の現(xiàn)象には注意が必要だ。

中國で製造された高機(jī)能の炊飯器は、「出身地」では販売されない。國際大手ブランドのスニーカーは、海を越えて海外で買ったものは國內(nèi)で買ったものより持ちがいい。國內(nèi)メーカーが製造した肉団子は、國內(nèi)で売られているものより海外で売られているものの方が等級が一つ上だ。海外ブランドの軽自動車に品質(zhì)の問題が起こり、世界で回収（リコール）が行われる場合、同じ車種でありながら中國だけ例外扱いされて回収が行われない…。

多くの消費(fèi)者が気づいているように、同じ商品、同じサービスでも、國內(nèi)で見るもの買うものの品質(zhì)は、往々にして海外よりも劣る。中國はグローバル市場の「品質(zhì)の窪地」になっているのだろうか。

▽品質(zhì)に「內(nèi)外差」あるのは普通か？

海外で販売するものと國內(nèi)で販売するものと、2つの規(guī)準(zhǔn)を設(shè)け、2つの生産ラインを設(shè)置し、一流品は海外で売り、二級品は國內(nèi)で売る。こうしたやり方は國內(nèi)の一部産業(yè)ではほぼ「慣例」になっている。一部の海外ブランドは國際市場と中國市場で二重の規(guī)準(zhǔn)（ダブルスタンダード）を採用し、品質(zhì)に「內(nèi)外差」があるのはまったく珍しいことではない。

「海外で買ったバスケットシューズは1年履いてもまだしっかりしていたが、國內(nèi)で買ったものは2カ月もするとだめになってしまった。品質(zhì)の差は本當(dāng)に大きい」。北京市朝陽區(qū)の大學(xué)3年生?徐偉さんはこのように話す。バスケ好きの徐さんは昨年、海外に出かけた時にバッシュを1足買った。海外ブランドだが、原産地は中國で、1年履いても問題はなかった。徐さんの勧めにより、友人が同ブランドで同じくメードインチャイナのバッシュを國內(nèi)の専門店で買ったところ、わずか2カ月でエアクッションが機(jī)能しなくなったという。

▽一連の高品質(zhì)商品は中國で製造されるが、中國では販売されない

上海市楊浦區(qū)の李娜さんは先日日本に出かけた折、日本で人気の炊飯器を購入した。何度か使ってみて、機(jī)能がたくさんあり、ごはんがおいしく炊けて、確かに國內(nèi)で売られている多くの炊飯器よりも優(yōu)れていると思った。注意深い李さんは、この日本ブランドの炊飯器の底部に、「メードインチャイナ」のラベルがしっかりと貼ってあるのに気づいた?！袱长沃袊亲鳏盲看讹埰鳏稀⒅袊扦腺Iえないのか」と思った李さんは、上海市內(nèi)の蘇寧や國美などの大手家電量販店を回ってみたが、同タイプの炊飯器を目にすることはなかった。

攜帯電話、炊飯器、衣類、靴類、食品、スマート便座…國際市場に出回る多くの製品が「メードインチャイナ」だが、中國で生まれた大量の高品質(zhì)の製品が、なぜか國內(nèi)では販売されず、海外市場に運(yùn)ばれてしまう。中國人消費(fèi)者がこうした製品を買いたいと思えば、製品の動きを追いかけて海外に行くしかなく、コストがかなり高くつく。

▽一連の海外ブランド 國際市場と中國市場でダブルスタンダード

マクドナルド、ケンタッキー、ピザハット…海外では規(guī)準(zhǔn)をしっかり守る有名ファーストフードチェーンは、中國にくると態(tài)度が「だらしなくなる」。食品の安全を守る警戒線がゆるみっぱなしになり、ここ數(shù)年は安全性をめぐる事件が相次いで発覚している。2014年に上海福喜食品有限公司は期限を過ぎて品質(zhì)が変わった原料の肉を大量に仕入れて、上記3社をはじめとするファストフード企業(yè)に提供し、大きな問題になった。

中國國際貿(mào)易促進(jìn)委員會の趙萍研究員は、「多くの消費(fèi)分野で、中國は今、確かに品質(zhì)の窪地の狀態(tài)に置かれている。國內(nèi)の消費(fèi)者の品質(zhì)に対する注目度がますます高まっているが、高品質(zhì)の供給は相対的に不足している。商品とサービスの品質(zhì)の『內(nèi)外差』現(xiàn)象が、國內(nèi)消費(fèi)市場の受給の不一致という問題をより深刻なものにしている」と話す。

