<コラム>役所発行の証明書は噓だらけ?中國人學(xué)生が明かす奨學(xué)金のウラ事情

浦上 早苗    2016年11月8日(火) 16時30分

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中國では銀行ローンは日本ほど普及していない。住宅や自動車ローンはそこそこあるが、お金を借りる先の1位は今も親戚。そして親戚から集めても足りない場合は、友達が頼みになる。寫真は中國の學(xué)生。

私事だが、大學(xué)時代の育英會奨學(xué)金の返済がようやく終わった。収入が激減した4年間は返済を猶予してもらい、卒業(yè)から足掛け18年で完済を果たした。

地方の平均的なサラリーマンだった父は、私を東京の大學(xué)に進學(xué)させるため、自己資金では足りない分を教育ローンに頼った。私自身も貸與型奨學(xué)金を申請した。

今、私は母子家庭の母になった。息子の學(xué)費を心配していると、父は言った?!溉毡兢香y行ローンが整備されてるから、學(xué)費の工面は何とかなる」。日本の場合、教育のセーフティネットは何だかんだいって整っている。まじめな勤め人なら、家や車を買うときにも低金利のローンを借りられる。

中國では銀行ローンは日本ほど普及していない。住宅や自動車ローンはそこそこあるが、お金を借りる先の1位は今も親戚。そして親戚から集めても足りない場合は、友達が頼みになる。

銀行ローンを使う人が少ない理由は色々あるだろうが、その一つは、公的な所得証明の信頼性の薄さかもしれない。

日本では児童手當(dāng)を受けるにも、住宅ローンや奨學(xué)金の申請にも、世帯の所得証明が求められる。日本に入國を希望する外國人も、ビザの申請にあたって所得証明を提出しなければならない。

私は日本の學(xué)校から委託を受け、同校を受験する中國人の提出書類に噓がないかチェックしている。ある年、中國の語學(xué)學(xué)校から、受験希望者3人の願書が送られてきた。その3人は出身地も親の職業(yè)も違うのに、親の所得証明の金額は全く同じだった。語學(xué)學(xué)校が「この通りに書け」と指示したとしか思えないが、そんなことはできるのか。

勤務(wù)している大學(xué)の學(xué)生たちに聞くと、「役所に知り合いとか親戚がいれば簡単ですよ。私たちも奨學(xué)金を申請するときにやりますよ」との返答だった。

中國の大學(xué)にもさまざまな奨學(xué)金があり、日本と同様に、成績と経済力が採用基準(zhǔn)の二本柱となっている。成績の方は學(xué)校の試験で比較的公正なデータが得られるが、貧困學(xué)生向けの奨學(xué)金は、親の所得を過少申告するのが當(dāng)たり前となっており、「所得ゼロ」と提出する學(xué)生も珍しくないという。

「親の所得がゼロなんてなかなかないでしょう」「そうですよ。誰だって信じないですよ。だから投票するんです」。なんと、日本語學(xué)科では貧困者向け奨學(xué)金の受給者を、クラスの投票で決めるという。

「AさんはiPhoneを使ってるから貧乏じゃない」「Bさんは服をたくさん持っている」…。その基準(zhǔn)はいかにも情緒的だが、でたらめの所得証明書よりは信頼できると考えられている。そして投票なので、友達の囲い込みが不可欠である。ここでも「コネ」が大事なのだ。

両親がおらず、高校から奨學(xué)金だけで自活している學(xué)生は言った。「うちのクラスは、投票前に演説をして、自分の家がいかに貧乏かを宣伝します。私の家は本當(dāng)に貧しいのでみじめです」。

そして貧困學(xué)生向けの奨學(xué)金を獲得するために親の所得を過少申告していた學(xué)生たちは、日本に留學(xué)する段階になると、ビザを取得するために、故郷の役所に行って水増しした所得証明を発行してもらう。

この大學(xué)の學(xué)生の多くは、小さな地方都市や農(nóng)村の出身なので、大都市ではこんなことは起こっていないかもしれない。しかし普通の大學(xué)生が、役所から発行させる數(shù)字を操作できる環(huán)境にあっては、中國人がデータや統(tǒng)計よりも噂を信用するのも無理はないと思う。

■筆者プロフィール:浦上早苗

大卒後、地方新聞社に12年半勤務(wù)。國費留學(xué)生として中國?大連に留學(xué)し、少數(shù)民族中心の大學(xué)で日本語講師に。並行して、中國語、英語のメディア?ニュース翻訳に従事。日本人役としての映畫出演やマナー講師の経験も持つ。

■筆者プロフィール:浦上 早苗

1974年生まれ、福岡市出身。早稲田大學(xué)政治経済學(xué)部卒業(yè)、九州大學(xué)大學(xué)院経済學(xué)府修了。大卒後、地方新聞社に12年半勤務(wù)。その後息子を連れ、國費留學(xué)生として大連に博士課程留學(xué)…するも、修了の見通しが立たず、少數(shù)民族中心の大學(xué)で日本語講師に。並行して、中國語、英語のニュース翻訳に従事。頼まれて映畫に日本人役として出たり、マナー講師をしてみたり、中國人社會の中で、「日本人ならできるだろ」という無茶な依頼に、怒ったりあきれたりしながら付き合っています。マスコミ業(yè)界の片隅に身を置いている経験から、日米中のマスから見た中國社會と、私の小さな目から見たそれの違いを少しでもお伝えできれば幸いです。

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