メードインチャイナの一部は中國で販売されておらず、一連の高品質(zhì)商品は國內(nèi)市場の発展段階に制約されて価格が高すぎ、國內(nèi)市場ではほとんど売れない。

上海市浦東新區(qū)で農(nóng)産品メーカーを営む孫偉さんは、「企業(yè)が商品を売るとき、売れ行きが好調(diào)で、高く売れ、販売のペースが速いところがあれば、企業(yè)はそこに行く」と話す。孫さんの會社が生産する一連の高品質(zhì)農(nóng)産品は、コストや価格といった要因の影響により、國際市場で売られるものの方が多い。一部の商品は國內(nèi)で生産しながら、海外で販売され、企業(yè)は「需要によって供給を決める」というバランスの取り方をしている。河北省唐山市のスマート便座メーカーの責(zé)任者の楊波さんは、「中國人観光客が日本で爭ってスマート便座を買うようになるまで、中國ではスマート便座を使っている人は少數(shù)だったし、その存在を知らない人もかなりたくさんいて、店にあるスマート便座はすぐに買えるようなものではなかった。また海外ブランドの便座は國內(nèi)で大規(guī)模に商品を提供する土臺を備えていなかった。日本での『爆買い』が報道されるようになると、中國人のスマート便座ニーズが隠れたものからはっきりとしたものに変わり、國內(nèi)のスマート便座は種類が徐々に豊富になっていった」と振り返る。

「一連の高級製品が中國に入ってこない」のは、中國の関連産業(yè)の全體的な供給水準(zhǔn)がそれほど高くないからだ。

広東省東莞市のスピーカーメーカーの責(zé)任者?孫明さんは、「販売戦略を制定する際、ターゲット市場の既存の供給水準(zhǔn)が非常に重要になる。ある市場で、企業(yè)がコスト50元（1元は約16．6円）でライバルに勝とうとするなら、その企業(yè)は60元のコストはかけないだろうし、51元でも出そうとは思わない。中國スピーカー産業(yè)はスタートが遅く、有名ブランドが少ないので、一連の國際的ブランドの中級?低級製品が中國に進(jìn)出し、販売で優(yōu)位を占め続け、十分な利益を上げている。そして高級シリーズ製品の販売にはあまり熱心ではない」と話す。

江蘇省揚(yáng)州市の玩具メーカーの郭文さんは、「國內(nèi)で販売される製品の品質(zhì)は割引されており、企業(yè)はこれで経営のつじつまを合わせている。企業(yè)が海外販売製品と國內(nèi)販売製品を製造する際、方針を決定する要因には大きな違いがある。布製ぬいぐるみペンケースの場合、製造コストに合理的な利潤を加算すれば、出荷価格は4?5元になる。海外ブランドの委託を受けた製造であれば、ブランド側(cè)は出荷時に製品が高い基準(zhǔn)を満たしていることを要求するのが一般的で、規(guī)準(zhǔn)を踏まえて生産を進(jìn)める。國內(nèi)の取り次ぎ業(yè)者の委託を受けた製造であれば、業(yè)者側(cè)は価格に注目することが多く、価格に基づいて生産を行う。価格が王様であり、品質(zhì)を犠牲にすることもあり、原材料や裁斷などのレベルが下がることもある」と話す。

一部の國際ブランドのダブルスタンダードは、中國の監(jiān)督管理システムの不十分さが引き起こしたものだ。

世界最大の小売企業(yè)ウォルマートは、中國でたびたび安全性の問題を引き起こしてきた。偽物の「グリーンポーク」や販売期限を過ぎた食品、虛偽の宣伝などの行為が相次いで発覚している。ヴェルサーチ、ルイ?ヴィトン、アルマーニ、シャネル、バーバリー、ディオールといった國際大手ブランドは、いずれも中國での抜き取り品質(zhì)検査で不合格になったことがある。海外ではルールをしっかり守る國際ブランドが、中國市場に來ると「不良」になるのは、主に違法行為のコストが安いからだ。

一連の海外ブランドからみれば、中國で品質(zhì)の問題が発覚したとしても、しばらく逃げ回り、わずか數(shù)十萬元の、時には數(shù)萬元程度の罰金を支払いさえすれば、順調(diào)にやり過ごすことができ、根本的な「痛み」を感じることはない。ウォルマートのチェーンでニセの「グリーンポーク」が売られていた一件は、中國では巨額の罰金と騒がれたが、最終的な罰金額はわずか269萬元だった。この程度の金額では、ウォルマートのような重量級多國籍企業(yè)に対する抑止効果はまったくないといえる。（提供/人民網(wǎng)日本語版?編集KS）